2023年6月 9日 09:00
「何時までも若々しく健康で長生き」、そういう願望は何時の時代も多くの人が思っていることでしょう、そんなことを意識するような歳になって健康と長寿をテーマとした事業を幾つか立ちあげていますが、そのきっかけになったのが実はタンポポなのです。
6年前の5月、野草の研究中にふと目にとまったタンポポを持ち帰ってベランダで栽培し始めたのです、これは決して偶然ではなく私の中に昔のある思い出が蘇ったからなのです。
タンポポといえば野草、野草といえばイタリアンで最近よく使われる「ルッコラ」です、実はこのツッコラは栽培されるようになったのはほんの20年程前です、それまでは野や山に自生していた野草です。
先の思い出が蘇ったという話しですが、それはパリで日本と往復しながら2年間ほど仕事をしていた頃、いつも通ったレストランで食べたグリーンサラダにタンポポが大量に使われていたのです。
ちょっと苦味がありますがオリーブオイル+ワインビネガーとの相性は抜群で、最初は若干苦味が気になりますが飽きがこない味で毎日でも食べたいものに変わります。
日本でも明治の初期まで飢餓防止で西洋タンポポの栽培を推奨されていたという記録があります、どうりで日本中どこに行っても西洋タンポポが自生しています、花から根まで全て食べる事ができる万能野草のタンポポは何故食されなくなったのでしょうか。
ところで4年前に埼玉と千葉の2つの農家でフランス産の栽培品種のタンポポの種を取り寄せて栽培してもらいました、採れた1メートル近くも大きく育った食用タンポポをみんなで試食しました。
サラダは勿論、パスタにピザになかなかの味で栄養豊かな野菜として扱ってもまったく違和感がありません、その後直営のイタリアンレストランで正式にメニューとして提供していました。
タンポポは食用だけではありません、栄養素的に実験しているのですが外用剤としても効果があると考え化粧品などへの応用としても既に事業化しているほどです。
タンポポに含まれる自然の化学成分であるフィトケミカルは20種類以上、しかも免疫力向上やデトックスに効果のある成分が豊富です、フランスのように家庭で普通にタンポポが食べられる日が日本にも来ることを願っています。
ところで、栽培品種のタンポポは野に存在している西洋タンポポとは似ても似つかない姿をしています、1メートルにもなる葉を見て誰もタンポポだとは気付かないでしょう、野菜としてのタンポポをどうにか普及させたいと思います。