2024年11月26日 09:00
日本の農業が今極めて危機的状況にあることをご存じでしょうか、まずはデータで示しますと農業労働者は50年前の20%に減少しており現在約130万人しかいません。
また高齢化が急速に進んでおり、同じく50年前の農業労働者全体に占める60歳以上の割合は20%であったのに対して現在はなんと80%以上となっています。
農業労働者の減少に加えて高齢化が進み日本の農業は確実に縮小しています、そこで政府は農業法人の規制を緩めて農業を法人で行えるようにしていますが、それも効果は限定的で思った以上に参入障壁が大きいことが解ってきました。
その理由の一つが労働収益性が極めて低いというのがあります、また繁忙期には朝早くから作業をする必要があり若い人が農業をやりたがりません、現在では多くの農業労働者を外国人に頼っていますがそれも新型コロナパンデミックなどの逆風も吹いて思ったように確保することが難しい状況になっています。
そこで農業改革のヒントをオランダに見出そうと数年前からシンクタンクや民間企業を中心に研究が始まっています、オランダは農業をデジタル化することによってアメリカに次ぐ世界第二位の生産量を誇るまでに成長しました。
その作付け面積はなんと日本の半分しかありません、つまり狭い農地で効率良く農産物を生みだしていることになります、これらを研究し今後必須とされているのが農業DXという新たな分野です。
DXとはデジタルトランスフォーメーションのことで、人間が行うことをITシステムやロボットを駆使して自動化しようとする試みであり現在あらゆる業界で進められようとしている分野です。
例えば、その地域の天候や気温、また土壌を分析して効率良い作物のローテーションをAIで計画書を作成します、またAI搭載の機械を使い無人で種まきから収穫までを行うのです。
更には薬品の散布や害虫の発見もドローンを使って自動化します、こうすることで農業労働者の必要性が無く広い農地を使った無人の農作物生産工場と化するわけです。
農業とITの融合である農業DXはIT技術が無くても大丈夫です、ビジネススキームが完璧であればそれを作るシステムは全て委託で行えるのですから。