よく、健康をテーマにした記事などで「身体をアルカリ性にする」という内容が使われていますが、これはハッキリ言って大きな間違いです。
そもそも、人間の身体細胞及び血液はph7.4前後の弱アルカリ性に保たれており、このバランスを維持するため高度な恒常性機能が備わっています。
ちなみに、ph6.8以下を「アシドーシス」、ph7.8以上を「アルカローシス」と呼び、生命維持が危険な状況になります。
このため、ph7.0(中性)を下回るようになると、骨を溶かしてまでもアルカリ性を維持しようとします。
では、先述の「アルカリ性にする」というのは、何を示しているのかというと、正確には「尿をアルカリ性にする」という意味なのです。
尿が酸性に傾くと、体内の毒素を排出しずらくなり身体内に毒素が溜まり、痛風や結石、また皮膚疾患などを引き起こしたり免疫作用が弱まったりします。
そこで、尿をアルカリ性に傾けるように食事のバランスが必要になってきます。
尿をアルカリ性に傾けるには、簡単に言うと「アルカリ性食品を食べる」ということになります。
アルカリ性食品とは、カリウムとカルシウムを含む食品を指し、野菜や果物などが主な食品となります。
逆に酸性食品は、リンや窒素を多く含む食品で肉類や魚介類となります。
しかし、肉類や魚介類は必須アミノ酸を摂取する為の重要な食品です、つまりバランスが取れた食事が重要ということになります。
焼き肉を野菜で巻いて食べる習慣は、実に理に適った方法なのです。
まさにこういう工夫や習慣が、常に陰陽のバランスを取る食事を心がけるということなのです。
肉類や魚介類と野菜をセットにして食べること、肉類だけでも駄目、野菜だけでも駄目なのです。
近年の夏は平年以上の暑さが予想されています、そんな夏の暑さで特に熱中症対策は不可欠です。
熱中症対策は、食事でかなりの効果が期待できるのも事実であり、今回は暑さ対策に効果のある食品を紹介したいと思います。
まず肝要なのはとにかく水分を摂取することですが、逆に汗をかき過ぎると水分が奪われ尿量が少なくなる傾向があります。
これは身体の老廃物を排除できずに、毒素が身体に溜まり血はドロドロになり、そして疲れが取れずに食欲不振を招く夏バテを引き起こす原因となります。
また、汗によってナトリウムが大量に排泄され、細胞維持ができなくなる恐れがあり、極めて危険な「低ナトリウム血症」という症状を引き起こします。
従って水分と同時にナトリウムを多く摂取しながら、同時に排尿を促す利尿効果のある食品も多く摂取しなくてはなりません。
これに効果のあるのが、「タマネギ」、「ネギ」、「ニラ」、「ニンニク」などです。
これらは生でも加熱しても効果はほとんど変わりませんので、いろいろな料理に多用したい食品です。
また、「キュウリ」や「スイカ」、「メロン」などのウリ科類も利尿効果が抜群で、更には身体を冷やす野菜としても知られており、夏場には是非毎日食べていただきたい食品の一つです。
暑い日が続くと、毎日新陳代謝がフル稼働するため、身体の全ての臓器や細胞が疲労します、そして機能低下を招くいわゆる夏バテを起こしてしまいます。
この内臓や細胞の疲労回復にはビタミンB1が不可欠です、また合わせて新陳代謝に必要な栄養素で夏バテを予防する意味でも、ビタミンA(カロチン)を合わせて摂取する必要があります。
これを可能にするのが肉類で、特に豚肉の油身に含まれるビタミンB群は夏には特に効果を発揮します、またレバーにも極めて多くのビタミンAとB群が含まれています。
さて、これらを総合するとどんな料理がお薦めかと言うと、ずばり「肉(レバー)野菜炒め」です。
豚肉(ブタレバーでもOK)、玉ねぎ、ニラの栄養素トリプル効果は夏には抜群の相乗効果を発揮します、また油にゴマ油を用いれば更に栄養素の相乗効果は高くなります。
加えてサラダにキュウリを入れるか、キュウリの中華ドレッシング和えなどで、ぶつ切りキュウリを多めに取れば老廃物をどんどん体外に排出し毒素を溜めませんし、必要なナトリウムもドレッシングなどから無理なく摂取することが出来ます。
この夏に是非、これらの効果を試していただきたいと思います。