2024年10月12日 08:00
アスリートの世界では、「試合当日にうどんを食べると調子が良いがパスタを食べると調子が出ない」という話しが定説になっているようです。
さて、小麦が原料のパスタとうどん、この違いはなんでしょう?
小麦を原料としているこの2つの麺類ですが、まず小麦の種類が異なります。
パスタはデュラム小麦という硬質小麦を100%使用したもので粗粒(セモリナ)にして製造します。
タンパク質成分が他の小麦に比べて多く、食感はモチモチして弾力性に富んでいます。
色は透明感のある黄色で、パスタが黄色いのは着色したのではなくデュラム小麦本来の色です。
対してうどんは、タンパク質成分が少なくでんぷんが多い白色の軟質小麦を使用して作られています。
軟質小麦は一般的には薄力粉として売られており、ケーキなどに使われている小麦です。
この2つの小麦の大きな違いは、タンパク質の含有量になります。
タンパク質成分の多いパスタは、消化は悪いが逆に血糖値を急上昇させずにゆっくりと消化されていくために腹持ちがよくダイエットにも適した麺といえます。
更に、パスタはデュラム小麦100%の粗粒(セモリナ)を使用するのが規定となっており、独特の食感はそのためで消化もゆっくりと行われるように工夫された麺なのです。
逆に、軟質小麦の細粒(スノー)で作られたうどんは、消化が良く血糖値を素早く上げエネルギーに変えやすいといえます、ただ糖分解が早いのでダイエットには不向きです。
アスリートは、消化が良く素早くエネルギーに代わるうどんの方が調子が良いというのもうなずけます。
逆に女性や高齢者には、ゆっくりと消化し血糖値を急上昇させないパスタに軍配が上がります。
また、デュラム小麦にはタンパク質の分解や精神安定ホルモンであるセロトニン生成には欠かせない成分のナイヤシンが豊富に含まれています。
アスリートは、試合の当日を除いた日に麺を食べるとしたら、身体を作り精神を安定させるパスタの方が適していると言えます。
その人のライフスタイルと状況で、パスタかうどんかを選択するのが良いでしょう。
尚、中華麺は一般的に硬質小麦と軟質小麦との混合でパスタとうどんの中間的要素と考えればよいでしょう。
中華麺はお店独自の麺を製造している場合が多く、お店によってはシコシコ感を出すために硬質小麦100%、もしくは割合を多くしている事もあります。
更に、中華麺は繋ぎに卵などを入れている場合があり、カロリーはパスタやうどんに比べて一般的には若干高めとなります。