一念発起で起業する人は今の時代には珍しくありません、しかしせっかく時間もお金も使って大いなる志を持って起業しても数年で廃業していく人もまた後を絶たないのも事実です、何故こんなにも現代の起業は上手くいかないのでしょうか、そこには当初の描いていた理想の世界と現実との埋めようもない大きなギャップがあるように思います。
それに気がついた人は立て直しの余地も充分にあるのですが、ほとんどが失意の中で廃業していくのも現実です、ここ数年で起業する人の多くは時代を反映してホームページやポータルサイトを立てます、そしてSNSを使ってアナウンスします、ここで多くの起業家はこの行為自体で「上手くいく」と勘違いしてしまいます、ここに大きな落とし穴があるのです。
ホームページやポータルサイトを立てたところで誰も見に来てはくれません、つまり見に来てくれる手法を駆使して効果的な告知をしなければ意味が無いのです、これはネットの世界はリアルの世界と全く変わらないことを意味しています、リアルな店舗を作り看板を上げても何もせずに座っているだけでお客さんが来てくれるでしょうか?
ネットでも同じことなのです、ホームページを立てることは名刺やパンフレットを作成したのと何も変わらないのです、リアルでのビジネスが上手くいく人はネットでも上手くいきます、そもそもビジネスとは誰を相手にしているのかを考えてみると解ります、ビジネスの相手はどの業種でも人間です。
そこには人間関係を上手く構築できなければならないのです、むしろ不特定多数を相手にするネットの方がはるかに難しいと言えます、リアルで上手く人間関係を構築できない人が更に不特定多数を相手にした複雑で面倒なネット上で上手くいくわけがないのです、Webを使った集客は確かに知り合うきっかけにはなりますが、その後はリアルでの関係構築が全てを決めます、これに気付きだした人は地に足を着けたリアルでの口コミ集客を重視するようになるのです。
そろそろWeb集客の限界を知るべき時代が来たのではないでしょうか、ズバリこれからの時代はみんながやっているWebマーケティング手法は通用しません、不特定多数の面倒な人間関係、会ったこともないが故のトラブル続出、そのストレスや無意味な時間とお金、これらがリアルでのビジネスの足を引っ張っていることに早期に気付くべきなのです。
 
 
シェアハウス・シェアオフィス・シェアカー」と、これまで多くのシェアビジネスが誕生してきました、面白いところでは「シェアおじさん」という時代を反映したビジネスも派生しました、この「シェアおじさん」とは社会的信用力の低い人や外国人が家を借りるときなどに付添い人という形で様々な交渉事を行ってくれる人を派遣するビジネスです。
当初の目論みとは異なり実際の依頼は恋愛トラブルや住環境トラブル解消などの交渉事に利用されているようです、ただシェアビジネスは近年では閉塞感が出てきています、中国発祥の各種シェアビジネス会社は次々と破綻に追い込まれています、更には強引な融資での「シェアハウス」破産者も急増しており世の中からシェアビジネスは消え去ろうとしています。
しかし近年は新たなシェアビジネスが台頭してきています、その仕掛け人は時代を反映してか何とIT企業なのです、以前からあるレンタルサーバービジネスやクラウドサーバービジネスも一つの高性能サーバーのシェアビジネスの一つです、これが近年では1CPU毎の契約ではなく利用量に応じた契約に切り替わりつつあり大手企業もコストが嵩む独自サーバーから順次切り替えています。
また新たなプラットフォームとして今後期待されているのが「ブロックチェーン」などの新技術分野のシェアビジネスです、ブロックチェーンシステムを構築するのは多大なコストと運用コストが掛かります、これを1つのブロックチェーンを複数の企業でシェアすれば1社辺りの導入・運用コストは10%程度に落とすことが可能となります。
このように今後はIT分野の多くのサービスがシェア化されてくると読んでいます、温故知新よろしく古き文化を新たな分野に応用する事もまた成功するビジネス思考というものです。
 
 
近年、ランサムウェアによる被害が国内外で急増しています。特に名古屋港運協会ではシステム停止により港の機能が一時麻痺しました。またKADOKAWAとニコニコ動画では25万人超の個人情報が流出しました。いずれも侵入後に内部で自由に拡散される構造が深刻な被害を生んだ共通点です。
■ 名古屋港運協会の被害(2023年7月)
被害内容: ランサムウェア「LockBit」に感染し港湾物流システムが停止。コンテナの搬出入予約ができず港湾業務に大規模な影響。
影響規模: 約2万本のコンテナに遅延。港の機能が一時停止し全国の物流に波及。
侵入経路: VPN機器の脆弱性が狙われた可能性。
復旧までの時間: 業務完全再開まで約2日。
主な教訓: 業務インフラにおける単一障害点の存在と境界型セキュリティの限界。
■ KADOKAWAとニコニコ動画の被害(2024年6月)
攻撃主体: ロシア系ハッカー集団「BlackSuit」による標的型攻撃。
被害内容: 25万件以上の個人情報(氏名・住所・連絡先等)が流出。一部には社員情報も含まれる。
サービス停止: ニコニコ動画は約2か月間利用不能に。
原因: 旧式のインフラ管理、ID・アクセス制御の不備。
影響: ユーザーの信頼喪失、取引先や関係機関への波及も。
主な教訓: 大手でも内部アクセス制御やデータ保全体制の脆弱性が大規模被害につながる。
こうした背景から今企業が最優先すべきはデータセキュリティの強化です。従来の「内側は安全」という前提を捨て、すべてを検証・保証・制御する「ゼロトラストアーキテクチャ」への移行が不可欠となっています。ゼロトラストではユーザーや端末のアクセスを常に検証し最小権限の原則に従ってデータへの接触を制限します。万一侵入を許しても被害の拡大を最小限に抑えることが可能です。
ランサムウェアは避けられないリスクになりつつあります。だからこそ今求められているのは「侵入されても守れる」体制づくりなのです。
 
 
IoT技術の進展に伴いセンサーやデバイス間でやり取りされるデータ量は爆発的に増加しています。 これらのデータを安全かつ信頼性のある形で管理・共有するためにブロックチェーン技術が注目されてきましたが、近年では「DAG(有向非巡回グラフ)」という新たな台帳構造が注目を集めつつあります。
DAG誕生の背景:ブロックチェーンの限界
ビットコインをはじめとするブロックチェーンは分散型で改ざん耐性があり高い信頼性を持つ技術として多くの分野に採用されてきました。 しかしIoTが求める「秒単位の即時処理」「低コスト」「極小デバイスでも動作可能な軽量性」といった要件には必ずしも適していません。
ブロックチェーンではトランザクションがブロックにまとめられネットワーク全体で順序と正当性に合意を取る仕組みが採用されています。 これは高い整合性を保証する一方で時間と計算リソースを必要とし、リアルタイム性や並列性が重視されるIoTのような環境では処理遅延やスケーラビリティに課題が生じやすいという問題を抱えています。
DAGとは?
DAG(Directed Acyclic Graph)はトランザクションが過去の他のトランザクションを直接参照することで構成される台帳構造です。 ブロックという単位は存在せず各トランザクションが独立してネットワークに追加され全体が有向グラフとして構築されていきます。
新しいトランザクションは過去の複数の取引を承認しながら追加されるためブロックの生成を待つ必要がなく並列に処理が進められる点が特徴です。これによりトランザクション数が増えるほどネットワークの処理能力が高まるというスケーラブルな構造が実現されます。また中央の管理者やマイナーを必要としないため手数料ゼロでの取引も可能です。
なぜIoTに向いているのか?
IoTは「軽量」「高速」「大量処理」の3要素を同時に求められる分野です。 DAGはこれらの要件に対して極めて高い適合性を持っています。
 ・リアルタイム処理:ブロック生成を待たずにトランザクションを即時に追加できる
 ・低電力・軽量設計:マイニングが不要、PoWも最小限または不要で実装可能
 ・ゼロ手数料:センサーデータのような小額・高頻度の取引でも経済的負担がない
代表的な例としてIOTAは「Tangle」と呼ばれるDAG構造を採用しIoT向けの高速・手数料ゼロのプラットフォームを構築しています。またNano、Fantom、Hedera Hashgraphといったプロジェクトも、それぞれ独自のDAGアーキテクチャにより高速性と安全性の両立を目指しています。
今後の展望
DAGはブロックチェーンが抱えるスケーラビリティやリアルタイム処理の課題を克服する構造として注目されています。 構造自体には改ざん防止機能がないものの、各プロジェクトが独自に合意形成やセキュリティ機構を実装することでその弱点を補っています。 IOTAやHashgraph、Fantomなどの先進的な取り組みにより、DAGは信頼性と効率性を両立させる次世代の台帳技術としてIoT分野を中心に今後の主流となる可能性が高まっています。
 
 
AI・IoT・ロボティクスが社会基盤に浸透する中、サイバー空間と現実世界(フィジカル空間)が一体化システム「サイバーフィジカルシステム」の安全性が注目されています。経済産業省はこれらに対するリスクを解決する「サイバーフィジカルセキュリティ」という新しい枠組みを整備しています。
◇ 経済産業省の政策
経済産業省は2020年に「サイバーフィジカルセキュリティ対策フレームワーク」を発表し、スマート工場・エネルギー・インフラなどの分野において現実世界とサイバー空間の統合管理に伴うリスクの対処する方針を示しました。以降、製造業・ロボット・医療などの分野ごとにガイドラインが策定され、Society5.0実現に向けた安全基盤の確立が進められています。
◇ 多層防御アプローチ
サイバーフィジカルシステムへの攻撃は1つの層だけでは防げないとして「多層防御」の重要性を強調しています。例えばセンサや制御機器にはハードウェアレベルの認証や改ざん防止策、通信経路には暗号化とゼロトラスト設計、AI分析基盤には異常検知とログ監視、そして最終的な制御装置には緊急停止や冗長系の確保が求められています。
◇ レジリエンスと自律防除の時代へ
今後は「すべてを守る」という思想から「被害を最小化し迅速に回復する」というレジリエンス設計が主流となってきます。さらにAIが脅威を検知し自律的に防御を行う「動的セキュリティ」や「自己修復型システム」の研究も進んでいます。今こそサイバーとフィジカルが融合する時代にふさわしいセキュリティの備えが問われています。