2023年8月 7日 07:00
あまり知られていませんが内閣府が進めるデジタル施策の一つに給与のデジタル払いというのがあります、当初は20年度の実現を目指していましたが課題が山積し昨年の4月に解禁する方針がようやく決まったのです。
この給与のデジタル払いとは、給与を銀行口座に振り込んで支払うのではなくスマートフォンのアプリケーションを通してスマートフォンに直接振り込んで行うという代物です。
難航した課題の一つに、スマートフォンのアプリケーションを運用する企業が倒産した場合はどうなるかとか、スマートフォンを落としてしまったらその保証はどうするかなどです。
世の中に新たな試みが次々と出てきますが、障壁は常に「リスクヘッジ」というのは何時の時代も変わらないと思うばかりです。
銀行の通帳でも同じことでただの数字に過ぎません、カードを落とせば引き出されるリスクはあるし銀行が破たんするリスクもあるのです。
ここで給与のデジタル払いとは何を意図したものでしょうか、考えられる一つに「振込手数料」の問題があります、また銀行口座を持つことでその人はその銀行にある意味では縛られることになり金融の自由が阻害される可能性があるからです。
確かに社員が数万人ともなれば毎月数百万円が振込手数料で消え、年間にすればかなりの額となります、これの全てが銀行の収益となっているのです。
給与のデジタル払いが実現すれば何れはあらゆる支払いもデジタル払いが普及していくことになります、デジタル払いは是か非か、そして内閣府の真の目的は何か、振り込む側ではなく貰う側がじっくりと見極めなければならないデジタル施策の一つだと思います。