2023年4月17日 07:00
新たな技術やデジタルインフラが誕生すると多くのアイデアマンが事業を興し、提案書を大手企業に持ちこんで資金援助を依頼します。
しかし多くの人達は資金調達もままならず事業構築すらできません、結果周囲からは「技術オタク」と言われてしまいます。
「技術オタク」とは一定の技術分野の知識や情報に広く精通しているのですが、ただそれだけの人を指して言います。
ところでエジソンは、優れた先人たちの技術力よりも劣った製品を後発したにも関わらず何故天才と呼ばれたのでしょうか?
近年では、ビル・ゲイツやスチーブ・ジョブズは何故他者の考えた技術アイテムをコアに事業化し成功したのでしょうか?
多くの天才たちは黎明期は技術オタクと同種の人達です、でも単なるオタクとは何かが違うのです。
その違いの最たるものが「マネタイズ」にあります、もっと言えばアイデアを具体的にするためのマーケティング戦略であり更にそれを含めたビジネススキームです。
天才は発案したものを実際にお金を集めて具体的な形にします、そしてそれをどのようにして利益に繋げていくのかの成功シナリオも完璧なまでに作り上げるのです、ここが天才とオタクの大きな違いです。
天才は技術を極めるだけではなく、現在の社会情勢を正確に掴んで世の中に認められ使われることを意図した製品を「待ち」に徹して絶妙のタイミングで世に出したのです。
そして成功シナリオが完璧であれば大きな事業と化し成功者として崇められるのです、新技術を世に広めるマネタイズ手法や成功シナリオは「ビジネスモデル」という知財になり特許出願することもできます。
アイデアを考えるだけでは単なるオタクで終わります、それをどのように近未来においてビジネスにしていくのか、ここが天才とオタクを分けるのです、完璧なビジネスモデルを考えられる人は極僅かです、だからお金も集まるのです。
IT事業に身を置くと連日のように提案してくる人と出会います、しかし提案書には重要なマネタイズ手法とマーケティング方法が抜けているのです。
その時点でその人に興味を湧くこともなく企画も頭に入りません、何故ならオタク思考で考えた取るに足らないものだからです。
アイデアを出す人など5万といます、こういう人達とビジネスしても何も生まないことは過去多くの経験から嫌というほど知っています。
「天才はコア技術と結果を重んじ、オタクは周辺技術と過程を重んじる」、だからオタクと組んでも結果が得られるはずもないのです。
オタクが100人寄っても何も生みませんが天才が一人いればあらゆるものが生まれます、大工を100人集めてもビルが建たないのとまったく同じです。