2023年3月17日 07:00
「デジタルマーケティング」という言葉自体は10年以上も前から存在し、その後に派生したWebマーケティングと混同され昨今ではあまり聞かれなくなった言葉の一つだと思います。
しかしデジタルマーケティングは新型コロナウイルスパンデミックによるソーシャルディスタンスという社会現象を受けて、全ての業界にとって今後益々重要な経営手法の一つになっていくと思います。
Webマーケティングとデジタルマーケティングは全く異なる視点で考える必要があるのではないかという記事も多く見られるように、昨今ではデジタルマーケティングを見直す機運が広がりつつあります。
ではデジタルマーケティングとWebマーケティングとは、それぞれどんな手法を指すのでしょうか。
まずWebマーケティングはその中心に置かれているのがWebサイトになります、したがって重要視されてくるのがSEO対策やコンテンツの内容、また誘導するためのバナー広告やリスティング広告、更にはSNSとの連動などとなってきます。
またWebサイトに来てもらってからの購入や予約、問い合わせなどの自動化などのバックオフィス処理に重点が置かれます。
このWebマーケティングを効率よく考えた手法がプロダクツローンチという手法ですが、本来目指したB2BやB2Cなどの法人ビジネスには向かず企業は揃って採用を見送ったという経緯があります。
逆にSNSを舞台とした個人間でのビジネスの集客手法として定着し、そして数年前にその限界が見え始め淘汰されていったのは誰もが理解するところです。
そういった経緯もあり、昨今忘れかけられていた本来的なデジタルマーケティングが再度注目されるようになったのです。
デジタルマーケティングは、Webマーケティングよりも包括的な哲学にも似た思想が必要でITを駆使して行う全方位型のマーケティング手法です。
計画的な経営思想をデジタルに反映したものである必要があり、リアルマーケティングテクニックをそのままにデジタルに置きかえることを目指しています。
ホームページは必要最小限のバナーなどと共に簡素な構造に始まり、商品ごとのポータルサイト、情報提供だけを行うキュレーションサイト、またPRを目的としたカタログサイトやECサイトなど正確な情報提供と顧客ニーズに合わせた複数のポータルサイトの縦横無尽の複合的な導線&構築手法が重要になってきます。
つまり単一複合サイトではなく、複数の機能別サイトを連携した戦略的に計画されたサイト構築手法が重要になるのです。
そのうえで、それぞれのサイトを目的別に特化させることが重要です。
正確な情報提供サイトならそれに特化し、そこから誘導しECサイトへ繋げるなどのWebマーケティングに見られるような姑息な手法はご法度です、あくまでも信用を重要視した手法が求められます。
AI全盛期を迎えるにあたり忘れ去られようとしていたデジタルマーケティングの復活は必須と考えています、資産運用などのシミュレーション、会員専用の運用実績管理、自社商品比較情報サイトなど、ニーズに合わせた情報提供と煩わしい各種台帳処理から解放されるサイトの構築が重要になってきます。
最後にデジタルマーケティングの成功キーワードは、「パーソナライゼーション」だと考えています、つまり顧客一人一人のニーズに適合するようにAIを駆使したデジタルサービスの提供ということになります。
デジタルマーケティング全盛時代はまさに業界内にデジタルデバイドを起こします、デジタルに強い企業だけが生き残っていく、これからの時代はデジタル抜きには語れません、世は限りなくSF映画に近づいて行くのです。
デジタルとは無関係と思われている農業もこれからの時代はアグリテックの時代に突入します、農業とデジタルの融合と聞いて生産者直販サイトなどを想像している人はデジタル難民化するかもしれません、もう家族単位で農業を細々と行う時代ではないという発想が必須で、その上でデジタル化すべき事業は星の数ほど存在しています。
デジタル省の開設は世界から遅れること10数年、ようやく日本の政府も重い腰を上げたようです。