フォステクスと言えば創業以来のDIYスピーカーユニットの老舗メーカーです、今回Stereo誌とのコラボで特別ユニットを製造してくれました。
その意味では、この8CmフルレンジユニットOMF800Pは貴重な一品だと思います。
その貴重な特性ユニットの性能を100%引き出すDIYエンクロージャーキットを組みたてましたので、ユニットを取りつけて試聴しました。
フォステクスOMF800PをDIY専用エンクロージャーに取り付けた
試聴中
リファレンスはダイヤトーンDS-200ZA
この特別ユニットOMF800Pは価格はペアで6,000円程なのですが、同様のスペックでの市場価格は倍以上ですのでかなりお得な買い物です。
センターに付いているアルミ製のイコライザーは、何とアルミ棒から一個一個削り出しで製造したものでプレス加工ではありません、また金属膜のコーンも特別性でマグネットも強力なものを使用しています。
そんな手の込んだユニットをフォステクスは特別仕様で製造したわけですが、その努力が見事に音に出ています。
専用エンクロージャーのバックロードホーン型というのも効果絶大で低音域が物凄く伸びています、また中高音域の張り出しもシャープで響きも含めて8Cmフルレンジとしてはトップクラスの音質ではないかと思います。
ボリュームをガンガン入れてもまったく歪ません、これは化物のような8Cmフルレンジユニットです。
個人的には一発で惚れこんでしまいました、時々繋ぎ換えては効き込みたい程の音色を奏でます。
特にサックスの響きが前へどんどん出てきて凄いです、本当に8Cmフルレンジの音ではありません。
エンクロージャーは壁にぴったり設置しても音の変化は殆どないのでどんな設置方法でも使えます、これは凄い、もう1台突板仕上げで作ってみたくなりました。
市販品では決して味わえない感動の音が手に入るDIY、これがDIYオーディオの極みなのです。
マークオーディオと言えば今話題を集めている新鋭スピーカーユニットメーカーです、今回Stereo誌とのコラボで特別に新ユニットを製造してくれました。
その意味では、この8CmフルレンジユニットOM-MF519は貴重な一品だと思います。
その貴重な特別生産ユニットの性能を100%引き出すDIYエンクロージャーキットを組みたてましたので、今回取り付けて試聴してみました。
マークオーディオOM-MF519をDIY専用エンクロージャーに取り付けた
試聴中
リファレンスはダイヤトーンDS-200ZA
音出し一番、カラッと明るい音色にハッとします。
まるで、JBLの小型ブックシェルフを鳴らしているかのように爽やかな気持良い空気感で満たされます。
こういう音色って出そうとして出るものなのか、本当にこういう音色を出せる音作りノウハウには脱帽モノです。
一言で言えば、聞き流しでは問題なく愉しめる音色ですが、じっくりと聴き込みたくなる音色でもあります。
個人的にはかなり好きな音色です、現在いろいろなアンプに合わせてみていますが何れもスピーカーの個性が強く出ます。
こういう音色は低音とか中高音とかそういう細かな評価はどうでもよくなります、サックスやピアノがガンガン張り出してきますが嫌みはまったくありません。
また音量を上げていっても安定感があります、PA用のスピーカーのようにタフな作りのスピーカーユニットです。
細かなことを言うと高音域の伸び代はあるのにコツンとしたシャープな音色がもう少し欲しいところ、でもフルレンジということを考えると欲張りすぎですね。
もう少し耐圧が高ければ、3ウェイ構成のスコーカーとしてミッドレンジを受け持たせても面白いかもしれません。
これはこれで特徴的な音色の一台として、将来の為に持っておきたい逸品です。
パイオニアと言えば日本発のスピーカーメーカーです、今回Stereo誌とのコラボで特別ユニットOMP-600を製造しました。
その意味では、この6CmフルレンジユニットOMP-600は貴重な一品だと思います。
その貴重な特性ユニットの性能を100%引き出すエンクロージャーキットを組みたてましたので、今回ユニットを取り付けての試聴を行いました。
パイオニアOMP-600をDIYキットの専用エンクロージャーに取り付けた
OMP-600を試聴中
リファレンスはダイヤトーンDS-200ZA
音出しの瞬間、これ本当に6Cmフルレンジの音だろうかと疑うほど低域が出てきます、流石専用に設計されたエンクロージャーの性能は確かです。
また、中高域はOMP-600の性能そのものが出ますが、シャープさには欠けるものの切れの良さは申し分ありません。
豊かな音色とは言えないまでもかなり聴き込める音色です。
メインでは厳しいもののサブシステムとしてジャズやポップスを充分に愉しめるスピーカーシステムだと思います。
また、バックバスレフ型ですのでデスクトップで壁から5Cmほど離して設置するとかなりの低音域が期待できると思います。
何れにしても、キットとはいえ8,000円でこの音が手に入るのであれば安いと思います。
何よりも自分の手で作ったたというのがDIYの最大の喜びなのです。
DIYスピーカーユニットのWP-FL80を専用エンクロージャーに取り付けましたので、早々に音質を確認しました。
ワンダーピュアWP-FL80+専用エンクロージャー
ワンダーピュアWP-FL80はネットで賛否両論の情報が飛び交っていたので、新規参入のメーカーということもあり試しに買ってみました。
ワンダーピュアというブランドは電子工作キットを販売している会社です、そのワンダーピュアが本格的なオーディオDIY製品として発売したのがWP-FL80というオリジナルユニットです。
電子工作キットの老舗メーカーでエレキットがありますが、そのエレキットも近年に真空管アンプキットなどを手掛けていますので時代の流れなのかもしれません。
音質は、まあ8Cmユニットなので中高音域のメリハリを期待していたのですがイマイチです!
フォステクスの8Cmの同価格帯のユニットと比べて、元気がないというかマイルドというか大人しめの音質です。
DIYで1.3万円という価格であれば、もう少し作り手を喜ばせるような音質を追求してほしいと願うばかりです。
ちなみに8Cmのフォステクスのカンスピセットだと8,000円程度ですから、音質から見るとフォステクスのコストパフォーマンスの良さが逆に光ってしまいます。
スピーカーDIYオーディオでブランドの確立を目指すなら、確実にフォステクスよりもコストパフォーマンスが高くなければならないのです。
電子工作キット販売のワンダーピュアがオーディオ製品で勝負をかけるなら、戦略的な価格と話題性のある音質を追求しないと難しいと思います。
新しいメーカーには頑張ってほしいと思うのですが、オーディオマニアの耳を唸らせるには本当に厳しいのです。
また、ユニットではなくエンクロージャーの特性だと思うのですが、100Hz前後の低域でポンポン跳ねるような響きがあります。
気になる人はかなり気になる共鳴音です、ちなみにバスレフ穴をスポンジで塞ぐとこの妙な響きは収まりますが、同時に低音域はまったく聴こえなくなります。
原因はエンクロージャーに在ることは確かですが、外装やコネクタに凝るのではなく音に拘るエンクロージャーを本気で設計して欲しいです。
なにか見せかけだけのやっつけ感が本当にビジネスに情熱を燃やす者としてイラッときます。
PCオーディオでのスピーカーと考えれば、周波数レンジ的にもサイズも音質的にもまあまあ使えると思いますが、ハイファイオーディオとしてのスピーカーということを謳うのであれば論外です。
フォステクスのP-1000Kの音を確認していて、ふと10年以上も前に組み立てていたフォステクスの12CmフルレンジユニットFF125Kと専用エンクロージャーのことを思い出して、比較の為に再度音を確認してみました。
ちなみに、ペアでのセット価格は保護ネットをオプションで付けているということもあって5万円弱とP-1000Kセットの5倍です、音も期待してしまいます。
FF125Kは、オーディオDIYマニアの中でも人気が有りスペックも文句無しです。
フォステクス FF125K+専用エンクロージャー+保護ネット
DIYスピーカーでは、その殆どが金額と音質とのあまりものギャップが大きくて正直ガッカリしますが、このFF-125Kは期待を裏切りません。
専用エンクロージャーは18mm厚のパーチクルボード(木片を樹脂で固めた合成木板)でかなりずっしりしていて箱鳴りもせずしっかりした作りです、木目調の化粧加工もしっかりしていてなかなかのものです。
現在、このしっかりした専用のエンクロージャーは発売されていませんが、エンクロージャー専門メーカーから材質がMDFに変わっていますが3万円ほどで発売されています。
本品は、バスレフダクトがプラスチックの筒ではなく木材による成形品で価格が高いのもうなずける内容です。
さて、この12CmフルレンジユニットFF-125Kですが、音質がどうのこうのというよりも12Cm口径1発ながら極めてバランスが良く明快な音を放ってくれます。
中高音域は、極めてシャープに張り出す明るい音色でジャズやロックに向く音質です。
細かい事を言えば12Cm口径なので低音域にやはり難があるのですが、3ウェイ大型ブックシェルフから切り替えてまでもこの音をときどき聴きたくなる時があるほどです。
更にラウドネスをオンにすると、中型ブックシェルフかと思わせるような迫力あるパンチの効いた音で鳴ってくれます。
また、定格入力も高くかなりパワーを入れてもまったく歪まないのでかなり使えるスピーカーユニットだと思います。
当然ですが、パワーを入れて聴く時にはラウドネスをオフした方が綺麗に聴こえます。
流石、フォステクスのフルレンジユニットの自信作だけあります、「既製品では決して味わう事のできない愉音」というのはこういう音だという代表的な音がします。
DIYでなければ得られない音、これがDIYの最大の喜びでもあるのです。