スピーカーエンクロージャーキットの制作③(マークオーディオOM-MF519用)
2024年12月 7日 07:00
個別のスピーカーエンクロージャーの制作過程を説明します。
今回は、今話題のニューDIYスピーカーユニットメーカーであるマークオーディオの8CmフルレンジユニットOM-MF519用のエンクロージャーです。
同じ程度のスペックを持つマークオーディオの8Cmフルレンジユニットは1セットで2万円弱もする高級ユニットです、ほぼ同程度のユニットが6千円で手に入るとあっては買わない理由がありません(ユニットは別売です)。
そして、その高級ユニットの音質を最大限に引き出すように設計されたエンクロージャーが本キットです。
このキットで気を使う点は、側板と天版、側板と底板の貼り合わせ面がそれぞれ45度にカットされている点です。
この方式は完成後の見た目は良いのですが、DIYキットの神器であるハタガネで締めあげられません。
そこで、登場するのがコーナークランプという工具です。
このコーナークランプは、45度にカットされた板同士を90度ぴったりに貼り合わせる事が出来ます。
コーナークランプが無い人は、テープなどを使って一度に張り合わせだけ行って1つの隅が90度になる様に90度の板材などを使って確認したら紐で縛り上げて固定するという方法があります。
ただ、この方法だと最終的に曲がってしまって最後のフロントパネルとバックパネルがはめ込めないなんていう事になりかねないので慎重に行う必要があります。
たった1度曲がっただけではめ込むことができません、ここは最も重要な行程です。
コーナークランプを使っての貼り合わせ
外枠だけ完成です、後はハタガネが使えるので気を使うポイントはありません。
この状態でしっかりテーピングして、1週間乾燥させてから残りの部品の組み上げに入ります。
外枠が完成
補強部品とフロントパネルを張りつけ終わるともう完成したも同然です。
最後にバックパネルにスピーカーコネクタを取りつけ配線を行って、貼り合わせるだけです。
このエンクロージャーのの構造はこんな感じです、オンキョーの高級ブックシェルフスピーカーの補強構造に似ています。
フロントボード・補強板・バスレフ板を一気に張り合わせる
フロントボードとバスレフ板は先に貼り合わせておくこと
フロントから見ると、コーナークランプで90度ぴったりに貼り合わせているので、隙間なくぴったりとはめ込められています
スピーカーコネクタとケーブルの接合は素手では無理、カチッというまでラジオペンチで差し込む必要があります。
ここで手を抜くと、後で接触不良を起こして音が途切れたりします。
また、ケーブルの色を間違えてもアウト、プラスとマイナスが逆になると位相反転を起こして、左右2台を並べて片方が位相反転してると特定の音が聴こえない現象を起こしてしまいます。
最後の1枚のバックパネルにコネクタを先に取りつけケーブルを接続する
最後にバックパネルを貼り合わせて完成
そして、完成です。
所謂、フロントスリットバスレフ型です。
スリットバスレフは、一時期オンキョーがエントリークラスのスピーカーで用いていた方式です。
完成!