スピーカーエンクロージャーキットの制作②(パイオニアOMP-600用)
2024年11月30日 07:00
個別のスピーカーエンクロージャーの制作過程を説明します。
今回は、パイオニアの特性ユニットで6CmフルレンジOMP-600用のエンクロージャーです。
エンクロージャーの形式はQWT方式と銘うっていますが、バックロードホーン型のような構造をしています。
しかしバックバスレフ型のようでもあります、つまり2つの要素を組み合わせたような構造で低音域を伸ばす工夫がされたエンクロージャーです。
パイオニアと言えば現在は事業撤廃していますが、かつては日本を代表するスピーカーユニットを発売していたメーカーです、今回Stereo誌とのコラボで特別にユニット単品を製造してくれました。
その意味では、別売のパイオニア製6CmフルレンジユニットOMP-600は大変貴重な一品だと思います。
その貴重な特性ユニットの性能を100%引き出す構造となっています。
さて、このDYIキットは、はめ込む溝も貼り合わせの基準となる位置表示もありません。
したがって、組み立てで重要なのが最初の1枚です。
これを正確に張り合わせないと、次々にずれていき最後は隙間ができたりきっちり張り合わせができないなんてことにもなります。
最初の一枚だけでもハタガネで正確な位置に、しっかりと固定する必要があります。
3セットの中で、この1セットが最も気を使うキットです。
ボンドはたっぷり使いましょう、ここでケチると張り合わせが弱くなります。
はみ出したボンドはすぐ濡れた雑巾で拭き取ります。
緊張の最初の1枚目の貼り合わせ
最初のベースとなる1枚が乾燥して固定されると、あとはすべての部品を一度に貼り合わせてもずれが無いのであっという間に組み上がります。
それぞれの板も、締め上げるポイントを押さえてハタガネで締めあげてから乾燥させます。
片面が乾いたらスピーカーコネクタと、コネクタにケーブルを接合します。
ここでこれをやっておかないと大変です、組み上げた後ではケーブル配線は不可能ですから。
こういったエンクロージャーの構造は既製品では有り得ません、このエンクロージャーに入れたユニットの音が確認できるのがDIYオーディオの最大の喜びです。
既製品では幾らお金を積んでも絶対に手に入らないのですから。
最後の側板を貼り合わせる前に必ず配線を行うこと
配線を行わずに貼り合わせてしまう人が意外と多いのです
(この場合は買い直すしか解決方法はありません)
最後にもう片面を貼り合わせて完了です。
しっかりとハタガネで固定します。
2時間ほどでハタガネを外して、あとはそのまま1週間放置で完全に乾かします。
最後の1枚を貼り合わせて乾燥させる
ついに完成です!