オーディオとブルーオーシャン戦略~一環とした姿勢を貫く崇高さ
2024年12月 2日 07:00
ユニークな製品作りで知られるティアックは1953年に設立された日本が誇る老舗オーディオメーカーです、設立当初は放送局向けなどの録音装置や計測器などが主な製品でしたが60年代から民生用のオープンテープデッキなどを製造販売するようになりました。
近年ではスピーカーの名門タンノイの日本総代理店を行っていた経験を活かして同軸2ウェイの小型スピーカーなど独特な製品を多数創出しています、その製品群は一般の消費者にはあまり受け入れられてはいないようですが技術系のオーディオマニアを魅了する製品群を創出することで知られています。
その理由の一つにはデザインがあります、ティアックの製品は一環として測定器のようなデザインを多用しており技術系の人はゾクゾクしますが一般の人にはとてもオシャレとは思わないデザインです。
また常に高度な技術を駆使しているのですが、その高い技術力も見えないスペックに現れており一見しては測れないものです、その高い技術力を理解できなければ持つ喜びもまた得ることはできません。
拘りが有るようで無い姿勢も素晴らしいものがあります、例えば部品のセレクト一つ取っても常に目的に合った最適なものを選択しメーカーに拘ることはしません。
目的を達成する為にはその部品を使うしかない場合は躊躇いものなく使います、常に斬新な技術の追求には本当に頭が下がります。
そういった意味からも好みが大きく分かれる製品を創出するメーカーだと思います、好きな人は堪らない魅力であり嫌いな人には見向きもされません、そこが私の評価するポイントでもあるのです。
正直な話が私の生き方や思考とティアックの姿勢とがシンクロしてしまうのです、誰にでも受け入れられる製品を創出することをモットーとはせず一部の消費者でも音質や性能が解る人に買われれば良い、そんなポリシーを持ったオーディオメーカーだと思います。
こういった一環とした攻めの姿勢は一部の人には極めて魅力的で確実なシェアを常に維持してきました、その証拠に独自のユニークな商品を創出し続けオーディオ氷河期を自力で乗り越えてきたという事実を見ても理解できます。
もしもティアックが万人受けするメーカーを目指していたら先のオーディオ氷河期は乗り越えることが出来なかったでしょう、ティアック経営陣の辛抱強さには脱帽します。
「全員に受け入れられなくても、解る人に受け入れられればそれで良い」、私はこんな一環とした姿勢を貫くメーカーが日本に存在することが誇らしくもあり大変嬉しいのです。
私のビジネスの姿勢、そして生き方も含めてかく在りたいと思わずにはいられません。