生成型AIは別としても「AIは役に立たない!」、そんな声がAI化を実現しようと何年もかけて取り組んでいる企業から上がってきています、これはどういうことでしょうか?
社内の効率化を目指して導入したAIシステムなのですが、導入後の社内のルールや仕組み作りなど企業に合わせたカスタマイズに思いのほか時間を取られています。
導入コストもさることながらそれ以上に対応コストが半端ではないほどかかっています、結局導入後すぐに可能となるのはこれまで人間がやっていた一部の作業の代替え程度という結果が示される例が多いのです。
AI導入を推進している企業の経営陣の多くはAIに対して大きな誤解をしているのではないかと思うのです、そもそも現段階の商品化されているAIは人間の持つ機能のうち全てをカバーしているわけではありません。
例えば画像認識や膨大なデータから必要とするデータを抽出し予測することなどはお手の物で人間の数万分の一の時間で行えます、しかし人間とのスムースなコミュニケーションや与えられていない領域の仮定データ分析はこれからの技術であって現段階では何も期待できないのが現実なのです。
また現段階で購入可能なAIシステムはアプリケーションAIと呼ばれる単一機能に特化したAIです、したがって企業のバックグラウンド処理をAIにやらせようと思えば複数のAIシステムを導入し連携させるようにシステムを構築していかなくてはならないのです。
更には導入したAIに適切な回答が得られるようにするには多くの時間をかけて教育(初期データの設定)しなければ役に立ちません、こういった煩雑な処理や労力が必要な事が導入前には把握できていないのです、結果的に具体的になるにつれ表面化してきて冒頭の声が経営陣から上がってくるのだと思います。
現段階で人間の行っている業務をAIに行わせるには多くのコストと時間を要することを導入前にしっかりと理解しておくことが肝要です、そして最も重要なことは一度導入し稼働されたAIシステムを元に戻そうとしたら導入の数倍の労力と時間を要することを忘れてはいけません。
AI導入で何が起こるのか、その結果どうなるのか、メリットとデメリットをしっかり把握してから導入を検討するのが現段階でベストな方法かと思います。
先ずは社内にITやAiに詳しい社員を組織化して、更にAIベンダーを加えたワーキンググループを結成しアジャイル方式で推進することから始めてほしいと思います。
投稿@伊東久雄
生成型AIが齎す問題として当初から言われてきた著作権問題が顕著になりそうです、日本のデジタル省もさることながら世界中の問題として国際会議でも焦点になっています。
そんなさなかにAIが生成したグラビアアイドル写真集が発売早々に発売を取りやめた事件が発生しました、そのきっかけは発売早々にSNSなどで著作権問題により炎上したことがきっかけだったと言います。
販売した出版社も社内で議論を重ねる必要が在るとのことで、この潔い判断と行動はIT技術者として大歓迎したいと思います。
また画像やロゴマークなどのAI画像だけではなく文章もインターネット上の第三者が過去に投稿したものを見つけ出し、それを基にAIが再生成しているわけで大元の作者の原著作権を侵害しているともとれるわけです。
これらのAI生成物の著作権問題がクリアになるまでは、あくまでも個人利用に留めて少なくてもビジネス利用で公開するのは今のところ止めておいたほうが無難とだけ言っておきましょう。
投稿@伊東久雄
チャットGPT(chatGPT)の出現でこれまで以上にAIが身近に感じ始めた人が多くなった半面、今度は対話型AIの性能が思った以上に凄いことが解り脅威に感じ始めているというアンケート調査が公表されました。
このアンケート調査はキャリア支援として各種の相談サービスを展開しているライボによるもので、アンケート調査数846名のうち64%の人がチャットGPTを使用したことがあり、31%の人は既に仕事で使用しているという結果でした。
チャットGPTの公開からわずか半年足らずでこの数字は確かに脅威と言っても過言ではありません、プライベートでの使用なら解りますが仕事で使っているというのが驚きです。
私も公開以来いろいろ試していますが最近ではロゴマークやキャッチコピーを作る際にも適切な回答をしてきて、どのアプリを使えばよいかとか、その際の指示の与え方まで実に詳細にアドバイスしてくれます、これではライターどころかデザイナーまで職を失うのではないかと不安を抱くというアンケート結果にも頷けます。
ちなみにアンケート調査での職業ではIT関係者の98%の人が既に実際に仕事で使用しているという回答でした、それもそのはずでプログラミングのヒントを適切にしかも数秒で回答してくれるのですから実に心強い技術アドバイザーとして重宝するのです。
いったいどこまで対話型AIは進化していくのでしょう、アンケート調査では80%強の人が「AIに仕事を奪われる」と不安を抱いていることも解りました。
ただ対話型AIはあくまでもツールです、これを理解して上手く使う人だけが淘汰されずにAIと共存できる、少なくても私はそう考えています。
※投稿 伊東久雄
生成型AIの実力が日々進化しています、今度はアニメの音声とテーマソングを一つのAIで行うことができるというニュースが流れました。
SNSに投稿された動画が賛否両論の意見で割れています、この動画ではAIでアニメキャラクターの声を作り出して、更にテーマソングを歌わせたというもので改めて生成型AIの実力が示されたと言えます。
これに脅威を感じているのは声優さん達だそうで、自分たちの職が無くなるのではないかと恐々としているようです。
AIで作らせた画像がしゃべりながら動くというのはだいぶ前から動画投稿サイトに載っていましたが、ニュースを読むだけの番組の場合、完全にAIだけで行えてしまうでしょう。
またアニメの制作もAIで出来てしまう時代がすぐそこまで来ています、AIが進化し続けている現在多くの職が奪われようとしています、こんな時代にどう思考し行動するかが極めて重要になると思います。
5年10年先を正確に読んで今を行動できる人が、5年後10年後にもAIを脅威に感じずマイペースに生きていける人だと思います。
投稿@伊東久雄
数年前にアメリカで起きた高速道路での家族全員が死亡した自動車事故はAIドライバーによる自動運転中に起きたことで、未来におけるAIドライバーの安全性に大きな衝撃と疑問を残しました。
平時の時には確かにAIドライバーは忠実に車間距離と速度を保ち、高速道路などであれば目的のインターまで自動走行で運転してくれます。
先述のアメリカでの自動車事故は、中央分離帯を乗り越えて反対車線に飛び出してきたダンプカーとの正面衝突でした、しかもダンプカーの運転手は居眠り運転だったそうです。
現在主流のAIドライバーは、超音波とカメラが目の代わりをするセンサーとGPSナビゲーターによって環境情報を取得して自動ドライビングを行っています。
したがって想定しない状況が起こるとそれを瞬時に検知し判断する事ができないのです、つまりAIが学習していない状況が起きたときはそれに対する対処が全くできないのです。
こういった予測不能な事故に対応するAIドライバーは実現不可能なのでしょうか、重要なのが過去の事故に繋がる状況の学習です、それも出荷時にかなりの過去の事例を学習させておく事が不可欠になります。
ただAIドライバーには当然限界はあります、それは人間のドライビング判断能力を超えることはないということです、ただしうっかりブレーキとアクセルを踏み間違えたなどの人的ミスは無くなるでしょう。
どんなにAIが優れてロボット技術が発展しても世の中に完全というものはありません、自然の摂理を超えたところを目指したところで自然の災害は避けては通れないのと同様です。
AIは今後人類に何を齎すのでしょうか、少なくても有益に活用すべきであり過信して自身や家族の命を預けることは現在のところは危険と言わざるを得ません。
※投稿 伊東久雄