2024年8月 7日 10:00
生成型AIは別としても「AIは役に立たない!」、そんな声がAI化を実現しようと何年もかけて取り組んでいる企業から上がってきています、これはどういうことでしょうか?
社内の効率化を目指して導入したAIシステムなのですが、導入後の社内のルールや仕組み作りなど企業に合わせたカスタマイズに思いのほか時間を取られています。
導入コストもさることながらそれ以上に対応コストが半端ではないほどかかっています、結局導入後すぐに可能となるのはこれまで人間がやっていた一部の作業の代替え程度という結果が示される例が多いのです。
AI導入を推進している企業の経営陣の多くはAIに対して大きな誤解をしているのではないかと思うのです、そもそも現段階の商品化されているAIは人間の持つ機能のうち全てをカバーしているわけではありません。
例えば画像認識や膨大なデータから必要とするデータを抽出し予測することなどはお手の物で人間の数万分の一の時間で行えます、しかし人間とのスムースなコミュニケーションや与えられていない領域の仮定データ分析はこれからの技術であって現段階では何も期待できないのが現実なのです。
また現段階で購入可能なAIシステムはアプリケーションAIと呼ばれる単一機能に特化したAIです、したがって企業のバックグラウンド処理をAIにやらせようと思えば複数のAIシステムを導入し連携させるようにシステムを構築していかなくてはならないのです。
更には導入したAIに適切な回答が得られるようにするには多くの時間をかけて教育(初期データの設定)しなければ役に立ちません、こういった煩雑な処理や労力が必要な事が導入前には把握できていないのです、結果的に具体的になるにつれ表面化してきて冒頭の声が経営陣から上がってくるのだと思います。
現段階で人間の行っている業務をAIに行わせるには多くのコストと時間を要することを導入前にしっかりと理解しておくことが肝要です、そして最も重要なことは一度導入し稼働されたAIシステムを元に戻そうとしたら導入の数倍の労力と時間を要することを忘れてはいけません。
AI導入で何が起こるのか、その結果どうなるのか、メリットとデメリットをしっかり把握してから導入を検討するのが現段階でベストな方法かと思います。
先ずは社内にITやAiに詳しい社員を組織化して、更にAIベンダーを加えたワーキンググループを結成しアジャイル方式で推進することから始めてほしいと思います。
投稿@伊東久雄