漢字というのは実によくできていると思うことがあります、例えば「人の為にと書いて偽(いつわり)」、「人の夢と書いて儚(はかない)」など深い意味に驚かされます。
ところで「新」という字は何から来ているのかというと「辛」と「木」と「斤」という字から成っていることに気が付きます、この意味するものは「苦労を重ねて育てた木を切り別の物に作りかえること」を指しています、ビジネスでいう「新規事業」も新しい事を考えるのもよいのですが漢字の意味するものに照らし合わせて考えてみる必要があります。
多くの人は事業の成長に関しては時間と労力と費用を使います、しかし重要なのはビジネスは事業を育てることではありません、ビジネスは利益を上げなければ趣味と同じです。
育てること以上に捨てることなく活かしてお金に換えることに思考を凝らさなくてはならないのです、ビジネスの基本は今も昔もリソース(人・モノ・金)を基に知恵を使って更に大きなお金に替えることです。
決して商品やサービスもしくはスキームを造ることではありません、作ったものをお金に変えなければビジネスとは言えません、ビジネスの基本に戻れば今何を思考し行動しなくてはいけないのかが見えてくると思います。
右脳は図形感覚や過去の記憶に関係無い発想などを司り、左脳は過去から学んできた記憶などによる言語や思考を司っていることはよくご存じだと思います。
そこで将棋やチェスのプロは競技中に右脳を使っているのか左脳を使っているのかどちらでしょう、多くの人は右脳ではないかと思うようですが実はほとんど左脳を使っており盤面全体を見渡すような時だけ右脳が使われていることが脳科学の実験で解りました。
またIT技術者のプログラミングもほとんどが左脳が使われています、また多くの職業のほとんどの業務が左脳で処理されています、つまり実はビジネスには新規発想の右脳ではなく記憶思考の左脳を鍛える方が効率が良いということになります。
日常生活上もほとんどが左脳が使われます、実際交通事故などで右脳を破損した人も左脳だけでほとんど日常生活に支障が無いことも報告されています。
右脳は一瞬の閃きなどの時に一気に使われます、科学者の多くは右脳型人間と言うのも頷けます、ビジネスが本当に上手い人は実は男性脳の左脳型かもしくは女性脳の右脳型という統計もあります。
女性の多くは左脳型ですから右脳を鍛えるとよいのです、しかし男性の多くは右脳型ですから男性は左脳を鍛えなくてはいけないのです、左脳を鍛えるには毎日多くの文章を読んで書くことです、つまりブログは最適な左脳強化法だったのです。
そしていろいろな分野に興味を持ってビジネスに無関係な知識でも貯め込むことに尽きるようです、おしゃべりは上手いが上手く文章を書けない男性が実に多いのです、上手く文章を書けるようになると一度計画した事を継続できるようにもなるそうです。
ビジネスで最も重要なのは発想ではなく1度決めた事の継続です、飽きっぽい人は文章を読み書きして左脳を鍛えるとよいでしょう、ただし他者にできないような世界初というような事業スキームなどでは左脳に加えて右脳が発達していないとロジックそのものを考えつきません、左脳を鍛えたら次は右脳を鍛えると最強のビジネス能が作れるでしょう。
「三方よし」とは近江商人のビジネスマインドを表現した言葉です、近江商人は第二次世界大戦前まで活躍した滋賀県出身の商人の呼び名であり大阪商人・伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つです、商売の基本を「三方よし」に徹底しどの地域であってもそのマインドを高く評価され全国で活躍しました。
「三方よし」とは「売り手よし、買い手よし、世間よし」を意味して、よく言われる売り手と買い手だけのWin-Winの関係での閉じた世界ではなく世間にもよい方法を見い出し実践するビジネスマインドです、売り手の都合だけのビジネスは論外で買い手も満足し更にそのビジネスを通じて地域社会の経済発展に貢献するというのが「三方よし」の基本理念です。
例えば野ざらしの使いようのない荒れた土地を相場より高く買い取り、街の機能を入れた巨大な商業施設を建設します、これによって経済破綻したその地域が蘇ったという例は幾つもあります、これが「三方よし」の考え方なのです。
言うまでもなく土地の所有者は使いようのない土地を相場よりも高く売れてよし、世間は遠くの隣町まで買い物に行かなくて済み更にはその地でお金が回るのでその地の経済が発展してよし、そして最後に高く買ったはずの買い手はその数十倍もの利益を得てよし、ということです。
このビジネスマインドをビジネスに取り入れてみては如何でしょう、世間を味方につけたビジネスは確かに初期投資が大きくリスクが高いかもしれません、しかし上手くいった場合のリターンもまた巨大になります。
ビジネスマインドなのかビジネス手法なのかは別にして敵を作りやすい人が確実にこの世には存在しています、普通はそういう人と例え短期間であっても組むことは自分も同じ類と見られるデメリットを考えて躊躇します、ただ敵を作りやすい人と組むことに関してですが視点を変えると意外なメリットも見えてくるのです。
その一つは本当に覚悟の有る人が寄ってくるということです、つまり組むと決めた人の身辺にどのような人が居ようが「きっと何かの作戦が有ってのこと」と勘を働かせ自身の人を見る目を信じる本物の人達です。
もう一つはビジネスを行うに覚悟の無い人が自然に淘汰されていきます、つまり噂や間接的な事項に気を奪われ仲間に嫌われたくない一心で距離を置こうとする人達です。
更に関連して様子見しながらも何らかの関係を距離を置きつつも保つ人達の存在、この人たちは障害が除かれた瞬間に方針を変える世渡り上手な人達ですが信頼に値するかは別物です。
周辺にいる人脈を自身は何もせずとも自然の流れの中で綺麗に3つのグループに分けてくれるのが敵を作りやすい人の存在価値なのです、ただ長期展望の中での短期勝負として割り切る必要があります、長期化はそれこそ致命傷となります。
自身が敵を作りやすい人だとすれば覚悟さえ本物であれば常にマイペースに人間関係を構築できるという可能性があります、さて敵を作りやすい人とは一体どんな人なのでしょう、少なくてもどうでもよい人であれば敵とか味方という考えをすることもしないということです。
オフィスでのミーティング中に誰ともなく「断捨離(だんしゃり)」が話題になりました、「やましたひでこ」の書籍で有名になった「断捨離」とは不要なものの数を減らして生き方を楽にしようとする知恵のことです。
基本的にはインドに伝わる行法の「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」から由来しています、「断」とは入ってくる不要なものを断ち、「捨」とはずっとそのままにしておいた不要なものを捨て、「離」とは不要なものへの執着から離れることを意味します。
また中国の風水にも同様に「空間浄化」という教えがあり、概念としては「断捨離」と酷似しています、考えるにインドから仏教と共に伝来したのかもしれません。
この「断捨離」はものだけを対象にしているのではありません、人や目に見えない知識や財産なども同様に対象にしています。
つまりは人脈に始まり不動産・銀行口座・各種カード・在庫に加えて事業や特許などの知財まで全てを総括しているということです、この結果において不要な心配やトラブルが激減し本当に自身に必要な事項だけに時間や労力を使うことができるということです。
戦略経営コンサルティングにおけるリストラクチャ手法も実は根幹部分は同様で「一旦ゼロにして必要なモノだけ再構築する」という考えです、これによってコスト削減、業務フローの簡素化による効率アップ、風通しの良い組織の形成等に繋がり高収益体質に改善されます。
賛否両論いろいろあると思いますが経営者にも時間や精神的な限界があります、本当に意義のある事項と人だけに時間と労力と知恵を使いたいと思うばかりです。