「愛は盲目」なんていう言葉がありますがビジネスもこれに近いものがあります、つまり自身のビジネスに集中するがあまり盲目になってしまいビジネスによって自身の思考に大きな偏りが生じてしまうのです。
例えば私は仕事柄クライアント企業の経営的欠点を隠れたデータや決算書から瞬時に探すことができます、経営改善は先ずは隠れた事実と欠点の洗い出し、それから良いところを延ばしていくという順序が最も効率よく改善できるのです。
その思考がクライアントではない企業や人に対しても顔を覗かせてしまってストレスを感じるときがあるのです、考えなくても良いことなのに気になって仕方がなく何か改善する方法はないかと考えてしまうのです。
これは余計なお世話でその企業や人にとっては今のそれが居心地が良いと思っているのだからこのままでいいのです、自身のビジネスによって確実に思考の偏りが生じています、それに気づいて修正しないと思わぬトラブルになることもあります。
それぞれがそれぞれの人生というドラマの主人公なのです、どんな気になることもその人が良いと思ってやっている事であれば他者がとやかく言うことではないのです。
思いたくはないのですがいろいろ人がいます、起業して経営者になったとしても事業の成功を夢見る人だけではないということなのかもしれません。
これから起業する人や新規事業を考えている人に向けて強いビジネスを構築するヒントを幾つか紹介します、少なくても過去から現在までの各種トレンドの流れを掴んで自然に乗ることが最も重要です、ニーズや市場が無ければどんな良いアイデアであってもビジネスはできません、では強いビジネス構築法を幾つか紹介します。
1.「衣食住」は人が生きていく上で必須事項。
人間が存在する以上、確実な市場が存在するのが「衣食住」です。
2.人口比率の高い世代ほど競争意識が高い。
現在の年齢別人口比でいうと1950年生まれと1975年生まれの前後に大きなピークがあります、この世代は子供の頃から自然と競争が染み込んでいると言っても過言ではなく、ビジネスに活かせるヒントも多いです。
3.オリジナルを持つと他者依存が生まれない。
他者と同じことをしないことと、自分だけしかできないことをビジネスにすると他者を意識せずにビジネスでき強いと言えます。
4.各種の権利を得ること。
特許などの知財権は勿論のこと販売権・使用権・複製権などの権利を持ち有効活用するビジネスは強く上手くいけば労せずして半永久に利益を得られます、一度手にした権利は手放すことなく有効活用することを考えましょう、またテクニック次第で資産化することもできます。
世の中には何事もコツコツと努力をしていれば成功すると思っている人が意外と多いように思います、実際コツコツ努力して平社員から徐々に出世し経営幹部になる人もいるしプロスポーツの選手や職人のように日々の努力がそのまま成果となって積年の結果を出す人もいます、ただここで勘違いしてはいけないことがあります、努力というものは「正しい道を踏んでこそ報われる」ものだということです。
あなたが今ガソリンスタンドの店長だったとしましょう、ところがあなた自身の長年の夢で「本格イタリアンレストランのオーナーになりたい」と考えていたとしたらどうでしょう、ガソリンスタンドで一生懸命働くことにどれほどの意味を見出せているのでしょうか、「お金を貯めるため」と正当化するかもしれませんが、 だったらなぜイタリアンレストランでバイトをすることを選択しないのでしょうか?
時給が100円違ったところで経験できる業務内容や知識は雲泥の差があります、もしかしたらこのような人は 「夢を追うことを心のどこかで恐れて逃げている」のかもしれません、夢を夢としてそっとしておきたいのかもしれません、 そうだとしたら夢などを他者に語るべきではありません、夢を語るのであればまずは自分自身と真摯に向き合ってみては如何でしょうか。
果たして今やっている事を成し遂げれば「なりたい自分」になれるでしょうか、「大金を手に入れたい」と思っている人ほど宝くじに財産を費やすものです、同じように「会社を大きくしたい」と思っている人ほど仕事を自分で抱え込むものです、もし仮に成りたい自分があったとして今やっている事の延長線上にそのゴールは見えるでしょうか。
「努力が報われない」ということを言っているのではありません、ただ方向性の間違った努力は自分自身の時間を無駄にするばかりか 取り替えしのつかないほどの成功とは無縁の大きな足かせを強いられるということなのです。
成功する人とは常に在るべきビジョンをしっかり捉えて今を考えています、だから1秒たりとも無駄な時間を過ごさないのです、一時的に周囲には無駄に見えていた行動もある瞬間に全てが意味を持った行動だったことが表面化するのです。
「リーダー」というと「人の先頭に立って皆をグイグイ引っ張る人」と多くの人はイメージします、能力も高く頼りがいがありいつでも堂々としていて人の模範となる、 そんな人物が相応しいと思っていないでしょうか。
ところが実際に有能と言われるリーダーは実に多様な個性を持っており上記のような画一的なイメージの人ではありません、実に個性的なのですが何かあるたびに「この人はやっぱりリーダーだ」と思わせるものを持っています。
ここで今では古いネタになってしまいますが、ジャニーズ事務所の2つのグループを例に少し考えてみましょう。
SMAPのリーダーだった中居氏は他の4人を小気味よくまとめていました、5人とも個性も性格もバラバラで同じ場所にいても決して仲良くなることはなさそうな5人でした。
ところが中居氏は、それぞれのキャラクターを把握して上手く引き上げ 同じ方向を見るようにそっと後ろからフォローしながら全員を引っ張っていたように思えます。
他方TOKIOのリーダー城島氏はどちらかというとイジラレ役です、リーダーとしてグループをまとめるというより、「不出来な年長者」を振舞い自分を印象付け メンバー全員から愛されることでグループをまとめています。
どちらも同じ「リーダー」ですが2人はタイプがだいぶ異なります、共通点は「年長者で頼られる」ということですが個性もグループ内の立ち位置も大きく異なっています、どちらも「強力に人を引っ張る力」もなければ 「ずば抜けて高いカリスマ性」があるわけでもありません。
そもそもリーダーに求められる能力とは何でしょうか、上記の2つのグループを再度考えてみてください、まずは構成するメンバーの個性が明らかに異なるのです、このように「リーダー」とは構成されるメンバーによって要求される能力が変わってくるのです。
つまり自分に相応しい組織にさえ所属すれば誰だってリーダーとして活躍できる素質があるということです、逆に言えば組織の方向性からずれたリーダーはどんな素晴らしい能力があっても リーダーとして認められずに当然活躍もできません。
組織のリーダーを任せられたら最も重要なの事項はその組織の構成員に媚を売ってまで好かれることではありません、それぞれがどのようなタイプなのかを冷静に且つ正確に見極め自分を合わせていくことです。
経営者は利益組織のリーダーです、つまり自身がリーダーとして大いに活躍できるとすれば自身がリーダーとして活躍できる構成員選びが最重要ということです、常に私が言う「経営者の最大の仕事は人事」とはこういうことです。
ビジネス要素のうち量で測れるものに「お金」と「時間」の2つがあります、この2つに関する感覚はビジネスで大きなウェイトを占め成功者には必須な感覚です。
ではどのようにしたらこれらの感覚を磨くことができるのでしょう、多くの人が一番陥りやすい間違いが「お金を相対的に考え」、「時間を絶対的に考える」ということです。
まず「お金を相対的に考える」怖さについて事例を挙げて考えてみたいと思います、最も解りやすいのが時給です、例えば時給が1000円だとすると1000円が自身のお金の判断基準になります。
収入ベースで計算すると月間200時間労働で月に20万円で年収240万円となります、したがって家賃8万円がせいぜいでお昼も100円でも安く抑えようと必死で飲み会などのお付き合いはつい躊躇してしまいます。
ところが家を買う場合はどうでしょう、無理をして何とか頭金を貯めて2000万円の中古住宅を買います、ここでキッチンが古いので100万円もする最新のIHヒーターのシステムキッチンを導入してしまいます。
よく考えるとおかしいとおもいませんか、数千円のお付き合いを躊躇っていた人が100万円の物をさらっと買ってしまうのです、実はこれが「お金を相対的に考えてしまう」という怖い心理トリックなのです。
時給1000円の人のお昼代100円レベルの安い高いは死活問題でも住宅購入の2000万円に対して100万円は安い買い物だという感覚になるのです、システムキッチンは住宅購入費の誤差の範囲でも100万円は100万円、実に5カ月分の給与に当たります。
経営でも当期純利益が10%というと優秀な会社に思えますが年商が1000万円なら僅か100万円です、逆に当期純利益が1%でも年商が10億円なら1000万円です。
このようにお金を「相対的に」捉えてしまうと絶対量の感覚が麻痺してしまうことが多々あるのです、あくまでもお金は絶対値で思考することが肝要ということです。