「三方よし」とは近江商人のビジネスマインドを表現した言葉です、近江商人は第二次世界大戦前まで活躍した滋賀県出身の商人の呼び名であり大阪商人・伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つです、商売の基本を「三方よし」に徹底しどの地域であってもそのマインドを高く評価され全国で活躍しました。
「三方よし」とは「売り手よし、買い手よし、世間よし」を意味して、よく言われる売り手と買い手だけのWin-Winの関係での閉じた世界ではなく世間にもよい方法を見い出し実践するビジネスマインドです、売り手の都合だけのビジネスは論外で買い手も満足し更にそのビジネスを通じて地域社会の経済発展に貢献するというのが「三方よし」の基本理念です。
例えば野ざらしの使いようのない荒れた土地を相場より高く買い取り、街の機能を入れた巨大な商業施設を建設します、これによって経済破綻したその地域が蘇ったという例は幾つもあります、これが「三方よし」の考え方なのです。
言うまでもなく土地の所有者は使いようのない土地を相場よりも高く売れてよし、世間は遠くの隣町まで買い物に行かなくて済み更にはその地でお金が回るのでその地の経済が発展してよし、そして最後に高く買ったはずの買い手はその数十倍もの利益を得てよし、ということです。
このビジネスマインドをビジネスに取り入れてみては如何でしょう、世間を味方につけたビジネスは確かに初期投資が大きくリスクが高いかもしれません、しかし上手くいった場合のリターンもまた巨大になります。
ビジネスマインドなのかビジネス手法なのかは別にして敵を作りやすい人が確実にこの世には存在しています、普通はそういう人と例え短期間であっても組むことは自分も同じ類と見られるデメリットを考えて躊躇します、ただ敵を作りやすい人と組むことに関してですが視点を変えると意外なメリットも見えてくるのです。
その一つは本当に覚悟の有る人が寄ってくるということです、つまり組むと決めた人の身辺にどのような人が居ようが「きっと何かの作戦が有ってのこと」と勘を働かせ自身の人を見る目を信じる本物の人達です。
もう一つはビジネスを行うに覚悟の無い人が自然に淘汰されていきます、つまり噂や間接的な事項に気を奪われ仲間に嫌われたくない一心で距離を置こうとする人達です。
更に関連して様子見しながらも何らかの関係を距離を置きつつも保つ人達の存在、この人たちは障害が除かれた瞬間に方針を変える世渡り上手な人達ですが信頼に値するかは別物です。
周辺にいる人脈を自身は何もせずとも自然の流れの中で綺麗に3つのグループに分けてくれるのが敵を作りやすい人の存在価値なのです、ただ長期展望の中での短期勝負として割り切る必要があります、長期化はそれこそ致命傷となります。
自身が敵を作りやすい人だとすれば覚悟さえ本物であれば常にマイペースに人間関係を構築できるという可能性があります、さて敵を作りやすい人とは一体どんな人なのでしょう、少なくてもどうでもよい人であれば敵とか味方という考えをすることもしないということです。
オフィスでのミーティング中に誰ともなく「断捨離(だんしゃり)」が話題になりました、「やましたひでこ」の書籍で有名になった「断捨離」とは不要なものの数を減らして生き方を楽にしようとする知恵のことです。
基本的にはインドに伝わる行法の「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」から由来しています、「断」とは入ってくる不要なものを断ち、「捨」とはずっとそのままにしておいた不要なものを捨て、「離」とは不要なものへの執着から離れることを意味します。
また中国の風水にも同様に「空間浄化」という教えがあり、概念としては「断捨離」と酷似しています、考えるにインドから仏教と共に伝来したのかもしれません。
この「断捨離」はものだけを対象にしているのではありません、人や目に見えない知識や財産なども同様に対象にしています。
つまりは人脈に始まり不動産・銀行口座・各種カード・在庫に加えて事業や特許などの知財まで全てを総括しているということです、この結果において不要な心配やトラブルが激減し本当に自身に必要な事項だけに時間や労力を使うことができるということです。
戦略経営コンサルティングにおけるリストラクチャ手法も実は根幹部分は同様で「一旦ゼロにして必要なモノだけ再構築する」という考えです、これによってコスト削減、業務フローの簡素化による効率アップ、風通しの良い組織の形成等に繋がり高収益体質に改善されます。
賛否両論いろいろあると思いますが経営者にも時間や精神的な限界があります、本当に意義のある事項と人だけに時間と労力と知恵を使いたいと思うばかりです。
その人の行動や判断のベースとなるのが思考です、思考は性格や個性とほぼ同義ですが特に脳の判断ロジック的特徴を表し、過去の経験や得てきた知識などにより脳内に一つの判断プログラムが形成されています。
ここで性格と思考は何が違うかですが、性格は小脳に由来する表面的な行動パターンも含めていますが思考は大脳のみでの性質だけを表しています
啓発やカウンセリングによって在る程度は思考を変えることはできるのですが、これは表面上の一部であって根底にある無意識の領域に由来する思考タイプまで変えることはできません、さて某機関によって確立された思考タイプの分類によると大きく4つに分類されます。
1.コンセプトタイプ
今までにない新しい発案や知識の応用に優れ、発明家や芸術家タイプでビジネスにおいては儲かる仕組みそのものを独自に編み出すことができる人。
2.アナリシスタイプ
統計や過去の経緯から本質を分析できる研究家タイプで、ビジネスにおいては過去の成功事例から有効な手法を導き出すことができる人。
3.カンバゼーションタイプ
思ったことを的確な言葉にまとめ上げる噺家タイプで、ビジネスにおいては特にプレゼンテーションやネゴシエーションなど渉外に力を発揮する人。
4.ディティールタイプ
細部まで目が届き極めてミスが少ない会計・財務タイプで、ビジネスにおいては秘書や経理で力を発揮する人。
ここで成功する経営者は上記4つのうち2つ以上をバランスよく併せ持つ思考の持ち主だと言われています、思考は必ず無意識の行動に現れます、意識的にそれを身に着けようとしてもどこかで化けの皮が剥がれてしまいますので無理しないで正直に生きることが肝要かと思います。
「紺屋の白袴(こんやのしろばかま)」という諺があります、これは紺屋(染め物屋)なのに自身は白い袴でいるということを表し「他者の事ばかりを行っていて自身の事は後回しになる」ことを意味します、同様に患者には立派な言葉を並べたて注意を促すのですが自身は忙しさでケアが全く行えずに病気になってしまうという「医者の不養生」も同様の例えです。
改めていろいろな会社を思い浮かべては考えてみると、確かにその道のプロとして活躍している人ほど自身の事は意外や後回しになってしまっている例が多いことに気が付きました。
WebデザイナーのHPが3年間もリニューアルしていなかったり、栄養士がメタボだったり、営業支援の会社が自身の仕事が無かったり、そんな何かおかしいと思わざる事が多々あることに気が付きます。
かくいう私も同様でした、他者の経営状況には的確に改善を促せるが自身の会社の事は判っていながら後回しになっていたという事実が多々あります、これに気付けばやはりその道のプロはその道は良く知った道です、更にはこれも良く知った自身の事です、他者事の数倍の速さと的確さで改善できます。
「その道のプロは、その道に躓く」、自身の事が後回しになっていないか、これを機に冷静に自身の身の周りにも目を向けてみてはいかがでしょうか。