会社が窮地に追い込まれるタイミングは幾つか在り、そのなかでも特に気を付けるべきタイミングは売上が一気に上がり業績好調な伸び盛りの頃です、この伸び盛りの状況下で窮地に至る要因は大きく分けて2つあります。
1つ目は運転資金増大によるキャッシュフロー欠如によるもの、2つ目が過剰投資による資金回収不能状態に陥ることです、どちらも「手元に資金がない」という致命的な状況ですが経験が浅いと陥りやすいのが後者の場合です。
会社が伸びている時は社員を増員し設備投資をするなど更に業績を拡大しようとしてしまいがちです、しかし今日売れたからといって明日も同じように売れるとは限りません、思惑通りには行かないのがビジネスの怖いところなのです、「売れる」のはその根拠があるからで、それをどれほど正確に把握できているかが重要なのです。
勢いがある時は現状を正確に把握したうえで次の手を打つ必要があります、それは新規事業を立ち上げるためのリサーチであったり新商品を開発するための準備であったり資金が回っているうちに次の策を実行すること肝要なのです。
勢いに任せて次々に投資を行い回収不能に陥った会社は五万とあります、つまり勢いがある時ほど周囲が見えずに落とし穴に落ちやすいのです、勢いのある時は気持ちが大きくなり無理な投資をしてしまうのは人の常です。
高額宝くじ当選者の破綻率が80%以上という数字を見ても分かる通り大きく儲かれば気持ちも大きくなり無意味な無駄遣いが増えるものなのです、一発屋で終わらないためには「勝って兜の緒を締めよ」の精神が重要です、そしてどんな状況でも常に変わらぬ生活スタイルを貫くことが冷静さを保つ秘訣なのです。
世の中には面白い英語の造語があります、その一つに「フォーリンシュマー」という言葉があります、外国人を表す「フォリナー」と消費者を表す「コンシュマー」を掛け合わせたもので、「外国人消費者」という意味で使われています、そしてインバウンドが注目され始めた頃から「フォーリンシュマー」が将来大きなビジネスに成長すると期待されている分野でもあるのです。
私が海外に行って一番困るのが薬や嗜好品の買い物です、それは日本で何時も愛用しているものと違うからです、日本のメーカのものでも現地法人によって製造されその国独自の仕様に変更されているのです。
例えばスナック菓子類などはその国で売っている物の味が判りません、特にASEAN諸国においては味の違いが極まっています、また薬ではもっと深刻で特に痛み止めや風邪薬などでは現地語での成分表示しかないと特にアレルギー持ちは怖くて買うことができません。
そういう味加減や成分などを自国の同等品と対比できるような情報サイトや世界の嗜好品などのデリバリーサービスなどが注目されています、いわゆるアイデアはニッチビジネスですがターゲット層が人口比10%ともなれば既に市場はニッチではなくメガマーケットといえます、ビジネスの原点をこういう世界の情報から教えられるのです、「ニッチなビジネスをメガマーケットで行うこと」、これが革新的な「ニューニッチ戦略」ではないかと思います。
「アイデアビジネスをニッチなマーケットで行うこと」、これは今までの誰もが考える極有りふれたニッチ戦略です、「誰もが手軽にできることをニッチなマーケットで行うこと」、これは取りあえず食うためだけの手段に過ぎず、とてもビジネスとは呼べないものです。
成功とは無縁の人が考えるニッチビジネスとは「食う為の手段」と呼べるようなものなのです、そして「ニッチビジネス」とは利益を産まないことへの「逃げ」の為に造られた言葉ではないということを理解すべきです。
日本は大航海時代には「ジパング」と呼ばれていました、その意味は「金の島」です、当時日本は豊富な金の産出国で皇族の装飾品などに多用されていました、戦国時代になると貨幣や栄華を示すために仏像や建造物にも多用され発掘や製錬技術も極まっていきました。
話しは変わりますが現在中国と北朝鮮にかけての一帯は世界でも有数のレアメタルの宝庫です、まだ採掘は本格的に進められていませんが本格化すれば両国の経済状況は一変します、それだけに政治的な絡みを見せながら世界中がこの地域に注目しています。
ここでレアメタルはどんなものなのかというとモリブデンをはじめとした金属の一部でその特殊性から特に近年では電子素子として大変貴重な金属類なのです、例えば携帯電話や液晶パネルなどには欠かせない部品の原料となり多くは金よりもグラム単価が高いとされます。
ここで何が言いたいかというと日本は金や銀が豊富にあったことでその製錬技術の高さから発掘は世界的にも早期に始まりました、そして金鉱山があるということはその地にはモリブデン・インジウム・ゲルマニウムなどのレアメタルも豊富に存在した可能性が高いということです。
つまり当時金や銀を製錬するために多くのこういった同時に発掘されていたであろうレアメタルが製錬によって消失した可能性が極めて高いのです、早くから発達した技術によってその後に発見された貴重な財産が奪われる事実、これはなにも金だけではありません、現在捨てられている多くの埋蔵物も近未来に新発見などによって一夜にして宝となる可能性が否定できないということなのです。
そしてもう一つ、これは見える物だけではありません、知的財産や人的財産も同じことです、今は不要なものでも将来それが極めて重要なものになるかもしれません。
世の中に何一つ不要なものなどないのです、「不要」と思っているのは現在の自分の価値観の判断基準が違うだけです、失って初めてその存在の大きさを知ったところで手遅れです、これは物も文化もそして人にも言える共通事項なのです。
人口の推移はまさにビジネスに直結する大きな要素の一つです、今後の日本の人口の推移を統計から読むと現在約1億3000万人ですが出生率から計算すると今後急速に減少傾向に入ります。
2030年には1億1600万人となり2045年ごろには1億人、2048年には9900万人となり1億人を割ります、更には2070年ごろには8500万人と現在の3分の2になってしまいます。
人口減少が進む中で逆に高齢者人口比率は逆に上昇してきます、高齢者人口は現在の3600万人から2040年には約4000万人となり、その後は急上昇して40%近くまで伸び続けます。
これらから景気やビジネス環境をどのように読みどのようなビジネス思考するかが成功への重要な要素となります、これから20年間は特にあらゆる統計を読んで時代に合わせて自分やビジネスを変化させていく必要があります。
昨夜までの価値観が一夜にして別のものになってしまう、これから先はこんなことが何時起きてもおかしくない時代になるのです、総人口が減ってくると何か起きるのか、高齢者比率が上昇してくると何か起きるのか?
少なくても少子高齢化時代に重要なことはサービスの対象こそ子供と高齢者かもしれませんがビジネスの対象には成りえないということです、物事を安直に思考するととんでもない過ちを起こしてしまうのです。
近年一つのトレンドともなっているのか私的な資格や認定などを発行する法人が増えています、業種も占いに始まりWeb構築やブランディングといったコンサルティングやコーチングと各種各様の同種の資格認定発行ビジネス、つまりディプロマビジネスが存在しています。
また発行する団体も以前のように財団法人やNPO法人などの公益法人だけではなく一般社団法人や株式会社など発行する側の法人業態も各種各様に広がりを見せています、ある意味においては今まで教えるだけのビジネスから資格や認定を発行し受講者側にも利益活動ができる手法を生み出しているので経済を回すという観点でいうと良い流れでもあります。
ただこのディプロマビジネスには懸念すべきところがあります、それはお金を貰って資格や認定を発行して終わりという無責任な法人が多いのが現状で、これは最初は良いかもしれませんが継続したビジネスには決してなりません。
何故なら資格や認定を受けた人がビジネスとして成り立たないなら不満が爆発し、要らぬところでトラブルが付きまとうようになるからです、また先輩達が上手くビジネスできない状況では後に続く人も出てきません、悪い噂も広がり何れは破綻してしまうでしょう。
ディプロマビジネスで成功させるには発行者は責任をもって授与された人が投資した以上の利益を得られるようにしなければなりません、もし結果に責任が取れないようであれば信用は失墜し取り返しのつかない状況になります、結果責任を取る覚悟が無ければ資格や認定を発行するディプロマビジネスは上手くいきません。