私は正直過去2回しか陶芸を経験したことがありません、1回目は中学の美術の授業で、もう1回は韓国で長期滞在した際に青磁の里で体験しました。
つまり私は陶芸そのものに興味が有るわけではないのです、ここでいう陶器とは土を焼いた物質、つまり素材として昔から興味を持っているのです。
テーマに「陶器」をあえて使いましたが内容的には「焼きもの」もしくは「セラミック」、つまり「ニューマテリアル」としての意味において使ったのです。
私が長年研究したいと思ってきたきっかけは鉄よりも堅いセラミックが誕生したからです、セラミック製の包丁などは永久に砥ぐ必要もなく歯こぼれもありません、そして何時までも切れ味が継続します、最近では磁気に影響されないので医療や音響装置への応用も各方面で進んでいます。
金属は電気を通し電磁波の影響を受けます、しかしセラミックはその性質が一切なく電気的性質を遮断したい時には便利な個体となるのです。
また土を厳選した素焼きの板は多数の空間によって保水性と浸水性を持ち合わせており、魔法の板として各分野で扱われています。
火に強い、どんな形も簡単に作れる、一度焼くと変形しない、保水性がある、浸水性がある、通気性がある、こんな性質を持ち手軽にしかも安価に作れる素材は他にありません。
例えば日本の芸術として世界的に名の知れている盆栽ですが、ここに使用されるのは全て素焼きの鉢です、これは保水性と浸水性、そして通気性という性質が有るからこそ使用されるもので他の物質で作られた鉢では根腐されを起こしてあっという間枯れてしまいます。
水はけが良く、適度な水分を保ち、通気性があるからこそ何年間も土を入れ替えなくても鉢の土の中に好気性バクテリアが繁殖し腐敗菌を寄せ付けなくしているのです、こういった特徴的な性質をもっと有益に活用できないのかと考えているのです。
これはあまり知られていない事実ですが、素焼きの鉢や瓦の破片を水の中に入れると細かな穴に好気性バクテリアが生息するようになり、有害な有機物や化学物質をシャットアウトする浄水フィルターとなるのです。
つまり工場で製造途中で割れてしまった物でも捨てるのではなく使い道が多数存在しているのです、こういった多くの特性をもっと引き出すような改良は幾らでもできるように思うのです。
土の種類を選ぶことにより、中に混ぜ込む素材により、形状や厚みにより、こんなことを考えているとアイデアは幾らでも出てきます。
最も古くから有る最も新しい素材、その製造ノウハウと応用事例、これができ上がれば大きな素材として存在感を表します、まさに「温故知新」、新しきを生むには古きを訪ねることにヒントが隠されているかもしれません。
80年代後半辺りからオーディオ業界には新たなニッチビジネスが多数誕生してきています、その中でも興味深いのがオーディオメーカーなどから技術者がスピンアウトして設立されたオーディオ既成製品の高音質化を施すチューニング工房です。
例えば真空管アンプなどの真空管や信号経路の電解コンデンサを高音質用に交換したり、回路をショートカットするなどにより音質改善を行います。
またオーバーホールや修理事業も並行して行い、一時期はブランド名を用いて「**バージョン」などと呼ばれて人気を博した工房も多数あります。
スピーカーはスピーカー専門の工房が存在しています、スピーカーの手作り工房は木工技術職人が多く自身で発案したオリジナルのエンクロージャーにユニットやネットワークは市販のものを組み合わせているのが一般的です。
改造では密閉型をバスレフに改造したりユニットを追加変更する方式が多く、ときどき中古市場にもそういった改造品が出回ることもあります。
面白いことにアンプの音質改造品はほぼ高額になるのですが、スピーカーの場合は極端でまったく値が付かないジャンク扱いになるか有名な工房のですと高額になるかどちらかです。
買って愉しんでさらに改造して愉しむ、そんな愉しみを齎してくれるオーディオ改造工房ですが最近また新たな工房が次々と誕生してきているようです。
工房を創設する人は自身の理想を追求できて尚且つ生活の糧になる、それで他者が喜んでくれる、また廃棄されずにリサイクルされるので社会の為にもなる、近江商人ではありませんが「三方善し」のビジネスで何とも素敵なビジネスではないでしょうか?
かくいう私も以前は自分流に改造しては愉しんでいたものです、その改造経験によってかなりのチューンアップノウハウが蓄積されています。
これ誰かに託すのが私の理想ではあるのですが、さて誰か引き継いでくれる人がいるかどうかが問題です。
兵法三十六計に「抛磚引玉」(ほうせんいんぎょく)という計があります、この計の意味は「自分に不要なものを放出し価値のある物を得る」というもので、これをビジネスとして考えるとリサイクルショップがまさにこれに当たります。
自分には不要な物でも他者にとっては必要な物であるなら充分な価値をそれに見出すことができます、住宅地には引っ越しの際に出る不要な家具や家電などを安く買い取りメンテナンスしたうえで販売する生活用品リサイクルショップが昔からあります。
バブル崩壊後には会社の規模縮小が短期間に起こりオフィス家具の多くは廃棄されていきました、これをほぼゼロに近い価格で買い取り海外に輸出したり家庭で使う人に販売して大きな収益を上げた企業もあります。
またバブル崩壊直後は飲食店の淘汰も極まり次から次へとオープンしては閉店という時期がありました、この時期にも同様に飲食店舗用品のリサイクル企業が何社も設立され大きな利益をあげました。
このように不要な物はただ同然に買い取れ時節によってはそれを高く売ることができるのです、「世の流れに乗り大小幾つもの利益を得る」、これもまた兵法三十六計の「順手牽羊」(じゅうしゅけんよう)という計です、世の流れを読みビジネスにいち早く乗りだした者が次代の勝者になるのです。
このリサイクルというビジネスカテゴリですが今は誰も気が付いていない価値の有る対象がこの世に存在しています、ものづくりを極めた経験豊富な経営者ならピンと来るかもしれません、自前の事業を興した企業には必ずと言っていいほど存在しているものがあります。
それはモノでも人でもありません、資産価値は査定方式によっては莫大な財産と成りえますが価値を見いだせない人には見向きもされないもので正確に評価するには極めて難しいカテゴリです。
現在これを精査し、まずは道楽ビジネスとしてやってみるかということを密かに考えているところです。
更には査定方式を確立できたら誰でもが参入できるようになり、なかなか面白いビジネスに成るのではないかとロジカルシンキングしています、これをブロックチェーンを用いて取引の正当性を担保したうえでの無人のデジタルビジネスができたら実に面白いと思うのです。
ハーブと呼ばれる香草類はすべて薬効成分が豊富で生薬そのものです、タイム・オレガノ・バジルに始まり最近流行りのパクチーを各種の調理方法で研究中です。
オフィスのベランダ菜園では豊富な野草と共にローズマリー・パセリ・バジルという特徴的な香りと味のそれぞれの科目代表であるハーブを育てています、間引きや脇芽を育てるために摘芯してはパスタのトッピングや生ハーブティーなどで毎日楽しんでいます。
特にハーブ類には精神安定剤と同じ効果が認められている成分が入っています、これらのハーブは育てているといっても植えただけで土が乾燥したらたっぷり水を与え肥料も植える前に自家製の腐葉土を大量に入れただけです。
それなのに勝手にどんどん成長しているという放置栽培です、これが最もハーブの栽培には適しているようです。
ハーブと言えば独特の香りと味ですが実はこれが自然の薬効成分であるフィトケミカルと総称して呼ばれるレアな栄養成分であり、多くのフィトケミカルがハーブには含まれています。
ハーブは元々は全て雑草です、ですから非常に栽培するには簡単でオーバーな話しが適当に空き地に種を蒔けば生えてくるほどなのです。
量はそう多く必要としません、量ではなく存在感で勝負の食材なのです、料理にほんの少し加えるだけで香りと独特の味でまったく別の料理に変身します、これもハーブの魅力のひとつです。
またハーブや各種のスパイスを微妙に配合すると手に入りずらいハーブやスパイスの香りと味を創作することが可能で、これもまた妙味なのです。
日本ではまだまだ高価なハーブ類ですが、農家の人なら空いている畑の脇で適当に育てれば簡単に収穫できるのに何故かそれを行う農家は少ないのです。
それほど大きなニーズが日本には無いということを物語っています、「ハーブに対する価値観を日本人は持ち合わせていない」というのが事実です。
提携農家さんに食用タンポポを栽培してもらっていますが空いた畑の一角で代表的なハーブを実験栽培してもらっています、多年草のミントやローズマリーは何もしなくてもあっという間に大変な事になるほど増え続けています。
やはり思った通りでハーブは現在行われているビニール栽培などは不要で、荒れ地でも日本の土壌と気候で簡単に栽培できるのです。
あとはニーズの問題、特に日本人は香りの強い野菜をあまり好みません、これは伝統的な和食にはオオバ・ネギ・ワサビ・ショウガ以外はあまり使われる事がないのも要因の一つかと推測できます。
ならば和食に合う調理法を開発して健康和食を開発していければと思うのです、常識の中に成功はありません、まずは常識を壊すことから始めないと何も変わらないのです。
日本は世界有数のドライフーズ発明国です、インスタントコーヒーに即席麺(袋麺&カップラーメン)、インスタントライスなどは全て日本が世界に先駆けて開発し全世界で生産され食されています。
それ以前には世界中でドライフルーツや乾燥野菜(主にハーブ&スパイス)、そして肉類や魚類などの乾燥食品が作られました、乾燥物は調味料や保存食として活用されてきました。
乾燥食品の製造は昔は全て天日により乾燥させていましたが、現在では工場で大量生産できるようになりました。
日本では小型の業務用乾燥機まで作るメーカーも現れ、今では地域単位で農業や漁業を営む団体、レストランや居酒屋チェーンの加工工場などで導入されオリジナルのドライフーズが手軽に作れるようになりました。
また、乾燥食材と言えば海苔やお茶、切り干ダイコンやカンピョウ、高野豆腐や豆菓子類なども外せません、このようにあらゆる食材が乾燥され食されています。
乾燥する最大のメリットは水分を蒸発させる事で重量が大幅に減り日持ちが極めて長くなるということにあります、加えて乾燥させることで細胞が空気に触れ栄養価も数倍高くなります。
昆布・シイタケ・魚類・肉類などは乾燥により旨み成分が数倍も上がることが知られています、旨み成分はアミノ酸・グルタミン酸・イノシン酸などで、出汁に使う食品を空気に触れさせることで豊富になる事が知られています。
そこで私も生産量は少ないのですが確実に需要が有る幾つかの植物のドライフーズに挑戦しています、ラボにはビーツ・ヤーコン・ショウガなどこれまでに作られていない食材のドライフーズを作り実験を繰り返しています。
また日本に昔からある干し柿や干しブドウに干しプルーンなどのフルーツは、最近は「ドライフルーツ女子」なる存在もいるようで食物繊維とポリフェノール豊富なドライフルーツのニーズは今後更に拡大すると予想しています。
そして私の最大の興味は水で戻した際に生と同じように扱えるかどうかという点にあります、真水ではなくある液体を使うとほぼ完全に戻ることまでは確認できました。
ちなみに食材によっては普通に乾燥させただけでは全く別の食材になってしまいました、乾燥させる前や加工の仕方に各種のノウハウが存在しています。
こんなことを日々時間を見つけては各種の実験研究をしているのです、ときどき作る鶏肉のドライフーズであるジャーキーはビールのおつまみには最高です。