2024年10月23日 08:19
スピーカーユニットの破損で最も多いのがウーハーエッジの破れです。
特に1990年前後に各メーカーによって使われたウレタン製のエッジは経年経過で加水分解という現象が起きて、手で触っただけでボロボロに崩れ落ちてしまいます。
こういった被害報告が相次ぎ、ウレタン製のエッジは使われなくなり昔から使われていた和紙や不織布、また最近では不織布にゴムや樹脂で補強処理した合成素材が使われています。
それでも、長い期間使っているとエッジが硬質化しエッジに穴が空いたり破れてしまう事があります。
こういった修理を専門に行っている業者も多く存在していますが、エッジ交換だと中間サイズの16~20Cm口径で1個当たり1万円前後もかかりペアで修理に出すと往復の送料や消費税を入れると3万円近くかかってしまいます。
そこで私は、裂け程度や穴空き程度は自分で修理しています。
修理はユニットを外して裏から補修する方法と、外さずに表面から補修する方法がありますが、ユニットの形状や傷のある場所によって最適な方法を検討します。
フレーム近くだと裏からは補修不可能ですので外さずに表面から補修し、エッジの中央付近ならユニットを取り外して裏面から補修します。
当然ですが、裏面から補修したほうが表面からはほとんど補修したことが判らないほど跡が残りません。
ただ、裂けや穴あきで多いのがエッジ付近なのでどうしても補修跡が残ってしまいます。
補修に使う材料ですが、私は自分独自のオリジナル素材を自作して使っています。
それは薄い不織布をゴム状素材の接着材を使って2~3重のラミネート構造にして、強度と密閉度を上げています。
これをゴム状素材の接着剤で穴の空いた場所に張るだけです、あとは黒の油性塗料を丁寧に綿棒で塗って終わりです。
ゴム状素材の接着材は乾くと生ゴムのようになり柔軟性があり、極めて破けずらい強度があります。
これを不織布と合わせてラミネート構造にして使う事を考え出したのです、オーディオにも経験と知恵が活きるのです。