2024年3月 4日 07:00
五行では節句についても五節句として定義しています。
木 人日(じんじつ)
火 上巳(じょうし)
土 端午(たんご)
金 七夕(しちせき)
水 重陽(ちょうよう)
それでは、それぞれについて説明しましょう。
1.人日(じんじつ)=1月7日
七種(ななくさ)の節句。
古代中国では毎月1日から6日までは動物について、7日には人を占うところから人日と名がつきました。
日本では、これが七草粥を食べる日として定着しています。
ちなみに春の七草はセリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・スズナ・スズシロ・ホトケノザです。
スズナはカブでスズシロは大根のことです、その他は食べられる野草として日本各地に自生しています。
2.上巳(じょうし)=3月3日
古代中国では、3月始めの巳の日を悪い日であるとして水によるお払いを行っていました。
漢時代に女の子の三つ子が生まれたのですが三日後に三人とも亡くなり、その供養の為に始まったとされています。
日本では上巳の節句が桃の節句=雛祭りとなって定着しています。
雛を川に流すなどの風習などはその名残ともいえます。
また、桃には邪気を払うという言い伝えがあります。
3.端午(たんご)=5月5日
漢時代に5月は悪月とされ、5日生まれの子は特に親に害をなすという迷信がありました。
そこで、5月5日に薬湯(ショウブ湯)に入り毒気を払うようになりました。
日本では、端午の節句は男の子の成長を祝う子供の日として定着しています。
これはショウブ=「菖蒲」は「尚武」(武を尚ぶ)に通ずることもあって 、男子の節句として日本で定着したものといわれています。
4.七夕(しちせき=たなばた)=7月7日
日本では奈良時代の宮中行事として行なわれるようになった学芸の上達を願う節句です。
江戸時代に今の五色(五行五色)の短冊を竹に飾り、願い事を書くと言う風習が庶民に定着しました。
七夕に関しては、中国では一切行事が行われず節句とした意味も正確に判っていません。
ただ、ひこ星・織姫伝説は中国から伝わり日本で定着したものです。
5.重陽(ちょうよう)=9月9日
古代中国の「陰陽五行思想」では奇数は陽数として定義し、で九月九日は九という陽数の最大数が重なる(重陽)大変めでたい日とされました。
日本では菊の節句として定着しましたが、明治以降は急速に廃れ現在では菊の品評会を開く程度になっています。
このように、日本に古くから伝わる節句の風習は古代中国に始まった「五行思想」から発生したものです。
その面影を今尚残す日本に対して中国や韓国では旧正月と盆くらいが行事として行われ、五節句については殆どその面影を残していません。
中国や韓国の歴史学者や考古学者など多くの学者が日本を訪れています、それは元々の発祥である中国・韓国に既にそれらの遺物が残っていないためなのです。