2024年2月19日 07:00
日本語で色の名前+物の名前、例えば「青いハンカチ」とか思いつくままに声に出して言ってみてください。
ここで、何か気付いたことはありませんか?
色の下に「い」の付く色と「の」が付く色があります。
「い」が付く色は黒・白・青・赤、そして例外的に「色+い」が付くものが黄と茶です。
後の緑・紫・紺・金・銀などは、みんな「緑色のハンカチ」というように「の」が付きます。
通常物を修飾する場合は「い」か「の」が付きます、黒・白・青・赤(黄色、茶色)は他の色の「の」ではなく「い」でもってダイレクトに修飾することが出来ます。
これは、何か不思議ですよね?
私は、この解を中国で「五行」を知り、そして確信しました。
実は、この色の修飾系も五行に関連していたのです。
中国の五大色とそれぞれの五行、五方(方位)、五時(四季)、守護神の意味付けは以下の通りです。
この基本は五行思想と言い、水・木・火・金・土の5元素により宇宙万物や人類の環境ができ上がっているという思想です。
玄(黒)・・・水、北、冬、玄武
青(青)・・・木、東、春、青龍
朱(赤)・・・火、南、夏、朱雀
白(白)・・・金、西、秋、白虎
黄(黄)・・・土、中、土用、??
つまり、この五大色のみが「い」で修飾できる色だったのです。
日本の文化は中国から来ていることは判っていましたが、こういうところにもその足跡が見られるということが驚きです。
また、玄冬・青春・朱夏・白秋という言葉などからも上記の色と季節の意味づけが理解できます。
黄色については他の色は2音ですが、黄は1音、日本語で発音しやすいように「黄色」と色を付けて「黄色い」で修飾できるようにしたものと考えます。
ところで例外的な茶色ですが正確には判りませんが、中国人何人かと話を通しての私の推測ですが中国では茶色という色は昔から在りません。
英語のブラウンは古くは「土色」、最近では「コーヒー色」とか「チョコレート色」と表現するそうです。
そして日本のお茶は「黄色」、中国の一般的なお茶は烏龍茶であり「茶色」です、これらのことから中国から色の言葉が伝わったとき、黄色と茶色が混同したのではないかと思うのです。
日本の茶色と中国の黄色の混同、またこれは黄色の五行が「土」であることからも容易に想像できます。
<おまけ>
五大色の話ですが、しっかり日本の相撲文化にも活き付いています。
土俵は何でできていますか?
そう土ですね、つまり黄色なのです。
従って東の青房は春と青龍神、南の赤房は夏と朱雀神、西の白房は秋と白虎神、北の黒房は冬と黒い亀の玄武神を表しているのです。
つまり、神聖なる中央である土を守護する神と四季を意味して四色の幕を垂らしているということが調査の結果判りました。
ここにも、五行思想がしっかりと息づいているのです。