コロケーションという言葉をご存知でしょうか。
IT用語としてご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、文法用語としては「自然な表現とみなされる語と語の繋がりや組み合わせ」を指し、連語などと訳されています。
どの言語にもコロケーションがあります。
日本語の例だとたとえば「服」は「着る」ものですが、「帽子を着る」や「靴を着る」とは言わず、「帽子」は「かぶる」もので「靴」は「履く」ものです。「本」を「読む」と言いますが「辞書を読む」とは言わず「引く」を使います。間違っても通じないことはないですが、日本語ネイティブにとっては不自然な文章に感じますよね。
単語にはそれぞれ強い結びつきがある単語があり、それらが自然な日本語表現になります。
英語でも同じようなことがあります。
たとえば、強い雨をいうときは heavy rain で strong rain とは言いません。濃いコーヒーというときは heavy coffeeではなく strong coffeeです。薄いコーヒーは light coffeeではなく weak coffeeです。固い友情は hard friendship ではなく strong friendship が正しい表現です。
これらはコロケーションでよく出る例です。自然な英語で表現するとどうなるでしょうか?
①犬の散歩をする
②傘をさす
③洗濯する
④電話に出る
⑤辞書を引く
⑥シャワーを浴びる
⑦医者に診てもらう
⑧罪を犯す
⑨契約する
こちらが自然な英語表現です。
①犬の散歩をする → walk a dog
②傘をさす → open an ambrella
③洗濯する → do a laundry
④電話に出る → answer the phone
⑤辞書を引く → consult a dictionary
⑥シャワーを浴びる → take a shower
⑦医者に診てもらう → see a doctor
⑧罪を犯す → commit a crime
⑨契約する → sign a contract
自然な英語を話す発想力を鍛えるために避けられないコロケーション。
今はコロケーション用の無料オンライン辞書サイトもたくさんあるので、知らない単語に出会ったら活用して覚えると便利です。
日常会話やビジネス会話でネイティブがよく使うフレーズを集めました。
① Please give me some slack.「大目に見てください。」
slack のもともとの意味は、ロープが緩んだ様子を表します。そのイメージから派生して比喩的に使われています。
■No slacking off.「サボらないで。」
■He is a slacker.「彼は怠け者だ。」
■My mouth went slack.「私は口がポカンと開いてしまった。」
■She left early. I need to pick up the slack.「彼女は早退してしまった。彼女がやり残した仕事を私がやらなければいけない。」
② Let's go with plan B.「代替案でいきましょう。」
代替案のことを "plan B" と言います。当初の計画がうまくいかず、代替案でプロジェクトを進めるときなどによく使われる表現です。
③ Don't steal my thunder.「私の注目(されるチャンス)を奪わないでください。」
自分の大ニュースや注目を別の話題で奪われてしまったり、自分の技をマネして栄光を横取りされたときなどに使われる定番フレーズです。
④ Don't take it personally.「悪い意味でとらないでください。」
相手に対して「気を悪くしないでね」という意味で前置きで使ったり、気を悪くした相手に「個人的な意味で受け取ってはいけない」と注意したりたしなめるときに使われる表現です。
■ Don't take it personally, but I agree with his opinion.
「気を悪くしないでね、でも私は彼の意見に賛成です。」
■ You don't have to take it personally.
「そんなにむきになってはいけない。」
⑤ I broke even.「元が取れた。」
とんとんになるという意味で「利益はないが元は取れた」というニュアンスで使うことが多いです。たとえば食べ放題で「元は取れた」と言いたいときなどにも使えます。
⑥ It's above and beyond.「期待以上の結果です。」
期待した以上のサービスを受けたり、テストや仕事のプレゼンでうまく行ったときなどに使われるフレーズです。
直訳とは違う意味を持つ定番フレーズがあります。
今日はそんなフレーズをいくつかご紹介したいと思います。
① That rings a bell. 「思い当たる節があります。」
ピンとくる、というニュアンスです。
② It's up in the air. 「まだはっきりしていません。」「未解決です。」
日本語でも「宙に浮いている」と言いますね。
③ You're on the ball.「あなたは正しいです。」
状況をよく理解して正しく的確な行動を取っている、順調に進んでいる、という意味で使われます。
④ It's not rocket science. 「難しいことではないです。」
似たようなフレーズに "It's not brain surgery." があります。脳手術をするわけではないという意味から「そんなに難しいことじゃない」「簡単なこと」という意味になります。
⑤ It's a piece of cake. 「楽勝です。」
「お安い御用です。」という意味で使ったり、容易いことだと伝えたいときに使います。
⑥ It's not my cup of tea.「私の好みではないです。」「私が得意なことではないです。」
好きではないことをやんわり伝えたいときにもよく使われます。
■ Math is not my cup of tea.「数学は得意ではないです。」
■ I love Japan, but karaoke is not my cup of tea.「日本は好きですがカラオケはあまり好きではないです。」
⑦ That's food for thought. 「それは判断材料になります。」
検討するのに必要な材料、思考の種という意味でビジネスでもよく使われています。
■ Here is food for your thought. 「ご検討頂く際のポイントです。」
これらを判断材料にご検討ください、と相手にアピールポイントを提示したいときなどに使える便利なフレーズです。
現地で学んだネイティブがよく使うフレーズや文法などを紹介しています。
今日は実際に職場であった会話からフレーズをピックアップしました。
☆--シチュエーション---☆
残業をしている同僚同士のカジュアルな会話です。
A: Do you need any help?
「手伝う事はある?」
B: No thank you, though. I have a system.
「自分のやり方があるから大丈夫。ありがとう。」
A: Don't hold back. Name it.
「遠慮せず言ってみて。」
B: Then, could you google it?
「そしたらこれについてネットで調べてくれる?」
A: Of course.
「もちろん。」
B: Thank you so much. It means a lot.
「本当にありがとう。とても助かるよ。」
A: Why don't we order an uber? Pizza or something?
「ウーバーを頼まない?ピザか何か。」
B: Sorry, I am keto now.
「ごめん。今、糖質制限ダイエット中で。」
A: You should put it off today.
「今日はそれを忘れよう。」
B: Smell would remain in this room forever.
「永遠にピザの香りが残りそう。(一度食べたら糖質制限できなくなりそうという意味で)」
A: Then, light a match.
「消臭すればいいよ。(実際には消臭すればいいという話ではないけれど、ユーモアで)」
B: OK.
「いいよ。」
A: Deal!
「決まりだね!」
☆--フレーズ---☆
① I have a system.「私のやり方があります。/ うまくやれます。」
② Don't hold back.「遠慮しないでください。」
③ Name it.「言ってみて。」
④ Google it.「検索して。」
※日本語でも、「ググる」と動詞化したように、英語でも google が動詞化して使われています。
⑤ It means a lot.「とても助かります。」
⑥ I am keto.「糖質制限中です。」
※ケトン体ダイエット=糖質制限をしているという意味ですが、I am keto と非常にシンプルに表しているのがいかにも英語らしいです。
⑦ Don't put it off.「後回しにしないで。」
⑧ light a match.「消臭する。」
※マッチの煙で香りを消すことから、マッチを付けるで消臭するという意味になります。
⑩ Deal.「決まりだね。」
※前回と前々回の記事に例文を載せています。
日常会話やビジネス会話でネイティブがよく使っているフレーズを集めました。
① Break a leg!「がんばって!」
Good luck! と同じ意味で、幸運を祈るよ!と言いたいときに使う決まり文句です。
② Keep it up!「その調子でがんばって!」
物事がいい調子に流れているときに、引き続きがんばってねと伝える定番フレーズです。
③ Hang in there!「諦めないでがんばって!」
Don't give up!と同じ意味で、物事がうまくいっていないときに相手を励ましたい場面で使う決まり文句です。
④ How did that come about?「どうしてそんなことになったの?」
イディオム "come about"「起こる」を使った定番のフレーズです。
ex. Aさんの机にたくさん積まれた書類があり
A: There're so many stuff to finish today.「今日は終わらせないといけないことがたくさんある。」
B: How did that come about?「どうしてこうなったの?」
※How come?はこれを省略したフレーズで、カジュアルな会話中によく出るフレーズです。
A: I'm not hungry.「おなかすいていない。」
B: How come?「どうして?」
A: How come you're late?「なぜ遅刻したの?」
B: I went back to sleep.「二度寝してしまった。」
Whyと同じの意味ですが、Whyはズバリ聞いたり問い詰めるようなイメージがあるので、How come はオブラートに包んだり失礼のないように聞きたいときに好んで使われる表現です。
⑤ What does that have to do with anything?「それといったい何の関係あるの?」
イディオム "A have to do with B"「AはBと関係がある」を元にしたよく聞くフレーズです。通常の疑問文 Does that have to do with it?「それと関係がありますか?」というニュートラルな文章に What と anythingを使うことで誇張させ、言い争ったりするシーンなどでよく使われています。
ex. 海外ドラマの取り調べ室でのワンシーンで、
A: You didn't show up at the party last night, did you?「昨晩のパーティに来ませんでしたよね?」
B: What does that have to do with anything?「それがいったい事件と何の関係があるんですか?」
A: It does have something to do with this case.「大いに関係してます。」