2022年10月31日 09:00
成功している企業は大小に限らず絶対に「合議制」を採っていません、誰もが知っている上場している大手企業でさえもです。
「合議制」とは役員会などで経営方針を決定する多人数経営手法で、最近の企業コンプライアンスの徹底化などで経営経験も無い経済学者があれこれと書籍などに書いている偽善に満ちた誤った経営手法の一つです。
おそらく「何でも自分でやってしまう経営者のワンマン経営では会社の成長は難しい」、ということを言いたいのでしょうが、この両者はまったく次元が異なるカテゴリなのです。
何でもやれる「スーパーマン社長」は社長個人の個性の問題、「ワンマン経営」や「合議制」は経営手法の問題です、つまり両者を比較することはできない事項なのです。
しかし、多くの書籍やベンチャーキャピタリストはこれらを混同して「合議制」推進の理由の一つにあげているのです。
こんな根拠もない書籍やいい加減な経営コンサルタントに惑わされておかしくなった会社は多数あります、これをいったい誰が責任を取るのでしょうか。
そもそも企業経営をまともに行った経験が無い人が、どうやって経営をコンサルティングできるのでしょうか。
「合議制」を否定するからといって「社員の話に耳を貸さない」ということではありません、これに関しては大いに聞くべきです、つまり「ブレインストーミング」や「戦略会議」などは大いにやっていただきたいと思います。
私が言いたいのは、会社の進むべき方向や最終責任者である社長が決断しなくてはならない重大事項を「合議制」で決めてはならないということです、多数決で決めるなどもってのほかで社長自らが自分の最大の仕事を放り投げたのと同じことです。
それと「合議制」で決めた事項は確実に全員が責任を取ろうとしません、つまり平和なときは良いですが計画外のイリーガルな事項が起きたときに、「みんなで決めたのでしょ」と社長も責任逃れするようになります。
自分が決心して決めた事項でなければ責任など誰も取れるはずもありません、社長も社員と同じ人間なのですから。
社長は会社の「基本方針」を自らの責任と覚悟をもって自ら決めなくてはなりません、そしてそれを実行するための戦略先述は役員会などでそれこそ「合議制」で決めればよいのです。
また、具体的な計画は更に担当役員下の部長や課長会議でのこれも「合議制」で話し合うべきものです。
社長に限らず組織のリーダーは、自分の最大の業務は何かを忘れて妙な全体主義だけは採らないことが賢明です。
根幹事項はリーダーが単独で、枝葉の部分は全体で決定するのがベストな方法です。
そして、「合議制否定」と「ワンマン経営」を混同する経営コンサルタントとは一切のお付き合いを止めたほうが無難でしょう、これも会社を守るべき責任ある経営者の決断です。