2025年11月30日 10:00
事業計画書(4)
会社概要
本記事は中小企業向けに「基本形の事業計画書」の概要を説明するものです。 これまで私自身が代表に教えていただいたことをまとめています。 事業計画書には出資を募る目論見書、共同事業の提案書、補助金申請に付す計画書など複数のタイプがありますが、ここでは初めて作成する方に向けて共通する考え方と構成の骨子を示します。
今回は事業計画書の中でも「会社概要」ページについて説明します。 会社概要は読み手に「この会社は何者か」を短時間で理解してもらうための部分です。 社名や組織の基本情報、経営陣の顔ぶれを示し、信頼と安心感を与えることを主な目的とします。
まずは基本情報です。 社名、所在地、設立年月日、資本金などの項目を過不足なく記載します。 ここでは実在するきちんとした会社であることを客観的な事実によって示すことが求められます。 そのため登記内容と矛盾がないこと、役員名や資本金などの情報が最新の状態に保たれていることが重要です。
次に経営陣の紹介です。 代表者だけでなく主要な役員についても、どのような役職があり誰がどのポジションを担っているのかを一目で分かるように整理します。 必要に応じて主な経歴や専門分野を一行程度で補足するのも有効です。 この経営陣であれば事業計画を遂行できると読み手に感じてもらえる構成を意識します。
事業内容の説明も欠かせません。 自社がどのような事業を行っているのかをできるだけ簡潔に、かつ直感的に伝えます。 沿革についてはすべての出来事を網羅する必要はありません。 現在の事業につながる主要な出来事に絞って簡潔に記載します。 会社設立や主力事業・サービスの立ち上げなど、どのような流れで今の事業に至ったのかが分かる程度で十分です。 年表形式で数行にまとめ会社の歩みをコンパクトに示します。
会社概要のページで何より大切なのは事実に基づいた情報を整合性のある形で提示することです。 経営理念や事業の背景と矛盾しない基本情報、経営陣の構成、沿革を明示し、読み手に信頼できる会社だと感じてもらうための情報を整理して示すことが会社概要の役割です。