50年代のスローテンポなモダンジャズやハイテンポなハードバップジャズ(クールジャズ)を家に居る時は常に流している私ですが、30歳代からずっと休日は昼過ぎからビールを飲みながら何故かフュージョンやフリージャズを聴くようになったのです。
フュージョンやフリージャズはノイズだと言う人もいるのですが、私にとっては聞き流せるというかブログを書きながらでも調べものでネットサーフィンしていても何故か邪魔にならないのです。
不思議なことにロジカルシンキングにも最適なのです、チック・コリアやハービー・ハンコックなどは最高です、また60年以降のロックとの融合のような音楽性を目指したウェイン・ショーターも実に爽快です。
こういったフュージョンを聴く際には必ずサブシステムを使うのです、聴き込む音質と聞き流せる音質は私の場合は180度異なります。
ここで「聴き込む」と「聞き流す」という漢字の違いとニュアンスを理解して欲しいのです、聞き流す音質はどちらかというとナローレンジなマイルド系の音が良いです、例えればまるで昔のコンポでFMラジオを聞いているような感じです。
低音域も高音域もそこそこ出ていて、でも耳につくような刺激的な音ではなく遠くで鳴っているような自然に耳に入ってくる音色が好きです。
その意味では、コーヒーショップのように天井近くに小型スピーカーを設置して、部屋全体を使った音のシャワーを浴びるような空間ハーモニックスで聞くのが良いかもしれません。
こういう時には中音域が綺麗な業務用の小型スピーカーが最適なのです、もしくは小型フルレンジユニットを使用したDIYスピーカーですね。
アンプは癖が無く適度に角が取れたマイルドな音色のものがよいです、例えばオンキョーやデノンのミニCDレシーバーは小型軽量で扱いやすいし音色的にも最適です。
求める音色によって機種を考える、これも一つのオーディオの愉しみなのです。
音楽を愉しんでいると自身の耳の変化というか、気になる音質や音色が変わってきていることに気付くことがあります。
よく言われるように、若い時は低音域に凄く神経がいってしまい低音域の良音再生に燃える頃があります。
サブウーハーという代物がホームシアター文化と共に生まれてくる前には、DIYオーディオでパッシブ型のスーパーウーハーを作ってみたりと何かと低音域に拘っていたものです。
そのうちにピアノの高音域やドラムのハイハットの高音域が綺麗に聴こえるスピーカーに出会うと、この輝くような高音域に魅力を感じ始めてきます。
そんなことの繰り返しで、現在の私がもっとも注力して聞き入る様に確認しているのが中音域と高音域の繋ぎの音域です。
この音域は周波数にして1Khzから5Khzくらいの層で、この音域が綺麗に再生されていると楽器の余韻やボーカルの艶という表現の生声のような響きが出るのです。
また2ウェイや3ウェイだと、ちょうどユニット間のクロスオーバー周波数がこの周波数帯にまたがっていますので、ネットワークが貧弱だと綺麗に繋ぎが取れずにバランスが悪くなります。
そんな意味で、この中音域から高音域にかけてはオーディオメーカーも最も神経を使う帯域かと思います。
また耳にはっきりと聞こえる中音域とは対照的に殆ど音として確認できない重低音域と超高音域も、ハーモニック効果で音色が変わってしまうという経験を繰り返していると凄くこの存在が気になってきます。
こういった空間でミックスされた音色が重要で、スピーカーの置き方や家具の配置も変えて音色の変化を確認するようになってくるのです。
耳が肥えてくるのか絶対的な耳の性能が年齢と共に劣化してくるのか、要因はいろいろとあるのでしょうが自身が納得する音作りって本当に時間がかかるとつくづく思う今日この頃です。
昔からオーディオマニアの間で論議される話題に、「季節によって音が変わる」というのがあります。
私もどちらかというと「確かに変わる」と思う派で、同じソースでも夏は低音域がもったりし冬は低音域の切れが良くなる気がします、この現象はあくまでも私の推論ですが湿気に影響すると考えています。
スピーカーのコーンは非常に軽い紙や布などで出来ており、これが湿度が高いと湿気で重くなり湿度が低いと乾いて軽くなるのではないかと考えています。
昔これを古くなったスピーカーを使って実験したことがあります、その実験方法とは同じスピーカーの片側だけのスピーカーに1g程度に切った消しゴムをくっつけて聞き比べるというものです。
ソースはモノラルに切り替え、左右同じ音を出すようにしてバランスで左右を切り替え音の違いを確認しました。
1g程度ではほとんど変わることはありません、ところが3g位になるとかなり音質に差が出てきました、低音域が誰が聞いても違う音色になります。
重くした方は低音域がかなり増すのですが後を引くようにどよんとします、元々のソースに入っている音の余韻とは異なりエコーがかかったようにもたつきます。
ただ薄いコーンが湿気だけで数グラムも重さが増えるのかという疑問は残るのですが、コーンが重くなると低音域が大きく変わるという事実は実証できました。
同じ空間に湿度の違う環境を作ることは不可能なので、自然な形での立証はかなり難しいと思います。
また湿度によって空気振動そのものが変化するのかもしれません、これもまた仮説の段階です。
更に温度や湿度による人間の持つ感覚のせいかもしれません、もっと言えば「勘違い」なのかもしれません、何れにしても季節によって「音が変わる」ように感じることは確かなのです。
オーディオブランドとして今ではあまり語られることはないブランドにテクニクスがあります、70年代後半から80年代のテクニクスは本当に世界に圧倒的な強さを見せつけるオーディオ製品を数多く輩出していました。
70年代後半の未来感覚の薄型シリーズは世界中のファンを虜にしました、そしてデザインもユニークでニューヨークにある世界芸術博物館にもレコードプレーヤーとスピーカーが日本のオーディオ製品で唯一展示されるほどです。
特にロボットというべきオートマチックのレコードプレーヤーにハイエンドアンプと、何故こんなにも薄くできるのかというくらいに薄くても頑丈な作りです。
加えて音質も最上級、まるで別世界の製品のようにも思えたことを思い出します。
今、改めて当時のテクニクスのアンプの音質を確認するとCDとの音質の相性が抜群です、特に空冷のためのスリットの一つも無い小型軽量のアルミダイキャスト製ケースに収められたセパレートアンプSE-C01とSU-C01などは45年経った今でも斬新な工業デザイン性と音質の良さに脱帽ものです。
当時のレコードでは今のCDのようなワイドレンジな音情報は無く、そのアンプの持つ本当の凄さを伝えきれていなかった可能性があります、そして重厚な音質のサンスイなどが支持されたのかもしれません。
テクニクスは1989年からはパナソニックに移行します、アンプはリーズナブルな価格で重量も軽量ですが音質は驚くほど低音域が骨太で中高音域がシャープです。
更には世界で初めてのアナログパワーICを独自開発して投入し、安価でありながらも全周波数帯域で安定した高音質を実現しました。
改めて70年代から80年代初期の頃のテクニクスのアンプを聴いていると、「こんな良い音だったっけ?」と思わず呟いてしまいます。
もしも現在こういった音質のアンプが売り出されれば飛ぶように売れると思います、まさに愉音そのものなのです。
そして音色が極めて元気で明るいのでスピーカーを選びません、ある程度のグレードのスピーカーならどんなジャンルでも愉音を発してくれます。
この発見は大きかったです、CDでジャズを愉しむなら絶対サンスイよりもテクニクスです。
こういう音色を奏でるアンプ、最新のアンプで探すのはきっと大変な時間と労力を要すると思います。
往年のテクニクスの音を再現させるアンプ、個人的にではありますが強く熱望します。
私は昔から100均の面白グッズを買うのが楽しくて月に何度かまとめ買いしています。
特に必要だという感覚で買っているのではなく、買って使ってみるのが好きなのです。
使えなくて当たり前という感覚ですから便利に使えなくてもいいのです、それ以上に使って工夫するという生きた経験が重要なのです。
いろんなものを知って使ってみると将来必ず活きてくるのです、100均グッズには多くのアイデア商品があります。
工夫すれば目的以外の使い方もできるわけです、そんな意味ではオーディオ道楽にもこの工夫を活かして買っているものが多数あります。
先ずはフェルトで60Cm×45Cmの大きさで2つに切るとちょうどアンプの天版ほどの大きさになります、このフェルトをコレクションでの重ね置きの際にアンプとアンプの間に敷いています。
直接重ねると下のアンプの天版に上のアンプのゴム足の足跡が付いてしまい取れなくなるのを防げます、また上のアンプの天版に乗せると埃よけにもなり非常に便利に使えます、更にはスピーカーの下に敷いて余計な振動が棚板に伝わるのを防ぐ効果もあります。
また滑り止めのゴム(シリコンゴム製)は材質的に振動防止のインシュレーター代わりに充分使えるもので、オーディオショップで買えば数千円のものが100円で同等品が購入できるのです。
桐の1枚生木のまな板も大量に購入してコレクション用のスチールラックで棚板との緩衝材として使っています、大きさ的にちょうど2枚でアンプ1台分のサイズになりぴったり収まるのです。
小型スピーカーの敷き板としても先の滑り止めゴムと併用するとかなり効果が期待できるインシュレーター付敷き板に変貌します。
木でできた小箱もかなりの量を買いました、これはメンテナンスの精密ドライバーなどを入れたり付属品のビスや予備コネクタや端子類を仕分けするのに便利で使っています。
また、ケーブルを結束するビニールで保護された細い針金がありますが、観葉植物の枝を固定させるのに使う結束針金が丁度良い太さで使えます、ただしビニールの色が緑なのでちょっと目立つかもしれませんが見えない場所であれば気になりません。
要はアクセサリー類の存在と理論を知って工夫するアイデアを出せるか否かということです、原理を知ったうえでアイデアが出せれば100均グッズも大いにオーディオアクセサリーとして活用できるのです。