今回も2回目として、ちょっとコーヒーブレーク的なタンポポに関連したウンチクを幾つか紹介します。
タンポポの種は冬眠する
タンポポの種には同じ花から出来た種にも関わらず、発芽時期をそれぞれの種が単独で何かしらの方法によって発芽時期をコントロールするメカニズムが備わっています。
これは、春一番に他の植物よりも先にその地を占領する部隊と、他の植物が先に生えていた場合は秋になり枯れるのを待ってから発芽し、その地を占領するという部隊が上手く役割分担しているのではないかとと考えられています。
タンポポの花は連携プレーを行う
タンポポは花を咲かせる際に蕾を形成しながら花茎を高く伸ばします、そして蕾は太陽が昇る頃に開花し夕方には閉じてしまいます。
これを3日間繰り返し4日目には完全に花を閉じて花茎をいったん寝かせて別の花が茎を伸ばし花を咲かせるのを邪魔しないようにしています。
そして、次の花が咲き4日目に横になりますので、今度は先に横になっていた花茎はピンと伸ばし種を一気に飛ばします。
同じ株の花でも順序良く開花と種を飛ばす完全な連携プレーを行い、花同士が花を咲かせ種を飛ばす動作の邪魔し合うのを防いでいるのです。
更には、この間欠的に種を飛ばすことで、風向きなどの違いから四方八方に種を飛ばす事ができます。
一斉に花を咲かせて種を飛ばしてしまったら、その時の風向きにしか飛びません、つまりこの連携プレーと間欠プレーによって四方八方に種を飛ばすタンポポの知恵なのです。
タンポポの花の奇形
タンポポの花の中には花茎が通常の数十倍という自転車のチューブのように太く平たい中空状になる奇形が昔から報告されています。
そして、このチューブの周辺に10個以上の花を連環状に咲かせます。
この種からは奇形は見られず通常のタンポポが育ちます、つまり遺伝するものではなく突然変異的に発生するものと考えられています。
現在、この奇形のメカニズムも理由も全てが謎のままなのです。
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今回は、ちょっとコーヒーブレーク的なタンポポに関連したウンチクを幾つか紹介します。
タンポポの名前の由来
諸説あるのですが、一般的に言われているのが子供の遊びからというものです。
昔は、タンポポを「鼓草」と呼んでいました、タンポポの花茎の部分を切り、両端を細かく裂きます、それを水に浮かべると細かく裂いた両端が反り返り楽器の小鼓のような形になります。
それを見て子供たちは「タンタン、ポンポン」と言っては遊んでいたようです、それが何時しか短縮され「タンポポ」と呼ばれるようになったということです。
タンポポの花言葉
ヨーロッパではタンポポは花占いの花で、花弁を1枚ずつ抜いては「すき、きらい、すき・・・」と最後に残った言葉で占うというもの。
ここから、タンポポの花言葉が「愛の神託」、「神託」、「真心の愛」などという花言葉が付けられたようです。
また、綿毛(種)を吹いて飛ばす占いも有るようで、全て飛べば恋愛が実り、少し残れば心が離れて行くというもので、ここから「別離」の花言葉もあります。
白い花のタンポポがある
タンポポの中には白い色をしたタンポポがあります、日本古来の種では「シロバナタンポポ」などがそれに当たります。
ところで、この白い色したタンポポですが、実はオレンジ色の色素が無いのではなく、白い色のタンポポの花からオレンジ色の色素が抽出されます。
では何故白いのかというと実はオレンジ色の色素をあえて分解して白くしていることが解っています、その理由は研究段階のようですがきっと大きな理由が有るのでしょうね。
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日本古来のタンポポ種と西洋タンポポ。
「日本古来のタンポポが西洋タンポポに駆逐される」などという記事が多く見受けられますが、各種の研究論文を読むと住み分けによって日本古来のタンポポ種と西洋タンポポは共存しています。
確かに、気候の影響をあまり受けない西洋タンポポが日本全土に自生しているのは確かではあります。
さて、では西洋タンポポはいつ日本に来たのでしょう?
この疑問を調べているうちに意外な事実が解りました。
じつは西洋タンポポはしっかり食用野菜として日本に持ち込まれていたのです。
1870年ごろ、アメリカのウイリアム・ペン・ブルックスという牧師がサラダ用に西洋タンポポの種を持ち込み、
札幌農学校で試験栽培していたものから種が飛び散り日本各地に広がったようです。
その30年程後に植物学雑誌に紹介された際に「セイヨウタンポポ」と名付けられ、
人々の知ることとなったようです。
なんと、明治時代に日本で食用タンポポを栽培しようとしていた人が居たのですね!
しかし何故、西洋タンポポが野菜として定着しなかったのか、
日本では西洋と違い雑草扱いとされるのか、大きな疑問が残ります。
その理由も、先のウイリアム・ペン・ブルックス氏にありました。
じつは彼は西洋タンポポ以外にも、多くの野菜の種を持ち込み、
北海道のあちこちの農家にその栽培方法などを教えたということです。
その時の野菜はキャベツやトマト、ジャガイモ、ニンジンなど数十種に及びました。
結果、タンポポよりも日本人の舌に合った野菜が多く栽培されるようになり、
悲しきかな薬効成分豊富なタンポポはいつしか人々に忘れられた存在となり野菜から雑草と化してしまったのです。
こんな歴史や事実を調べると、
尚のことタンポポを雑草から食用野菜として復活させたいという気持ちが湧いてきます。
また、西洋タンポポは非常に稀な生態を持っていました。
この生態のメカニズムが研究で解ると、西洋タンポポの繁殖力の強さと驚異的且つ強靭な生命力により、冒頭の「日本古来のタンポポが駆逐される」という事に繋がるのです。
しかし、その生態などを勘案するに、
日本古来のタンポポ種と西洋タンポポは「住み分け」によってしっかり共存していることが解ってきます。
西洋タンポポとは
決して日本古来のタンポポ種を駆逐するような品種ではありません。
その理由は、西洋タンポポ強靭さの秘密を解き明かすことにもなりました。
こちらについては西洋タンポポ強靭さの秘密でご紹介しています。
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タンポポは北半球の亜熱帯から温帯地域に植物学上約60種が生息しています。
日本には、このうち学術的に分類されている20種が生息していますが、変種も多く観測されており、まだまだ植物学的にも完全には確立されていない植物です。
正直、図鑑で写真を見比べただけではその種が特定できません、同じ種でも季節や環境で葉の形が一変してしまうからです。
実際に育ててみて解るのですが、葉の形や大きさが春、夏、秋冬では別の植物かと思うくらいに変化します。
何時かは、特定方法を学び日本全国を回ってタンポポの観測を行ってみたいと思います、そして将来は詳しい見分け方や生息地の特定などタンポポだけの図鑑が有っても良いとさえ思えてくるのです。
そんな希望を持ちながら、日本で生息するタンポポの植物学的に分類されている20種を記しておきます。
( )内は、分布している地域。
・カンサイタンポポ(本州、四国、九州)
・カントウタンポポ(関東、中部)
・トウカイタンポポ<カントウタンポポ変種>(静岡)
・シナノタンポポ<カントウタンポポ亜種>(長野、新潟、山梨)
・オキタンポポ<カントウタンポポ亜種>(隠岐諸島)
・モウコタンポポ(対馬、島原半島)
・オクウスギタンポポ(宮城、福島)
・シロバナタンポポ(本州、四国、九州)
・キビシロタンポポ(岡山、北九州)
・クシバタンポポ(近畿、山陰、山陽、 四 国 )
・ケンサキタンポポ(日本海側、近畿、中 国 )
・ツクシタンポポ(西四国、北・中央九 州 )
・エゾタンポポ(日本全体)
・ミヤマタンポポ(本州の高山 )
・シコタンタンポポ(東北海道・千島)
・クモマタンポポ(北海道の高山、千島 )
・ユウバリタンポポ(北海道夕張岳)
・オーヒラタンポポ(北海道太平山)
・西洋タンポポ<外来種>(日本全土)
・アカミタンポポ<外来種>(日本全土)
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タンポポはキク科タンポポ亜科に属します、キク科植物はタンポポの仲間、と言うことでキク科植物を紹介します。
キク科植物は12の亜科に分類され、主なキク科植物は4つの亜科に属し、その比率は全体の99%以上になります。
キク科の4つの主な亜種は以下のようになります。
・ムティシア亜科、代表植物はガーベラ属やムティシア属。
・アザミ亜科、代表植物はアザミ属、チョウセンアザミ属。
・タンポポ亜科、代表植物はたんぽぽ属、ノゲシ属(レタス属)、チコリ属。
・キク亜科、代表植物はキク属、ノコギリソウ属、ヨモギ属、シュンギク属、シオン属、アキノキリンソウ属、キンセンカ属、コスモス属、ダリア属、ハハコグサ属、ヒマワリ属、ヒャクニチソウ属(ジニア)、オグルマ属。
何処かで聞いたことのある花や野菜類を思い浮かべませんか?
実にキク科植物は亜種が多く、その特徴として人間には重要な薬効成分が豊富ということです。
その他の亜種の主な植物も参考にあげておきます。
ヌマダイコン属、ブタクサ属、エゾノチチコグサ属、ゴボウ属、ウサギギク属、シオン(アスター属)、ヒナギク属、キンセンカ属、ベニバナ属、ヤグルマギク属、ヒメジョオン属、ツワブキ属、キクイモ属、ヨメナ属、シカギク属(カモミール)、フキ属、ステビア属など。
分類的には、マリーゴールドやヤーコン、ヒャクニチソウなどもキク科植物です。
調べれば調べるほどに、タンポポの遺伝子的な強さが解ります。
事実、キク科の植物は漢方薬の主原料になっている種類が多いのにも驚きました。
深く知れば知るほどに恐るべし薬効成分豊富な植物だったのです。
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