ホームシアター道楽封印までメインシステムで使っていたDVD/SACDユニバーサルプレーヤーが、このパイオニアDV-S969AVI(2003年発売、定価19.8万円)です。
パイオニア DV-S969AVI

ハイファイオーディオでもホームシアターでの使用でも高音質再生を追求した製品で、同じ時代の同様のカテゴリ製品であるDV-S747Aと比べて価格は一気に2倍の20万円とハイエンドともいえる製品です。
特筆すべき点はDVDプレーヤーとして世界で初めてHDMIインターフェースを実装した製品だということです、DVDプレーヤーやAVアンプにHDMIインターフェースが当たり前になった5年も前に既に未来を予見していたということです。
私の手元にあるのは2004年製のもので、初期ロットに比べてリモコンが若干違うようですが操作性の問題は特にありません。
それよりもCDとSACD再生での音質が本当に繊細で一つ一つの音がくっきりとしています、評論家用語でいう「音の粒立ちが良い」とはこういう音なのでしょう。
またDVD再生での音もまた極めて迫力があって本当に凄いです、低音域から高音域まで見事に押し出してきます、最近のDVDプレーヤーとはまったく次元が異なる音です。
とにかく聴き流したくても思わず耳が持っていかれて作業に集中できません、これは完全に聴き込むための音作りがされています。
バックパネルにはほぼすべてのインターフェースが整っており、デジタル2系統とアナログに加えてHDMIやコンポーネント、D1/D2にS1/S2、そしてドルビー5.1Chセパレーションプリアウトまでついています。
つまり、80年代から現在に至るまでのほぼすべてのオーディオ&ホームシアター製品とケーブル一本で接続可能です。
これは、ただ眠らせておくのはもったいないです、音質と動作確認が終わり次第現役復帰させ大いに愉しむことにしましょう。

オーディオに結線ミスは付きものです、何年やっていてもミスする時にはミスしてしまいます。
私の中で一番多いのがスピーカーの左右の結線ミスです、セッティングの際にアンプを後ろ向きにして結線するのですから左右をクロスさせないといけないのですが、ついクロスさせずに結線してしまいます。
同様にスピーカーのプラスとマイナスの結線ミスです、音出ししてみればすぐ解るのですが、耳慣れしていない人にはすぐには解りません。
左右両方間違っている場合は中音域の張りがなく、片方だと聞くポジションにより特定の音域だけが抜けます。
せっかくのオーディオ製品も、この違和感ある音に気付かずに長年聴いている人もいます。
結線しているのに音が出ない、映像が出ない、これは多くの場合に故障ではなく機種間のケーブルの結線ミスです、アンプの入力スイッチを切り替えればすぐにも解るボンミスです。
ホームシアター道楽封印まで寝室のサブシステムで使っていたユニバーサルプレーヤーが、このパイオニアDV-S747A(2001年発売、定価10万円)です。
アンプやスピーカーは何故かパイオニア製品を持っていない私ですが、ことデジタルプレーヤー製品に関しては昔からパイオニアを好んで使ってしまうのです。
やはりパイオニアはLDにおける実績と功績は大きいですね、特に私の年代の人には安心感が違います。
パイオニア DV-S747A
音質確認中、下のプリメインアンプはオンキョーのA-5VL(VLデジタルアンプ)
当時は眩かったパイオニアゴールドも今の時代には何故か古さを感じます

このパイオニアDV-S747AですがホームシアターでのDVD再生でも有効に使っていたのですが、SACDやCD再生での音質がなかなかで途中ハイファイオーディオのSACDプレーヤーとしても活用していた時期があります。
今回、改めて音出ししてみたのですが記憶は正しかったようで、DVDの音質もさることながらSACDやCD再生の音質がなかなかシャープでありながらも聴きやすい音色です。
難を言えば、最新のCDプレーヤーと聴き比べてしまうと低音域が豊かなのに切れが悪くちょっともたつく感じがしますが、中高音域は綺麗に響き個人的にはけっこう好みな音色です。
当時、このDV-S747AはSACDが再生できて10万円であり、「10万円で30万円クラスの性能を持つ」と当時は話題を集めた大人気だった機種です。
当時はハイコストパフォーマンス機として大ヒット製品だったのですが、本当にデジタルオーディオ製品の歴史とは儚く非情なものだと思います。
尚、音出しテスト中に気付いたのですが、パワーオン後にトレイをオープンしてCDをセットしようとすると、トレイが勝手に引っこんでしまう瑕疵が見つかりフルオーバーホールの見積もりを取ったら14万円、なんと当時の販売価格以上なのでビックリです。
オーバーホール代が高価なので壊れても良いようにとオーディオショップのネットモールで美品中古を見つけて即購入、ということで現在2台所有しています。
何と同じ機種が2台
目的がないとこういう無駄事はできませんね

ちなみにデジタル出力が有りますので最新のDACを繋いで聴いてみました、なんと一気に時代が縮まりシャープで締まった音色に変わりました。
なるほど、そういうことですね。
古いCDプレーヤーやDVDプレーヤーをお持ちの方、買い直すのも良いのですが最新の高音質に変える方法は外付けDACを繋げばいいのです。
ただ、高音質DACを買う予算で最新のユニバーサルプレーヤーが買えてしまうのですけれど。

オーディオ製品をラックを使わずに重ねて設置する場合は、放熱に充分注意しましょう。
放熱量の少ない機種を必ず下にしないと、熱で故障してしまいます。
例えば、アンプとCDプレーヤーなら、CDプレーヤーを下にアンプを上に重ねることが基本です。
これが逆だと、アンプの熱がアンプ内に籠り発熱する部品どころか周辺の部品もやられてしまいます。
更には、下からの熱で上のCDプレーヤーが故障してしまう事もあります。
セパレートアンプでは、プリアンプが下でパワーアンプは上にします。
カタログなどの写真では、パワーアンプが下でプリアンプが上になっている場合が多いです。
これは見栄えの為であり、決して真似をしてはいけません。
ただし、パワーアンプはかなり重いのでプリアンプとの隙間が3Cm以上取れるようならパワーアンプを下にしてもかまいません。
製品によっては、重ね置きを想定して設計されているセパレートアンプもあります。
また、埃よけの為にランチョンマットのようなクロスをアンプにかける人がいますが、これも同様に故障の原因になります。
必ず、電源を入れる時にはクロスを取りましょう。
何のために上部にスリットが開けられているのかを理解する必要があります。
ホームカラオケを計画する前に、各種の音質の実験用にミニライブハウスで使われるプロフェッショナル仕様のPAスピーカーを購入して音質の検証を行いました。
そのスピーカーはビクターPS-S552B(発売年不明:現行商品、定価9.8万円)で、同社PAブランドのVOSSやJVCといったブランドでも同じ型式名&価格で発売されています。
私は、オーディオショップからの購入で、取り扱いブランドの関係上ビクターブランドとなりました。
ビクター PS-S552B

フロントグリルを外したところ
ホーン型ツイーターがいかにもPA用といった印象を受けます

このスピーカーの魅力は何と言ってもコンプレッションドライバーとホーンによる高音域です、流石にライブハウスでの使用を考えられているだけのことはあって、その音色は極めてダイナミックです。
ただ、こういった派手な音色は人によって好みがはっきり出てしまうようでドンシャリが濃すぎて高音域が響く音色に嫌味を感じる人もいるでしょう。
まだ購入したてでエージングが足りないのか、やや低音域が弱いのですがホームユースの同サイズのスピーカーに比べればガンガン前に出てきます。
ある程度エージングを行えば低音域がふっくらしてきてトータルバランスが整ってくると思います、購入したてのスピーカーはその辺を考慮して検証する必要があります。
買ったばかりの音色ではなくエージングが進んだ未来の音色を想像しながら検証するのですから、経験が浅いと評価するのは難しいかもしれません。
逆説的に言えば、こういうところで経験の差が最も出るポイントかもしれません。
総合判定ですが、エージングを充分に行えばホームカラオケユースでも問題なく使えます、ただしニアリスニングはご法度でとても心地良く聴くことはできないでしょう、ある程度の広さの部屋が必要なスピーカーです。
実際のホームカラオケでは大型のフロントスピーカーを考えているのでホームシアターと併用してのバックサイドに置くサラウンドスピーカーで使用することになるでしょう。
それにしても高音域の響きはかなり迫力があります、ハット系のドラムが耳元で鳴り響きます、これは私が大好きな音色です。
エージングを充分に行った後の音色を確認しないと何とも言えませんが、中高音域だけを取り上げるなら大部屋でのホームユースでジャズやロックを聴くスピーカーとしても大いに活用できると思います。
尚、窓ガラスが共鳴で鳴る程かなりのパワーをぶち込んでみましたが箱鳴りはほとんどありません、流石にプロフェッショナル仕様です、是非とも大出力のPA用パワーアンプでドライブさせたいスピーカーです。
少音量での一般試聴用には音質的に向きません、うるさいほどの大音量で初めて良さを発揮できるスピーカーでしょう。