
掃除に良く使われている化学雑巾、埃を綺麗に吸着し拭いた後も何か光って良い感じです。
昔から床や家具の掃除には何かと重宝されています。
しかし、オーディオ製品には天敵なので絶対に使わないようにしましょう。
この化学雑巾は油成分によって埃を吸着しているのです、だから拭いた後は表面の細かな凸凹に油成分が染み込み輝くのです。
この油成分ですが、時間が経つと酸化作用により金属表面に薄い皮膜のようなものを形成させ濁ったような色調を残します。
オーディオの中古市場では、この状態を「クスミ」と呼んでいます。
金属は経年経過で少しずつ酸化し自然にくすんでくるものですが、そういった自然なくすみかたとは違い薄い皮膜のようなクスミが付くのです。
自然なくすみは何をしても取れないのですが、皮膜によるクスミは軽い場合はアルコール、強力な場合はベンジンで取る事ができます。
ただ、細かいところまで綺麗にするのは綿棒を使ったりで大変な労力を要します。
また、オイルは絶縁体です、コネクタなどに皮膜がこびりついた場合は接触不良を起こさせます、これがオーディオ製品を劣化させる最大のリスクです。
更には、この皮膜が梅雨の時期に湿気と暑さでベタ付くこともあり更に汚れを吸着しやすくなります、また使用感もよくないものになります。
オーディオ製品の掃除には、必ずマイクロファイバークロスを使いましょう。
マイクロファイバークロスは、細かい繊維によって埃や油成分の汚れを絡み取るもので薬品は何も塗布されていません。
金属やガラスの表面に付いた手垢(皮脂汚れ)も綺麗に落とせます。
電化製品を売っているお店には必ず置いてありますから、何枚か買っておくと何かと便利です。
電化製品だけでなく、使い込んで捨てる前のマイクロファイバークロスで窓ガラスの仕上げ磨きに使うとピッカピカになりますよ!
デジタルプレーヤーの雄、パイオニアのエントリークラスのCDプレーヤーPD-10AE(2016年発売、定価3万円)です。
パイオニア PD-10AE(上)
下は、音質的にベストマッチするハイコストパフォーマンスなプリメインアンプのヤマハA-S301

上位機種PD-30AEとの同時発売であり、PD-30AEは4.2万円でデジタル出力が付いています。
本機PD-10AEは、あえてアナログ出力のみとして価格を抑えたコストパフォーマンスが高いCDプレーヤーです。
音はアナログしか確認できませんが、極めてナチュラルな音色です。
ただ、価格だけで判断するのは大間違いで、このPD-10AEはステレオ専用の高性能な192kHz/24bitDACを搭載しているのです。
音質ですが、私の場合はプレーヤー類はパイオニアが多いので、個人的には聴き慣れた音色で癖も無く音源の音情報を素直に再生してくれるという経験通りの音色で安心感があります。
その意味ではジャンルを選ばないデノンのプレーヤー類と同質の音色です。
尚、金属質に高音域が伸びた音色を好む人には向きません、アコースティックギターやピアノなどをしっとりと聴きたい人にはぴったりな音色を醸し出すCDプレーヤーだと思います。
そう、レコードを聴いているかのような刺激のないマイルドな音色だとも表現できます。

オーディオ製品の中で、最も外気の影響を受けるのはスピーカーです。
スピーカーユニットのコーンは、多くが紙・布・ゴムなどの天然素材が使われています。
これらは熱や紫外線、また湿度に極めて弱い性質を持っています。
例えば、夏場に直射日光にさらされると1シーズンでユニットのエッジがボロボロになります。
また、湿気によってカビが生えると同様に1シーズンでボロボロになります。
故障とまではいかないまでも、直射日光でエンクロージャ(箱=ボックス)やサランネットが日焼けして見栄えが悪くなります。
また、レコードプレーヤやCDプレーヤーなどの可動部のあるものも熱には極めて弱いです。
可動部には、精密部品やピックアップなど熱に弱い素材が使われています。
オーディオ製品にはなるべく直射日光に当てない事、湿気と乾燥には注意する事が長く楽しむ秘訣です。
また、スピーカーにはサランネットを必ず付けることをお奨めします。
例え直射日光が当たっても、かなり緩和する効果とユニット自体を埃などから守る効果があります。
更に、指でユニットをつい触ってしまいシミや凹みから守る効果もあります。
サランネットを外すのは、メンテナンスなどでのユニットの状態の確認兼ユニットの掃除の時だけにしましょう。
デノンのベストセラーを誇るエントリークラスのCDプレーヤー、DCD-755の最新後継機であるDCD-755RE(2012年発売、定価5.2万円)です。
2019年の購入時も製造販売されており、超が付くほどのロングセラーなハイコストパフォーマンスCDプレーヤーです。
ちなみに私の所有しているDCD-755には「2019年製」とバックパネルにシールが貼ってあります、寿命が短いデジタル製品でありながら7年以上もマイナーチューニングを行いながら製造を続けるとは脱帽です。
ちなみに中古価格も一向に落ちず未だに旧タイプまでも定価の50%前後で売られているのですから、その人気ぶりが解ります。
デノン DCD-755RE
出番待ちで待機中

70年代や80年代、また最新のアンプに繋いで音を確認してみたのですが、やはり最新のアンプの方がデノンらしい大人の音色に落ち着きます。
シャープさとか張り出し感とかそういう良い意味での癖はなく、どっしりとした安心感のある音色です。
打ち込み系のフュージョンなども嫌味な刺激が無く聴きやすいです、逆に元気で明るい音でジャズやロックをガンガン鳴らし込んで聴きたい人には物足りないかもしれません。
深夜にビルエバンスのピアノトリオなどをしっとりと聴き込むときなどは最高の音色を提供してくれるでしょう。
デノンのハイエンドプレーヤーを聴いてしまうとメリハリや粒立ちが欲しい気がしますが、価格を考えたら頑張っていると思います。
エントリークラスとしては立派、価格を考えたら不満は出ないでしょう。

スピーカーケーブルを切って使うのが面倒くさい、もしくはもったいないということで長いまま丸めて使っている人がいます。
でも、これが音を悪くする原因になります。
導線を丸めるとコイルになります。
コイルは高周波ほど交流抵抗が高くなる特性を持っています。
つまり、巻き方によっては巻き数が増して高音域が小さくなって音が悪くなります。
また、長いとケーブルそのものがコンデンサの原理により、やはり高域や低域に影響する交流抵抗が生まれてしまいます。
ということで、スピーカーケーブルはできるだけ短く最適な長さに切って使うようにしましょう。
広い部屋で、5m以上と長く引く場合にはオーディオ専用のスピーカーケーブルを使う事をお薦めします。
スピーカー専用ケーブルは高価なのですが、長く伸ばしても交流抵抗が生まれづらい作りになっています。
ケーブル代をケチると、オーバーな話しミドルクラスのアンプがエントリークラスにハイエンドのアンプがミドルクラスの音質になってしまいます。
たった数千円をケチって10万円以上の音質損をする、これでは本末転倒ということでしょう。
※交流抵抗は、スペック上「インピーダンス」と示されています。