2023年11月 5日 08:00
オーディオ道楽の一つの楽しみは、アンプやスピーカーの個性的な音を堪能することにあります。
外見からは伺えない音の個性は、人となりではありませんが本当に裏切られるものです。
ブラックフェースの精悍な面持ちのアンプが実にソフトで大人しい音を奏でることもあるし、その逆で品が良く落ち着きのある面持ちのアンプがド迫力の音を奏でることもあります。
スピーカーもまた同様で、大型のフロア型のスピーカーがマイルドな音で鳴ることもあれば、小型ブックシェルフ型の小さなスピーカーが思いもしないほどの低音を出してくれることもあります。
それぞれが良い意味での期待が裏切られて、本当にオーディオの世界って深くて面白いのです。
さて、そんな個性的な音を確認する際に重要になるのが同じソースを使うという事です。
それぞれ異なるソースで確認しても、そのソース自体の音が異なるので正確な試験はできません。
そういう確認に使う参考品を「リファレンス」と呼んでおり、CDなどのソースの場合はリファレンスソースと言います。
私のリファレンスソースは10枚ほどで、半分はアコースティックなジャズなのですが半分はポップスです。
ポップスは主にボーカルと電子楽器(マニアは「打ち込み系」と呼ぶ)の音を確認します。
また、ピアノソロやフルートなども音のチェックには欠かせないので、そういう意味ではクラシックのCDもリファレンスに加えることもあります。
また、リファレンスソースは時代によって録音性能に大きな変化が有りますので、同じジャンルでも年代を分けることが重要です。
同じピアノトリオのジャズでも、モダンジャス全盛期の50年代と2000年以降のフュージョンでは別ジャンルかと思うほどに音楽性も音質も大きく異なります。
そして、何れにしてもリファレンスソースは常に聴きこんで音を記憶しておくことです。
自分の頭の中に標準となる音を叩き込んでおくのです、これができてないと正しく評価することはできません。
リファレンスがしっかり記憶されていると、ここでこういった音が出るはずなのに出ていないとか、聴こえなかった音がするなど、微妙な表現力の違いを聴き分けられるようになります。