2025年2月27日 08:00
アンプの種類は、機能別に2種類あります。
一つはプリアンプ(コントロールアンプ)で、入力された信号を調えノイズなどを抑えて音質を変化させたり不要な領域の音をカットするなどの機能を有したアンプです。
プリアンプの回路構成は、フォノイコライザー、トーンコントロール、各種フィルター、初段増幅器(プリアンプの由来)などで構成されています。
もう一つはメインアンプ(パワーアンプ)で、プリアンプから送られた信号をスピーカーを駆動するのに必要な電流を得る為の最終段増幅(メインアンプの由来)を行うアンプです。
これをそれぞれ別にしたものをセパレートアンプと呼び、高級ハイエンド領域のアンプの姿がこれにあたります。
ハイファイオーディオを極めてくると、誰しもセパレートアンプが欲しくなってきます。
面白いことにオーディオマニアの間で一般的に用いられているのがプリアンプ+メインアンプではなくて、プリアンプ+パワーアンプという呼称で、多分に洩れずこの私もプリアンプ+パワーアンプをセットで言い表しています。
さて、セパレートアンプの面白さ、それはプリアンプとパワーアンプの組み合わせを楽しめるということに尽きます。
つまり、サンスイのプリアンプにラックスマンの真空管パワーアンプを組み合わせる、同じオンキョーのセパレートアンプのパワーアンプだけを最新のパワーアンプにグレードアップするなどが行え、それぞれでの音の個性を楽しめるのです。
こんな楽しみ方を覚えてしまうと、何セットものセパレートアンプを買ってしまうのです。
また、プリアンプやパワーアンプのみを購入する事も珍しくありません。
これは意図して独自の音の追求や、スピーカーを含めたバランスでシステムを組みやすくするのが目的です。
例えば、レコードプレーヤーを使わず、CDのみで楽しむなら基本的にパワーアンプだけで済みます、しかし入力のセレクタやトーンコントロールなども必要と考え、トーンコントロール付きのラインアンプで済ます事も可能となります。
これでも、プリメインアンプ以上の音を堪能できます。
要は、如何様にも自分のアイデア次第でオーディオシステムを組めるのがセパレートアンプの面白さです。
また面白いことに、同じメーカーのシリーズで組み合わせるよりも別メーカーでの組み合わせの方が音的な相性が良い場合も多くあり、本当にオーディオは奥が深いです。
更に、プリアンプとパワーアンプの間に各種のプロセッサーを介入させる事もできます。
例えばプリアンプにトーンコントロールが付いていない場合はトーンコントロールアンプやグラフィックイコライザーを入れるなどが一般的です。
何故か、最高級プリアンプはソースの音を忠実に再生するという目的でトーンコントロールなど余計な回路を入れていないものも存在しています。
ただ、セパレートアンプに目覚めるとプリメインアンプで楽しんでいた頃と経済的次元が数段階上がってしまいます。
プリアンプだけでも、同シリーズのミドルクラスのプリメインアンプの2倍程度、これにプリアンプ以上の価格のパワーアンプが必要なのですから。
っで、音が劇的に変わるのかと言うとそうでもないのです。
これもまた、オーディオの理不尽なる事実の一つでもあります。