AVアンプの実力の程は?-10~ヤマハ DSP-AX1200
2024年12月16日 08:00
今回は、AVアンプの音質検証のおまけ投稿です。
このAVアンプは私の歴代常用AVアンプではなく、懐かしさのあまりほとんど使用していない優良美品を見つけて中古で購入したものです。
懐かしいというのは私の友人が使っていた機種で一度試聴させてもらったところけっこう良い音で鳴るのです、そんな記憶が蘇り自宅で再度この音を確認したいという衝動が走り、オーディオショップの中古売り場で見つけ無意識に購入してしまいました。
そのAVアンプとはヤマハDSP-AX1200(2001年発売、定価8.8万円)です。
当然、発売年度で解るように最新のドルビーサラウンドモード(アトモス)も無いし最新のテレビにもHDMI非対応なのでダイレクトには繋がりません、使用を前提としての購入ではなく音質の確認用なのでこれで納得なのです、マニアってこんなものです。
ちなみにAVアンプは2005年ごろに仕様がガラッと変化します、その理由の一つはHDMIインターフェースの誕生によって齎されました。
また、最近では4Kエンハンスやハイレゾ対応とAVアンプは5年もすればあっという間に旧式となってしまいます。
とはいえ、RCA-HDMI変換アダプターを外付けすれば2010年頃までに上映された映画であればドルビープロロジックやステレオ5.1Chモードで充分に現在でも使えるAVアンプに進化します。
尚、最新のサラウンドモードには対応できませんが疑似モードでも充分愉しめます。
それと、CDでのサラウンド再生であれば問題なくサラウンドアンプとして機能します、勿論ステレオモードでの使用に関しては言うまでもありません。
ヤマハ DSP-AX1200
上に乗っているのはCD音源でのリファレンスに使ったデノンDCD-755RE
このDSP-AX1200の最も好感できるところは、当時のヤマハのAVアンプに採用されているサラウンドモードに無関係にトーンコントロールがマニュアル操作で機能するところです(写真右下の2つのツマミがトーンコントロール、当然ですがソースダイレクトモードでは無効になります)。
他のメーカーのように当時主流の音質調整をデジタル化せずに、アナログ操作を残したところは手抜きというよりも逆にありがたく感じます。
何でもかんでもいちいち設定しなくてはならないAVアンプの使用感を、プリメインアンプのようにぐっと身近なものに感じさせてくれます。
こういったところが年代物を購入した理由でもあるのです、どうしても自分で操作性や音質を確認したくなるのです。
特にCD再生をメインで使う人なら、DSP(デジタルサラウンドプロセッサ)アンプとして機能しますので好都合というわけです、しかもCD再生メインなら最新のドルビーサラウンドに対応していないことも関係ありません。
映像よりも音楽再生に注力したAVアンプとも言えます、流石楽器メーカーのヤマハらしいところです。
尚、音質確認はちょうどオーディオ製品の音質確認の修羅場の真っ最中で設置場所が無く、他の機種のようにぶ厚い生木の上ではなく板厚が薄く狭いワーキングテーブルの上で行ったので、ほんの参考程度に読んでもらえれば幸いです。
また、スペースの関係でステレオモードしか確認していません。
リファレンスに最新の上位機種の高性能な回路をそのまま使ったハイコストパフォーマーなCDプレーヤー(デノンDCD-755RE:写真で上に載っているプレーヤー)と小型スピーカー(ダイヤトーンDS-200ZA)を使用しての試聴です。
音質はダイヤトーンDS-200ZAに振られてしまうのか悪くは無いです、むしろ好みの音色です、ということは中高音域がシャープに張り出しているということです。
ところで、ちょっとここで実験してみたのですがCDプレーヤーDCD-755REと最初は光デジタルで繋いで視聴したのですが、ちょっとDCD-755REらしさがないなと思いアナログで繋ぎなおしたら低音域がぐっとボリュームアップし耳につく高音域が落ち着いて愉音に変わりました。
なるほど、DCD-755REはバランスの取れたDACチップを使っているようです、音作りが実に見事です。
最後に簡単なコメントで申し訳ないのですが、CD再生でのBGM用などでは聴きやすい音色で充分に機能するAVアンプです。
製品名からDSP-AX1などの歴代フラッグシップAVアンプの流れをくむかのような印象なのですが、価格からしてみても当然のこと音質も音色も全く違います。
トーンコントロールの効きは極めて良いです、ちょっと低域を上げてやるとDS-200ZAがかなり聴きやすい音色に変わります。