2024年12月 2日 08:00
オーディオ&ホームシアター道楽復活後、道楽休止中に発表されたAVアンプでスペックを調べているうちにどうしても気になって我慢できずに購入したのが9台目にあたるAVアンプのパイオニアSC-LX72(2009年発売、定価24.5万円)です。
発売終了から8年経っていましたが、ほぼ新品同様の傷の一つも無いメーカー展示品を購入することができました。
こういった展示用に1度箱出ししたり、初期不良品を修理して新品同様にしたものを「メーカーアウトレット」と言い、中古とカテゴリを分けて販売されています。
中古は英語で言うと「セカンドハンド(セコハン)」であり、前オーナーが存在している製品を言います。
パイオニア SC-LX72
このSC-LX72は7.1Chマルチサラウンドに対応し、傑作AVアンプSC-LX90を伝承した「ダイレクトエナジーHD」という全チャンネルが高性能高音質の独自のデジタルアンプ構成となっており、これが私の手にして実際に音質を確認したいという衝動に火を付けたのです。
更にはホームシアター音質認定のTHX認定商品であり、その音質も大変気になるところでした。
周波数特性は5Hz~100KHzと文句無しのハイレゾ対応です。
デジタルアンプですからCDプレーヤーをデジタルで繋ぐとDACによってダイレクトに音声データにし、その後デジタル増幅しアナログ変換してスピーカーに出力します。
では、CDプレーヤーをアナログで繋いだらどうなるでしょう?
そうです、アナログからデジタルに一度サンプリングしDACに通すわけです、この際にデジタルサンプリングの周波数を高くすることで本来のCDプレーヤーで再生する以上の繊細なデジタルデーターに加工されるわけです、また音情報ではないノイズもカットされSN比が向上します。
こういったリメイク処理をエンハンスと呼び、リアルタイムで行う場合はリアルタイムエンハンスと呼びます。
この効果は絶大で、いつも聴いているCDの音がリメイクされ迫力ある音に変わるのです。
この違いを是非体験してみてほしいのです、いつものCDの音色がまったく次元の異なる音色に変化します。
このAVアンプには外付けDACなど一切不要です、エントリークラスのCDプレーヤーやDVDプレーヤーでも数クラス上に豹変してしまいます。
音声出力はデジタルアンプながら全チャンネル100Wで、下手に高出力とするよりも音質向上に努めたことが解ります。
何故なら、同時代のアナログディスクリートのエントリークラスの同社AVアンプは8万円で全チャンネル110Wもあるのですから。
消費電力はデジタルアンプながら330Wと結構な電力を消費します、もっともこれが全てアナログディスクリエート構成であれば600W程度となるので約半分に抑えられています。
まずはCDダイレクトモードでのステレオモードで音質を確認してみましたが、音出しした瞬間に「これは完全にAVアンプの音じゃない」と大興奮しました。
こういう音色だとラウドネスとかトーンコントロールなどは全て不要です、それよりも迫力ある音に変わった原音をそのまま聴ける喜びの方が大きいです。
どのジャンルも中高音域の切れの良さが光ります、ピアノやハット系ドラムの音が軽快でシャープな響きは半端じゃありません、しかも低音域も下から持ち上がるような雄大な響きがあります。
ハイファイデジタルアンプの音質は数台確認していますが、ミドルクラスのデジタルプリメインアンプ以上の音質には正直驚きます。
これはジャズライブCDやDVDを聴くには申し分ない音質です、ステレオモードでプリメインアンプ代わりに使いたいと思うほどに音色の良さに惚れこんでしまいました。
ちなみにポップスやクラシックでも確認しましたが、どのジャンルもクオリティが相当高い音色で聴かせます。
ハイファイオーディオとホームシアターの兼用システムを考えた場合、やはりこの程度のAVアンプを使わないと難しいと実感できました。
7.1Chサラウンドは初期設定がちょっと面倒ですが、音場補正機能でリスニングポジションでの各スピーカーまでの距離を合わせると自動的に最適な音場が得られ、一度設定するとどのモードでも音場補正を自動で行ってくれるので大満足です。
また、ぶ厚くなる傾向のAVアンプのマニュアルですが極めて解りやすくまとめてありページ数も少なく好感が持てます、同時代のデノンのマニュアルの40%程度のページ数です。
スペックといい音質といい、流石にAVアンプも20万円を越えるミドルハイクラスになると次元が違う存在感を出してきます。
パイオニア製品を殆ど買わない私がスペックに惚れて買ったSC-LX72ですが、買ってまったく後悔はありません。
難を言うとデジタルアンプ構成なのに筐体(きょうたい)はかなりでかいです、そして思った以上に重量があります。
でも、それがそのまま音に出ているので文句の付けようはありません。
現在、常用ホームシアターのAVアンプの選定に入っていますが、デノンのAVR-X4000とどちらにするか決めかねている状況です。
こういった場合、私はどちらも採用し2つの常用システムを別の場所に構築するという手段に出るのが常です。