2024年8月19日 08:00
デジタル全盛期に入ると、オーディオ業界に突如として韓国メーカーが参入してきます、この外付けDACを主力商品にしているESIも代表するその1社です。
当時は日本代理店が無くESI製品全てが直販でしたが、私はビジネスで韓国には250回も渡航しており当時は年間にして多いときで30回以上もソウルへ行っていました。
そのビジネストリップで、ビジネスの合間に購入したESIのDr.DAC(2006年発売、購入価格55万ウォン=当時のレートで6万円程度)です。
ということでマニュアルは韓国語と英語です、まあオーディオの全製品に関してマニュアルは見ないので日本語でなくても全く問題はありません。
現在ではバージョンⅡとⅢが日本でも購入可能で、マニュアルも日本語対応されているようです。
バージョンⅢのスペシャル版は18万円ほど、ESIはそこそこの高級デジタルオーディオメーカーに成長しているようです。
ESI Dr.DAC
大きさははがき大で、当時としてはコンパクトな部類です。
尚、この大きさで単3電池4本をセットでき、モバイルオーディオDACとしても使えるのです。
これをモバイルで使うシーンが思い浮かばないのですが、モバイルデジタル音源用の高音質ヘッドフォンアンプとして考えるとなるほど有りかと思います。
このDr.DACの名前の由来と思われるのが、何とこのDACは自分でOPアンプ(オペアンプ)を交換できるのです。
つまり、アナログ変換後の音質を決定するICチップを差し替えできるという代物なのです。
改良マニアには手間いらずで、発売と同時にかなりの数が売れたようです。
音質は標準仕様ですが、高音域が極めてシャープで綺麗です。
使う前は韓国メーカーなのでドンシャリ系かと思ったのですが、割とナチュラルな大人しい音で聴きやすいです。
低音域がもう少し硬いと文句なしです、まあこういった音の変化を「OPアンプを自分で好みの音質のものに交換して愉しんでね」ということなのでしょう。
ちなみに互換性のある真空管を差し替えて音色の変化を愉しむように、OPアンプを差し替えて音色の変化を愉しむマニアがここ最近急増しているようです。
OPアンプは真空管アンプで言えば最終段の真空管同様に、最終的な音色を決定してしまう小さなICです。
OPアンプは百円程度のものから数千円するものまで多種豊富で、今では手に入らないデジタル黎明期に使われていたOPアンプを得る目的でジャンクのCDプレーヤーを購入して部品取りするマニアもいるほどです。
この方が市場で単品を購入するよりもはるかに安いのです、OPアンプマニアにとっては市場に大量に出ているCDプレーヤーのジャンクは宝物なのでしょう。
エントリークラスのCDプレーヤーの音質を大幅にアップグレードするには手頃な製品だと思います、こういった外付けのDACを使うとエントリークラスのCDプレーヤーほど音質の違いをはっきりと聴き分けることができるでしょう。