2024年8月23日 08:00
いまだに人気が衰えない話題の高性能DACの一つが、ティアックUD-H01(2011年発売、オープンプライス:実売価格5~6万円)でしょう。
シリーズで3タイプ発売された中でDAC性能的には最上位機種で、シリーズにはプリメインアンプ内蔵のA-H01、モバイルフォンレシーバーのDS-H01があります。
UD-H01以外の製品はDACチップ的にはイマイチですが、プリメインアンプのA-H01はいまだに高い人気を博しています。
また、現在UD-H01とほぼ同スペックの後継機UD-301SP(2015年発売、オープンプライス:実売価格4万円~5万円)が現行商品として購入可能です。
ただし、ケースのデザインや作りなどでの高級感ということでは圧倒的にUD-H01の方に軍配が上がります。
UD-301SPを購入するなら、美品中古でUD-H01を購入する方が外付けDACとしての価値が高いかもしれません。
ティアック UD-H01
UD-H01のバックパネル
ここでアナログ出力としてアンバランス型のRCAのみならず、プロフェッショナル仕様のバランス型XLR端子にも対応している点は見逃せない。
他のDAC付きヘッドフォンアンプと比較してもかなり大きい
これは、安価なACアダプターではなく安定化電源を内蔵しているため
右はオーディオテクニカのDAC内蔵ヘッドフォンアンプ
CDからダイレクトにアナログ接続しての音質と、UD-H01を介して繋ぐ音質の差は歴然としています。
エントリークラスのCDプレーヤーの音質がミドルクラス以上の高音質に代わります。
特にハイハットやピアノの高音域がものすごくリアルです、繊細という感じではなく余韻がすごく綺麗で艶のある音色を表現します。
更に小さい音はより小さく大きな音はより大きく感じます、つまり音にメリハリが出ている証拠です。
これが、オーディオマニアに人気のバーブラウン社のDACチップが放つ愉音なのです。
ちなみにUD-H01は、バーブラウンの高音質モノラルDACチップを左右独立で2個用いてステレオにしていますので左右のチャンネルセパレーションは完璧です。
UD-H01に使われているDACチップはPCM1795で、ラックスマンの17万円もする外付けDACと同じチップです。
このチップは内部で入力データを384KHz/32ビット情報に再分解してからアナログに変換します、つまりデジタルエンハンス(リメイク)を行っているわけです。
そのラックスマンの技術者の製品コメントでは、「多くのDACチップを実際に試聴して最終的にこのDACチップを選んだ」と胸を張って言いきっています。
デジタル音ぽくなくシャープで艶っぽい、こんな音色をどのアンプでも再現できる外付けDACは本当に貴重な逸品だと思います。
パイオニアのエントリークラスのユニバーサルプレーヤーBDP-180とマランツのエントリークラスのCDプレーヤーCD5005/FNで試聴中
エントリークラスの音質が繋いだ途端に高音質に変化します
DACは高音質にする装置ではありますが、ハイエンドオーディオアンプを繋ぐのでなければ音質向上というよりも音色の味付けと考えた方が解りやすいです。
何故なら測定機で計って解る程度の音質の差は人間の耳では解りません、それよりも採用しているDACチップによる音色の差は誰にでも解ります。
真空管アンプは真空管を変えると音色が変わる様に、DACもDACチップによって音色が変わります、この音色の変化を素直に愉しむのがよろしいようで。