2024年6月21日 08:00
往年のオーディオマニアなら知らない人は言ないほど有名なBOSE 501Z(1988年発売、セット価格10.4万円)です。
小さなスピーカー2台にパッシブ型サブウーハーを合わせた2.1Chステレオシステムというカテゴリを定着させた功績は極めて大きいものがあります。
ちょっと古いシステムですが、パッシブ型ということもあり今もなお希少価値も加わり人気絶大で市場に出ればすぐ売れてしまいます。
このBOSE 501Zのサブウーハーは単独では購入できないのですが、システム構成とセット価格から推測すればおそらく5~6万円前後ではないかと思います。
この501Zのサブウーハーは途中何度か入れ換わりましたが間欠的に10年以上ホームシアターやサブシステムで使い続けました、アンプが変わろうがパッシブ型の自然な低音は実に心地良かったのです。
パッシブ型のサブウーハーは聴きやすいのですが、ホームシアターにおいては爆音を立てて低音域の効果音を期待するような使い方には向きません。
ただ専用のアンプがあれば話しは別で、私の場合は6Chパワーアンプの1つのチャンネルを割り当て、左右のスピーカー入力をパラレル接続でドライブさせカットオフフィルターは501Z内蔵のネットワーク任せにしました。
この方法ですとパッシブサブウーハーでも低音域の物足りなさは解消できます。
尚、この方法を実践する場合に注意しなければいけないのがスピーカーのインピーダンスです、パラレルでは定格の半分になりますので8Ωの場合は4Ωになります、下手なアンプを使うと出力段に負荷がかかりアンプを飛ばしてしまいます。
BOSE 501Zのサブウーハー
ユニット構成は16Cm口径のウーハーを2個使っており、エンクロージャー内部で共鳴を起こして低音域を作り出すというBOSE独自のアクースティマス方式を初めて世に出した製品です、今ではレアなアンプを内蔵していないパッシブ型です。
パッシブ型のサブウーハーは小型スピーカーの低音域を補完するように本当に自然に低音域を出してくれるので聴いていて違和感がまったくありません。
また、BOSEの低音はメリハリに欠けるもわっとした独特の音色ですが、この501Zはその代表的とも言える低音域の響きを醸し出します。
ということで、何と20数年ぶりに動作確認を兼ねて改めて音質を確認してみます。
リファレンスは501Zが発売された数年後のアンプになりますが、最も低音域にメリハリがありシャープな音色のサンスイAU-α607XRと、ライバル機であるデノンPMA-2000を繋いでみます。
メインスピーカーには、501Zのセット構成を考慮して超小型モニタースピーカーのヤマハNS-10MMを合わせます。
このシステムで音質確認しますと、むしろオリジナルのセットよりも聴きやすい音になり驚きます。
ヤマハNS-10MMの不足感のある低音域が見事にサポートされて中型ブックシェルフを聴いているような感じです。
ニアリスニングでは効果はあまり解らないのですが、3メートル以上離れるとBOSE独自のアクースティマス効果がはっきりと解ります。
ただ、やはりBOSE特有の低音域で若干遅れて出てくるようなずるっとした感じはBGMやワーキングオーディオには最高に良いのですが音楽を聴き込むタイプの音質ではありません。
こういったところで賛否両論に分かれるBOSEですが、使い方のコツさえ覚えれば今でも充分に使えるサブウーハーです。