エントリークラスのCDプレーヤーの実力のほどは?-9~ケンウッド DP-1001
2024年4月25日 08:00
90年代に起こったハイコンポブームの中に在って低価格ながらも高性能なCDプレーヤーがありました、それがこのケンウッドDP-1001(1995年発売、定価4.8万円)です。
ケンウッド DP-1001
下はパラメトリックイコライザーのGE-1001
ケンウッドの本格派ハイコンポシリーズK's(ケーズ)シリーズのプリメインアンプA-1001やパラメトリックイコライザーGE-1001と同時に購入し、一時期サブシステムの一つとして寝室用に使っていました。
このDP-1001の何が凄いかというと、採用されているDACが「DAC7」というフィリプスが開発したスーパーDAC方式なのです。
「ハイコンポのCDプレーヤーに話題のDAC7を使っている」、もうこれだけで購入動機は充分でした。
DAC7というのは1bit型のDACでビットストリームによりアナログ変換します、ビットストリーミングには「SAA7350」を用いて「TDA1547」でアナログに変換しています。
現在、PCオーディオにおいて同様の方式を用いてCDの音情報をDSD変換して聴くという愉しみ方をしているマニアがいますが、なんとフィリプスは25年も前にこの方式を完成させていたということです、この事実を証明する製品の一つなのです。
そんな意味でもこのDP-1001は貴重な逸品と言えるのです。
音質確認にはA-1001とGE-1001、オンキョーの小型ブックシェルフのフラッグシップD-202AXを合わせて、25年前に私がセレクションしたサブシステムを再現して聴いてみました。
改めて聴いてみると、「当時こんな良い音で鳴ってたかな?」という第一声。
GE-1001で低音域を少し持ち上げてやると、大型ブックシェルフで鳴らしているかのような愉音がします。
中高域の締りや響きも最高です、ただピアノやサックス、更にはボーカルが男女共に少し硬い音がします。
カチッとした硬い音が好きな人にはピアノトリオは最高に愉しめます、ハット系ドラムの響きはけっこう前に張り出してきますしベースもずるっとせずにしっかり下まで伸びています。
これ眠らせておくのはもったいない、サブシステムで早々に使うことにしましょう。