2024年3月26日 08:00
PA用小型スピーカーの名機BOSE101をドライブする為に作られたパワーアンプ1701、改良版の本機1705(1993年発売、2.8万円)はその歴史ある1700シリーズの中で最も売れたBoseの歴史に名を残したアンプでしょう。
踏みつけられても蹴飛ばされても何台も重ねて設置しても壊れないと豪語するだけあって、ケースは頑丈なアルミダイキャスト製でケースそのものが放熱板として機能するように作られている小型パワーアンプの名機中の名機です。
30年経った今でも完動品で大きな傷が無ければ2万円近い価格で販売されています、Boseファンにとって101や121を最大限に引き出すアンプは不可欠なのでしょう。
BOSE 1705
BOSE1705とケンウッドA-M70(左)
下はサンスイのプリアンプの名機CA-2000
2機種がどれほど小さいか解ります。
音質ですが、BOSE101などの小型スピーカーは、イコライザーを101モードにして鳴らすと最適な音質になります。
とはいえ、イコライザーの効きはそれほど効果を感じられないほどの微妙なものです。
音質的にはドンシャリ気味ですが、中音域の張り出しと低音域の下から突き上げるド迫力は流石に楽器用のアンプを意識した音作りがされていると評価できます。
同時期にBose101のドライブを意識して発売されたケンウッドの小型パワーアンプA-M70に比べ価格が半分以下ですからかなりコストパフォーマンスは高いです、というより比べてはいけないほどの音色の差があります。
これほど腰の強い音であればジャズやロックに絞ればハイファイオーディオ用としてホームユースでも充分に使えます、改めて価格から考えられない迫力あるストレートな音色に驚きました。
楽器用や店舗のBGM用としては勿論、ホームユースでもAVアンプの音質補正やチャンネルデバイダーを通してのマルチアンプシステムの中高音域を受け持たせるなどでも充分に使えます、私はホームシアターユースに2台使ってサラウンドとセンター用のパワーアンプとして使っていたことがあります。
小型パワーアンプの購入目的は、マルチアンプで中高域部などを受け持たせたいと考えてのことですが、これほどの小型サイズと価格でここまでの音色とは逆に使わない手は無いとさえ思わされます。
最後にもう一つ、サンスイの名プリアンプCA-2000を通したときよりもダイレクトにCDプレーヤーに繋いだ方が張りがあって元気な音色だったというのが更に凄さを感じました、本当にこれは低価格パワーアンプにあって隠れた名機です。
完動美品で値ごろ感も定価の半額程度であればストックするにも邪魔にならないし、プリアウトの有るプリメインやAVアンプに繋いで音質変化を愉しんだりテレビの音質向上などに数台持っていてもまったく無駄にならない小型パワーアンプの傑作品だと思います。
難点を言うとしたら、電源オン時の「ボンッ」というポップアップノイズが意外に大きな音がして気になるところくらいです。
この大きさですと、ポップアップノイズ除去の為だけにノイズ吸収回路を入れる隙間も無かったということでしょう。