2023年12月30日 08:00
オンキョーが世にVLデジタルという独自方式で製品化したハイファイデジタルアンプのA-1VL(2004年発売、定価16.8万円)ですが、翌年そのエッセンスを詰め込みハーフサイズにしてトーンコントロールなどを追加し更にコストダウンさせたVLデジタルアンプがインテック205シリーズとして誕生します。
それが本機オンキョーのA-905FX(2005年発売、定価5万円)です、90年代に一世を風靡したアナログハイコンポの秀作A-905シリーズと同じ905を名乗っていますが、まるで別物ですので中古で購入する際は注意を要します。
ちなみに、インテック275シリーズとしてA-933が同じ年に8万円で発売されています。
オンキョー A-905FX
VLデジタルの音を確認する目的で購入したA-905FXですが、バランスの良い音色が気に入り半年以上も聴き込んでしまいました。
この後、VLデジタルの音色にはまり同年にA-933、4年後にA-5VL、更に2年後にA-7VLと計4台のVLデジタル機を購入し全てコレクションとしています。
冒頭でも話題にしていますが、それ以前のA-905シリーズと本機は名称こそ同じですが中身は全く別のアンプです。
スペック的には、8Ωで45Wと同じ消費電力でもアナログ盤905の3倍の高出力です。
音色はVLデジタル特有の音色で耳あたりの良いシャープな中高音域ですが大型3ウェイスピーカーを繋げると低音域は押しが弱くふわっと来る感じです、ここがグイっと押し出してくるとジャズファンには堪らない音色となりますが小型ブックシェルフであれば問題なくバランスよい音色で鳴らしてくれるでしょう。
トーンコントロールは3バンドで重低音域・低音域・高音域となっていますので、低音が物足りないと思う場合は低音域を持ち上げてやると気持ちよく聴き込むことができるでしょう。
尚、本機はデジタル入力がありません、つまりDACは内蔵していません、その意味ではしっかりとした外付けDACを介して繋ぐと音色が一気に締まって低音も締まってきますので、外付けDACをダイレクトモードで繋いで聴いてほしいと思います。
手軽にVLデジタルの音を愉しむなら本機で充分です、この後に出てくるどんなVLデジタル機とも大きく違わない音色です。