中途半端だけど貴重な存在~オンキョー integra A-817GT
2023年7月15日 08:00
70年代から80年代のオンキョーアンプの音質の変化を確認する為だけの目的でコレクションに加えているオンキョーA-817GT(1981年発売、定価7万円)です。
オンキョー A-817GT
70年代のオンキョーのアンプはロックファンやポップスファンに人気があったくらいに若干ドンシャリ気味な派手な音色が愉しめます。
80年台の中盤に起きたアンプ798戦争時代のオンキョーは太くてずっしりしたジャンルを選ばない音色が愉しめます。
そして、このA-817GTは70年代でもないし80年代でもないという何とも中途半端な音色がするのです。
まず低音域がほぼ全滅で良いところが見出せません、高音域の伸びも張りがあるもののイマイチです。
名前からは想像できないほど大人しい音色で、どちらかというとマイルド系なのですが全体的に薄味な音色です。
当時のカタログに「今までに聴いたことがない音」とありますが、確かに間違ってはいません、もしかして透明感のある音色とはこういう音を指して言うのかもしれません。
私的には決して好みの音色では無いのですが、何故かコレクションに加えているのです。
それはきっと、こういう音色がするアンプが他にはなくリファレンス的な要素で取っておきたいという気持ちかもしれません。
どこかの段階で「こんな音もアリだな」と思うときがきっと来るかもしれない、そんな気持になるのも確かです。
それとスピーカーとの相性で、もしかしてすごく相性の良いスピーカーに出会えれば絶賛する音色に変わるのかもしれません、そんな期待感を何故か持ってしまうアンプなのです。
最後に一言、ピアノとボイスの音色だけはハッと息をのむような素晴らしいものがあります、ソースを選べば物凄い音色を奏でるアンプなのかもしれません。