2023年3月25日 08:00
70年台を代表する超人気を博したセパレートアンプが、サンスイのCA-2000+BA-2000(セットで32万円)でした。
購入時パワーアンプを上位機種のBA-3000にして、CA-2000+BA-3000(セットで40万円)でフルJBLユニットを使ったスピーカーを繋ぎ愉音を思う存分に楽しみました。
そのすぐ後にサンスイAU-D707Fというプリメインアンプを購入します、その音がCA-2000+BA-3000を上回るほどの硬質な低音にシャープで切れ味の良い中高音を発するのです。
AU-D707Fが11万円、購入をずっと待って苦労の末に手に入れたCA-2000+BA-3000はいったい何だったのだろう?
何と、たったの5年間でサンスイの音質がガラッと変化していたのです。
ということで、引っ越しの際に重くて使わなくなったBA-3000を断腸の思いで処分、CA-2000はプリアンプなので将来も何かと使い道があるだろうと残したのです。
そんな深い事情で相方を無くし、レフトアローン化したサンスイCA-2000(1976年発売、15.8万円)です。
サンスイ CA-2000
残した理由は他にもあります、80年代のミドルクラスのプリメインアンプはプリアウト/パワーインというセパレート化させて使える仕様を採用している製品が多く、プリ部だけをサンスイCA-2000にして音の変化を愉しめると考えての事です。
この選択は正しくて、CA-2000を経由すると殆どのプリメインアンプの音質がピシッと引き締まるのです。
特に中高音域がシャープで切れ味の良い明快な音質に変わります、CA-2000を残して大正解でした。
プリアンプは音質調整や各種のフィルターなどに加えて、バッファーアンプとしての機能も担います。
最近の実験では、CDプレーヤーとプリメインアンプやAVアンプとの間にCA-2000を経由したら、どのCDプレーヤーも数段上のクラスの音に変化します。
ハイエンドのプリアンプは、こういった音質向上のバッファーアンプ的な使い方もできるのです。
消費電力も少なく、今後も各種の使い方で思う存分に愉しめるプリアンプの名機だと思います。
ところで、現在CA-2000やBA-2000の中古が発売価格以上の価格で取引されています。
持つ喜びということであれば良いのですが、低音キングと言われるサンスイサウンドという音質を得たいのであればAU-Dシリーズのプリメインアンプの中古を購入することをお奨めします。
また、パワーメーター付きの70年代・80年代のパワーアンプやプリメインアンプが人気のようですが、どうせ中古を買うなら見た目で高額なものを購入するよりも音質重視で満足する実用的なものを購入するようにしたいものです。
ちなみにパワーメーターを見るのは買ったときだけです、音楽を愉しんでいる時に見ることはまず無いし、不要の長物だとすぐに理解できるでしょう。
むしろ無い方が音楽鑑賞に集中できるのです、動いている物があればそこに神経がいってしまうのが生物の本能ですから。
かくいう私も、一時期はパワーメーター付きのアンプを好んで買う時期もあったので機構的なものに憧れる気持はよく解ります。
ちなみにこのCA-2000、現在では中古価格も落ち着いて15万円前後と発売時の倍となっていますが、サンスイが倒産直後の2015年頃には30万円を越える価格が付いていた時もあります。
所有者としては実に誉高きことではありますが、こういったビンテージ品に高額のお金を払うよりも実質面を重視して最新のミドルクラスのアンプを買う方が良いかと思うのですが。