2025年11月16日 10:00
事業計画書(2)
経営理念
本記事は中小企業向けに「基本形の事業計画書」の概要を説明するものです。 これまで私自身が代表に教えていただいたことをまとめています。 事業計画書には出資を募る目論見書、共同事業の提案書、補助金申請に付す計画書など複数のタイプがありますが、ここでは初めて作成する方に向けて共通する考え方と構成の骨子を示します。
出資を募る目論見書において経営理念は特に重要な要素になります。 事業計画書について教えていただいた代表からも「ここが一番重要だ」と繰り返し言われてきました。 経営理念は自社や事業がなぜ存在するのかどこを目指すのかという目的やビジョンを言語化したものであり、企業や事業を興す際の「軸」になります。 また事業を進めていく中でもその軸からブレていないかを確認するための拠り所となります。 これらは企業の存在意義や価値を示すものであり、その内容に共感や魅力を感じてもらえなければその先の事業計画書の細かな内容を読み進めてもらえないかもしれません。
経営理念は「事業計画書に書くための項目」というだけのものではなくそもそも会社を経営していくうえで欠かせない土台です。 経営者が交代しても引き継がれるべきものであり社員はその理念を拠り所として判断し日々の行動を選択していくことができます。 意思決定に迷ったときに立ち返る基準でもあり短期的な利益や目先の事情に振り回されないためのガイドラインにもなります。
また経営理念は対外的なコミュニケーションにおいても重要な役割を果たします。 自社が「どういう価値観を持ち、何を目指している会社なのか」を端的に示すことで、取引先やパートナー候補に対して自社の姿勢を明確に伝えるツールになります。 特に社員との間で「何を価値とし、どの方向を目指しているのか」が共有されていることは事業を推進していくうえで非常に大きな力となります。 同じ理念を共有していることで個々のメンバーの行動が自然とそろい、事業計画で描いたストーリーを現実のものにしていく推進力が生まれます。