2025年11月 9日 10:00
事業計画書(1)
事業計画書には何を書くか
本記事は中小企業向けに「基本形の事業計画書」の概要を説明するものです。 これまで私自身が代表に教えていただいたことをまとめています。 事業計画書には出資を募る目論見書、共同事業の提案書、補助金申請に付す計画書など複数のタイプがありますが、ここでは初めて作成する方に向けて共通する考え方と構成の骨子を示します。
事業計画書は小規模な企業ほど社長や現場責任者が自ら作成する場面が多く、起業家にとっては避けて通れない資料です。 経験がないと「何を書けばよいのか」に迷いがちですが、事業計画書は本質的に①自社の製品・サービスの内容②想定する市場とユーザー③事業の展開方法を相手に伝わる形でまとめます。 目論見書であれば資金計画や資本政策、成長性の論証が重要になり、共同事業の提案であれば相手企業にとっての具体的なメリット提示が要点となります。
事業計画書の目的は相手によって変わります。 たとえば資金調達を目的とする場合は十分な市場性と成長余地があり、スケジュールと資金計画が実行可能であると相手に判断してもらうことが必要です。 読み手は数多くの計画書に目を通してきたプロであり、あなたや会社、製品・サービスのことを知りません。 その相手に「この事業には可能性がある」と感じてもらうための橋渡しをするのが事業計画書の役割です。
作成は外部委託も可能ですがベースは必ず自分で作るべきだと考えます。 計画書は判断材料の一つに過ぎず、最終的に評価されるのはあなた自身です。 自らの言葉で計画を把握し熱意と一貫したストーリーで説明できなければ、どれほど体裁のよい資料でも説得力は生まれません。 特にストーリーが大切です、このことについては代表から何度も教えていただいています。 計画の起点には企業理念があり「なぜこの事業を志すのか」そして「相手はどんな価値を得るのか」を流れとともに明確にして相手が容易にイメージできるようにすることが事業計画書づくりの核心です。
次回以降は実際に事業計画書に盛り込むべき項目を順に解説していきます。