2022年11月 7日 07:00
近年のAI技術の発展は素晴らしいものがあります、その中で特に注目されたのが2017年に将棋でプロ棋士相手に勝利したというニュースでした。
チェスではかなり昔からAIがプロに勝つことが当たり前のようになっていましたが、将棋は取った駒を自身の駒として使えるなど複雑な思考を要求されます。
更にはその後囲碁でもプロ棋士に勝つなど、AIの記憶能力と予測能力は極まるところまで磨かれてきています。
さて、そこで1対1のゲーム対戦においてはAIは既に人間を超えたと言えますが複数によるマージャンではどうでしょうか?
私が考察するに、どれほどAI技術が進化してもAIがマージャンで一定の回数をこなしてトップで勝利することは不可能だと考えています。
この理由は明確で幾つかのポイントがあります、マージャンは4人で行うゲームであり1対1の対戦に比べて思考範囲が広がり、更に4人で分散して決められた数の牌を分配されるので予測することが極めて難しくなります。
更には、見える牌は自分と対戦相手3人の捨て牌だけです、つまりは見えないところに積まれた牌を見える牌から計算して勘を働かせて読まなくてはなりません、この見えない牌の予測がAIでは不可能なのです。
そして、最後にマージャンは技術もさることながら対戦相手との心理戦なのです。
これがAIでは極めて難しいもので法則はありません、また対戦相手によって癖がありますので更に複雑化させます。
定石は一定の目安です、強い実力者は対戦相手によって定石を繰り広げたかと思った瞬間に意図的に定石の裏をかく先方に切り替えたりします、この心理戦を制してAがマージャンで勝つことはあり得ません。
コンピュータゲームなどのマージャンゲームは、限られた空間で3人分をコンピュータが受け持ちます。
この3者間でいかようにも牌を設定することが可能です、ですのでコンピュータゲームでのマージャンと実際に人を3人相手にするリアルマージャンでは全く別の思考となり何らの参考にもならないのです。
もしもプロジャン士ほどの能力を持ったAIが現れたら、それは最強のネゴシエーターと言えます。
そんな時代が到来すれば、本当に人類がほぼ全ての職を失ってしまうことでしょう。