2024年12月16日 10:00
健康と長寿をテーマに研究していくと、「デトックス」というカテゴリに辿りつきました。
動物の身体には隅々まで血管が組織され、人間でいえば約47兆個ある各細胞に栄養と酸素を届けています。
血管にはご存知のように動脈と静脈の2つがあります、動脈は心臓というポンプの力で血液を送ります、ところが静脈は血液中のアルブミンという栄養素による浸透圧を利用して余分な水分や細胞で消費された栄養素のカスを吸い上げています。
心臓というポンプで動的に血液を流すことから動脈、浸透圧の力で余分な水分などを吸い上げ筋肉の動きなどにより静的に血液を流すことから静脈と呼ばれています。
さて、血管のメカニズムを正しく理解すると、「デトックス」という身体の毒素を排出する方法の多くは根本的に間違っているということに気が付きます。
身体の毒素は何処に溜まっているかというと、特に下半身の細胞と細胞の間に存在している間質層に充満している間質液に含まれて溜まっているのです。
したがって、間質層から余分な水分と共に毒素を吸い上げて腎臓で濾過し尿や便として排出しなければならないのです。
同じように女性に多い浮腫み(むくみ)も同様に、間質液が重力と共に下半身に溜まることにより起こるものです。
ここで重要なのが静脈の機能そのものなのです、静脈の機能は血中のアルブミン濃度によって決定されます、多ければ間質層との浸透圧が強くなり比重の低い静脈へ間質層から水分と毒素をどんどん吸い上げてくれます。
つまり、本当の意味でのデトックスや浮腫みの改善は、静脈の機能強化と血液の質そのものを改善することにあるのです。
アルブミンは肉や魚に多く含まれており、植物からは一切摂取する事ができません。
デトックスと称してのファスティングや野菜食は確かに腸内の浄化にはなりますが、細胞間に溜まった本当に悪性の毒素の排出には無関係なのです。
むしろ逆効果となる結果が齎されることでしょう。
もう一つ、女性は特に30歳を前後して静脈の毛細血管がどんどん少なくなってきます、60歳では平均で若い時に比べて30%が失われるという報告もあります。
これは身体の冷えにも繋がり、さらに浮腫みやすくなってしまいます。
健康を本当に意識するなら、身体のメカニズムを正確に知って正しい食事療法を行ってほしいと願います。
静脈の毛細血管を増やし、血液を機能強化するには良質の必須アミノ酸とビタミン類は不可欠です。
食事は偏らないように、バランスの取れた内容を考えたいものです。
身体に悪影響を及ぼすのは肉や魚のタンパク質や脂肪ではありません、それはでんぷん(糖質)の摂取過剰によるところが大きいのです。
言うまでもなく理由は簡単です、余った糖質が間質層の中で細胞に消費されないまま酸化して毒素(サビ)に変化するからです、この状態を「糖化=サビ化」といいます。
皮膚疾患での脂肪酸化物過剰、精神疾患でのモノアミン系脳内ホルモン分泌異常は、誤った健康法が齎している可能性が極めて高いのです。
タンパク質を取ると皮膚疾患に悪い、それは長年の食事により結果的に身体がそうなってしまっているからです、それを改善するには先ずは血管を増やし血液の質の改善が重要なのです。
健康と長寿を考えるとき、「デトックス」と「血管」は重要不可欠なカテゴリなのです。