「何時までも若々しく健康で長生き」、そういう願望は何時の時代も多くの人が思っていることでしょう、そんなことを意識するような歳になって健康と長寿をテーマとした事業を幾つか立ちあげていますが、そのきっかけになったのが実はタンポポなのです。
6年前の5月、野草の研究中にふと目にとまったタンポポを持ち帰ってベランダで栽培し始めたのです、これは決して偶然ではなく私の中に昔のある思い出が蘇ったからなのです。
タンポポといえば野草、野草といえばイタリアンで最近よく使われる「ルッコラ」です、実はこのツッコラは栽培されるようになったのはほんの20年程前です、それまでは野や山に自生していた野草です。
先の思い出が蘇ったという話しですが、それはパリで日本と往復しながら2年間ほど仕事をしていた頃、いつも通ったレストランで食べたグリーンサラダにタンポポが大量に使われていたのです。
ちょっと苦味がありますがオリーブオイル+ワインビネガーとの相性は抜群で、最初は若干苦味が気になりますが飽きがこない味で毎日でも食べたいものに変わります。
日本でも明治の初期まで飢餓防止で西洋タンポポの栽培を推奨されていたという記録があります、どうりで日本中どこに行っても西洋タンポポが自生しています、花から根まで全て食べる事ができる万能野草のタンポポは何故食されなくなったのでしょうか。
ところで4年前に埼玉と千葉の2つの農家でフランス産の栽培品種のタンポポの種を取り寄せて栽培してもらいました、採れた1メートル近くも大きく育った食用タンポポをみんなで試食しました。
サラダは勿論、パスタにピザになかなかの味で栄養豊かな野菜として扱ってもまったく違和感がありません、その後直営のイタリアンレストランで正式にメニューとして提供していました。
タンポポは食用だけではありません、栄養素的に実験しているのですが外用剤としても効果があると考え化粧品などへの応用としても既に事業化しているほどです。
タンポポに含まれる自然の化学成分であるフィトケミカルは20種類以上、しかも免疫力向上やデトックスに効果のある成分が豊富です、フランスのように家庭で普通にタンポポが食べられる日が日本にも来ることを願っています。
ところで、栽培品種のタンポポは野に存在している西洋タンポポとは似ても似つかない姿をしています、1メートルにもなる葉を見て誰もタンポポだとは気付かないでしょう、野菜としてのタンポポをどうにか普及させたいと思います。
5年ほど前から継続的に健康と長寿をテーマに日々研究を行っています、研究を重ねていくと結論的に健康と長寿は根拠のある絶対的な栄養素とバランスの取れた食生活の改善という結論に達します、実際に各種の実験を行ってみてこれが本当に重要なのだと実感できるようになりました。
さて多くの健康的な食材や加工食品、これらはあくまでも入り口である素材に過ぎません、ではこれらを活用して出口戦略をどう考えるのかが重要です。
少なくても私はこういった食材を作っては販売するということに興味はなく考えたこともありません、考えているのは健康と長寿の薬ともなる醗酵食品や薬膳酒にお茶、そして食材の多くを手軽に食べられるカフェです。
全てが自家製の安全な調味料と食材ばかりで調理します、更にはドリンク類まで全てが「健康と長寿」で一括りされた空間の提供です。
この集合体として木の温もりを活かした古民家風の健康&長寿カフェを想像してしまいます、リラックスした異空間での健康食、心身共にリフレッシュしてほしいと思うわけです。
ドリンク類は全て手作りの薬膳酒やお茶です、また搾りたてのオーガニック野菜やフルーツのジュースです、つまみ類も全てが自家製のチーズやハムに始まり自家製調味料を使用した料理です、会員制にして利益追求ではなく自身の道楽の追求空間として行いたいと考えています。
利益を追求していては自身が不健康になると考えています、したがってあくまでも道楽として行うべきかと思うのです。
健康と長寿についての会話と情報交換を通して来る人がそれぞれで健康と長寿を考えるようになれば嬉しいと思うのです、また手作り味噌や納豆にチーズや生ハムの作り方教室なども行えれば更に楽しいと思います。
そんなストレスのない楽しい時間を過ごせること、そして同じ意識の人が集まれる空間、こんなことをしながら愉しんでいれば自身もどんどん健康になれる気がするのです。
醗酵食品を追求していくと「チーズ」や「ハム」に辿り着くのです、チーズやハムは熟成によってたんぱく質をアミノ酸に分解し美味しさが増すだけではなく健康的な食品に変わります。
タンパク質や脂肪が分解されて生まれるアミノ酸は身体の中で消化分解される過程を身体の外でしかも完璧に行っているわけです、したがって身体に負担をかけずに必須アミノ酸を摂る事ができるだけではなく何よりも旨味成分豊富で美味しいのです。
チーズと言えば日本ではプロセスチーズが一般的です、プロセスチーズとは数種類のナチュラルチーズを溶かして再成形したものです、溶かす過程で加熱によりアミノ酸の一種である酵素が死んでいます。
例えばブルーチーズやカマンベールチーズは熟成を止めていないナチュラルチーズで、冷蔵庫で保存しておくと酵素による熟成が進み液状化してきます、この液状化の直前が実は最も美味しいときなのです。
プロセスチーズはこれが起きません、逆に言えば安定した品質を保持できるというメリットでもあるわけです。
長期保存性の合理化は置いておいて健康や長寿を意識するなら是非プロセスチーズではなくナチュラルチーズを食してほしいと思います、身体の負担も美味しさも全然違います。
ピッザなどを食べると胸やけするという人がいます、これはチーズのタンパク質や脂肪分が消化不良を起こしているのです、完全に熟成したチーズからは脂分が出てきません、これは酵素によって分解されているからです。
プロセスチーズによってチーズが嫌いになる人もいます、本物の美味しさと身体に良いチーズを見直してほしいものです。
チーズはカードという牛やヤギなどの乳から分離して取りだした凝固物が原料で、このままで食べるのがカッテージチーズで加熱によって伸ばして弾力を付けたものがモッツアレラチーズです、これらは熟成されてないのでタンパク質のままです。
このカードを青カビや白カビなどのカビによって熟成させたのが、ブルーチーズでありカマンベールチーズなのです。
また、カビを寄せ付けないようにして乾燥させながら熟成したものがハードタイプというパルメジャーノ・レッジャーノなどのチーズになります。
カビを利用して熟成すると独特の味と香りが出て熟成が進むにつれドロドロになってきます、逆にカビを使わずに熟成させると香りも独特の香りではなく乳の香りが残り、熟成が進むと水分が抜けて堅くなってくるのも面白いです。
そこで、手作りチーズに挑戦しようといろいろ調べているのですが、手作りチーズのほぼ99%の情報がカッテージチーズかモッツアレラチーズばかりで、肝心のカビで熟成させる本格ナチュラルチーズの製法ノウハウは出てきません。
私に必要なのはある程度調べると出て来る製法上の原理や技術ではないのです、経験によるノウハウが知りたいのです。
参考になったのは新しくチーズの会社を興したという人の話しです、本場イタリアでチーズ職人の資格を取ったとありました、やはり熟成タイプの製法ノウハウはそうそう簡単に手に入るものではなさそうです。
だからこそ手作りナチュラルチーズに大いなる興味を覚えてしまうのです、ちなみに独学で白カビを培養し保存する方法を見つけ出し現在冷蔵庫で長期保存にも成功しています。
菌の研究と実用化は醗酵食品然り農業への転用もその目的において老後の私の大きな研究テーマとなりつつあります、そんなわけで最近では菌を独自の方法で培養しています。
特に有益だと考える菌は乳酸菌(ホモ乳酸菌、ヘテロ乳酸菌)やビフィズス菌・納豆菌・麹に酵母、更には農業に有益なのではないかと思われる光合成細菌と種類も豊富です。
植物も動物も発祥時点から進化の過程でずっと菌と共存共栄してきました、それが各種の研究と調査で解ってきました、いつまでも健康で元気でいられるためには菌は不可欠な存在だと確信を持っています。
思えば私は幼いころからずっと何かを飼育してきました、メダカや昆虫・カメにヘビやトカゲ・熱帯魚に水生植物・観葉植物に野菜のプランター栽培、いろんな経験と当時の道具や器具がみんなこの菌の飼育に役だっているのです。
見えない菌だけに媒体の変化が面白いのです、媒体を介して見ない菌が確かに息づいている事だけはよく解ります。
「人間は常に乳酸菌や納豆菌などの原子良性菌類と触れていると、原子菌類から細胞に寄生したミトコンドリアが元気になる」という自論を展開して追求しているところです、「皮膚疾患も免疫不全も菌によるミトコンドリア改善で自然治癒する」、それを信じて原子良性菌類を大量に飼育しては各種の実験をくりかえしているのです。
先日は培養した乳酸菌をみんなでスプレーして顔や手足に振りまいてみました、これ意外と効果が凄くて余計な皮脂や角質化した皮膚が自然に除かれてスベスベになるのです、身体が元気になれば精神的な病も脳内ホルモンが正常化して治るかもしれません。
更に、今研究しようとしているのが乳酸菌と納豆菌の農業や土壌改良への応用です、地域活動として村をあげて行おうとしている自治体もあるようです。
これに関連して実験農場を自ら作ってしまおうという計画も発動間近です、水質浄化作用の有る土壌菌である光合成細菌の実験も並行して行いたいと思います。
この光合成細菌とは、乳酸菌や納豆菌の好気性バクテリアではなく真逆の嫌気性バクテリアであり意外な側面を持ち合わせています、非常に面白い性質を持っていて楽しみな菌なのです。
菌も好気性と嫌気性という陰陽バランスが取れると土壌が豊かになり野菜が元気に虫も付きません、何と菌に関しても「陰陽バランス」の思想を活かせてみたいと考えているのです。
菌類の研究は、オーガニック栽培に欠かせない肥料との環境サイクル研究として今後の農業には欠かせない研究テーマの一つだと思います。
現在大きな社会問題となっている新型コロナウイルスに新型鳥インフルエンザウイルスですが、こういった自然の土壌菌が身体を守ることにより感染防止に役立っているという「ウイルスバリア」説が急浮上しています。
域内感染者は急増加していても農村地帯では感染者がゼロもしくは極めて少ないという事実があります、単に農村地帯は人口密度が少ないというだけでは説明がつきません。
過日の新型鳥インフルエンザのときにも同じような論文が世界中で多数出されました、こうした調査や研究も是非行ってみたいと思います。
オーガニック野菜を作るには土壌から作るところが最も重要だという事を各種の情報を精査して解ってきました、オーガニックは土作りが基本でこれに通常は数年かかるといいます。
よく行われる方法としてアルカリ性の灰を撒いたり腐葉土や鶏糞を混ぜたりするのですが、こちらは中性で冨栄養な土を作るための施策であり水はけの良さやバクテリアを安定させることはできません。
これ以外に腐敗しづらい土を作る為に最近では乳酸菌などの土壌菌を積極的に使って土壌のバクテリア環境のバランスをとることなども行われるようになりました、そしてもう一つ重要な事があるのです、それはどんなに中性の冨栄養でバクテリア環境を整えても水はけが悪いもしくは水はけが良すぎると折角のバクテリアも死滅してしまいます。
バクテリアが繁殖するには空気が充分に土の中に存在し更には一定の水分を保てなくては窒息もしくは乾燥で死滅してしまいます、したがって水はけが良くて保水性のある土が重要になります。
その意味で土壌改良材は上記の3つのポイントを踏まえてワンセットで考える事が重要なのです、ここでもっとも忘れがちなのが最後の水はけと保水性のよい土作りです。
これをこれまでは腐葉土や枯れ草などを土に混ぜたりしていたのですが、これらは土作りの目的で投入したバクテリアによってあっという間に泥状態になり、年間を通して水はけが良く保水性が有る状態を保てなくなります。
春に種まきして夏以降に実を付けるナスなどの野菜などはこれらによって小さく堅い実になってしまうようです、これを一気に改善する方法は無いのでしょうか?
安くて1年以上水はけが良く保水性を保てる天年素材、手軽に手に入れば多くのオーガニック農家や家庭菜園を愉しむ人が救われます。
いろいろ調べて行くと観葉植物を鉢で育てる場合の土作りは結構あり、また水はけを良くし保水性を保つ素材も多くあります。
しかしこれらは野菜にはそのまま転用できません、コストが大幅にアップしてしまうからです、そんなとき何と偶然にも台湾の記事に大きなヒントを見つけました。
その素材は日本でも大量に栽培され加工の過程で廃棄され焼却処分されていく物でした、つまり原価はゼロ同然のものです。
ちなみに加工と聞いて想像するに易しいオカラや米ぬかなどではありません、オカラは食材として米ぬかはぬか床や菌床などとして有効に活用すべきだと思います。
廃棄する加工工場も処分代が浮き両者両得のものであり研究の価値が多いにありそうです、「人が欲しがらない物に価値を見出すことは大きな利益となる」とは兵法の極意です。
取り急ぎでベランダ菜園用に2年かけて作った土にこれを混ぜて実験してみました、この結果は夏場でも土の中が乾燥することが無く水はけも極めて良好です、ミニトマトとバジルで実験したところ肥料も何もしなくても虫は付かず1年前に栽培したものとは比べ物にならないほど大きく成長しました、これはなかなか使えます。
さて、こういった研究成果をどのようにしてビジネスにつなげるか、場所もいるし人手も要ります、高収入を期待しないで自身も愉しめるビジネスは高齢者にぴったりではないかと思うのですが如何でしょう?