2024年11月18日 08:00
購入当時はホームシアター歴15年、この間は気になるAVアンプが出れば購入し、15年目にして実に歴代7台目のAVアンプがこのデノンAVC-1850(2001年発売、定価6.6万円)でした。
実は、当時デノンがAV技術を結集して作ったAVC-A1SR(2002年発売、定価45万円)を購入する際に、寝室のサブシステムに使おうと発売から1年経って価格も下がっていたので同時に購入したのですが、手軽さや消費電力などからいつの間にかメインで使うようになっていました。
オーディオ&ホームシアター道楽復活後も、各種セッティングや一時的な使用などで現役で活躍しています。
それほど手軽で使いやすく、エントリークラスの価格ながら音質も超が付くほど良好なのです。
デノン AVC-1850
それにしても90年代に入り、AVアンプのエントリークラスはどんどん価格が下がり性能はどんどん良くなったのには驚きます。
90年代前半に20万円近くしたミドルクラスのAVアンプよりもスペック的にはAVC-1850の方が高いのです、スペック対価格は10年で1/2になってしまいました。
このAVC-1850は、ホームシアター道楽封印まで6年ほど使っていましたが、封印中もステレオモードでジャズをBGM的に聴くアンプとして使っていたほど聴きやすい音質のアンプです。
封印でほぼ全てのアンプとスピーカーをトランクルームに移動したのですが、もしかしてということもありホームシアターでもオーディオでも両用できる手軽なエントリークラスのAVアンプを残したのです。
音質はホームシアターに求められる中高音域の張り出しもあり、低音域もサブウーハーを使わなくてもハイファイオーディオ用のスピーカーを繋げばかなり低音域まで綺麗に伸びてくれます。
まあ、こういった周波数レンジの広さや長時間でも疲れない音質バランスの良さも道楽封印中のジャズ鑑賞用に最適だったというわけです。
逆にサンスイのプリメインアンプを手元に残したら道楽を封印することができなかったと思います、何故なら聴き込んでしまい各所をいじりたくなるからです。
AVアンプの音質は同クラスのプリメインに比べると一般的には薄いと感じるのですが、それぞれの帯域の量感というか重みが確かに軽く感じるのは否めません。
このAVC-1850も多分にもれず中高音域は張り出し低音域も下までグンと伸びているのですが、シャープさに欠けちょっともたついた感じのするマイルド系の音色です。
マイルド系の音質は長時間の鑑賞でもまったく疲れを感じさせないので良いのですが、特定のジャズなどを聴き込みたいときにはちょっと物足りないと感じてしまいます。
ソースによっては全体的にオブラートで包んだような音色ですが、オーディオ用のパワーアンプを繋ぐと見違えるように元気になります。
まあ、エントリークラスのAVアンプにCDで聴くハイファイオーディオの音質を求めるべきではなく、CD再生では聴き流すのに苦にならなければ良しとしなくてはいけないのでしょう。
それよりも、リモコンを一切使わずに全ての複雑な設定や音質調整が行え、しかもボタンだけで行える操作性が抜群に良いのが気に入って手放すのを躊躇ってしまいます。
設定の際に自分が今どのレイヤーにいるかが解り易く、何もしないと自動で設定を完了させてくれるところも煩わしさがありません。
尚、定格出力がフロント70Wなのですが、ドルビーサラウンドでの再生ではちょっと不足感を覚えることがあります。
また、AVインターフェースが時代が時代だけにHDMIに対応していません、アナログで繋げば問題ありませんがデジタル時代の映像機器との接続は知識が無いと苦労するかもしれません。
私と苦楽を共に道楽封印中も含めて都合18年間も頑張り続けたAVアンプで愛着は一番です。
デノンがAVアンプ部門で最もシェアを握っていた頃の主力AVアンプ、鳴らすたびに当時を思い出します。
そして、AVアンプの中古価格は10年で1/5に、20年なら1/10になりますが、このAVC-1850は20年経った今でも1/4とプリメインアンプ並みの中古価格を維持しているのです。
それだけ人気の高かったAVアンプだったのかもしれません。