高音質小型ブックシェルフスピーカーを検証-5~ビクター SX-LC3
2024年8月12日 08:00
小型ブックシェルフと言うよりも小型トールボーイのようなスタイルのビクターSX-LC3(2001年発売、定価8万円)です。
ビクター SX-LC3
上下にウーハーを2つ付けて真ん中にツイーターを置く仕様で、全ての音源が真ん中のツイーターから聞こえてくるというこの方式は疑似コアキシャル(同軸2ウェイ)と言い、2000年頃パイオニアをはじめ多くのメーカーがこぞって採用した方式です。
特にAV用のスピーカーでは当たり前のように多くの製品が誕生しました、またこのスタイルは横にすればセンタースピーカーとしても機能します。
さて、このSX-LC3はそれだけではなく、ウーハーに極めてレアな方式を用いたユニットを採用しています。
それはオブリコーン方式というもので、駆動軸が中心からずらしたところに在ります。
つまりユニット中心から見ると半径が上下で違うのです、SX-LC3の場合は上部のユニットが上部が長く、下部のユニットは下部が長くなっています、写真でもよく見るとそれが解っていただけると思います。
このオブりコーン方式は一定の共鳴周波数を排除する事で歪を無くして周波数帯域がフラットになるという特徴を持っています。
SX-LC3は、14.5Cmのオブリコーンユニットのウーハーを2つ使っています。
周波数は80KHzまで伸ばしておりブルーレイなどのハイレゾソースも綺麗に再生します、AV用途では狭い部屋でのフロントでも中規模程度の部屋でのサラウンド用やセンター用などいろいろな用途に向くスピーカーと言えます。
音質はアルミコーンを使っているせいか極めて硬質でシャープです、ジャズには持って来いの音色です。
特にサックスとボーカルの音色はピカイチです、小音量でも前に押し出してくる感じは小型ブックシェルフとは思えないほど豪快です。
大きさから考えるとちょっと高価に感じますが、アルミのオブリコーン2発使いなどを考えるとむしろコストパフォーマンスは高いと言え、小型の中では鳴りっぷりは高評価できます。
音質テスト後、小型ブックシェルフのリファレンスの座をダイヤトーンDS-200ZAやオンキョーD-202AXなどから奪っただけのことはあります。