センタースピーカーの実力の程は?-1~デノン SC-C55XG
2024年6月28日 08:00
フロントスピーカーを変えるごとに合わせるセンタースピーカーに苦労していた頃、手あたり次第に各種センタースピーカーを買っていました。
そんな時代に購入した1台がこのデノンのセンタースピーカーSC-C55XG(2004年発売、定価3.2万円)です。
デノン SC-C55XG
このデノンSC-C55XGは横幅50Cmで縦9Cmという超薄型ですが、奥行22Cmと深くして容積を稼ぎ8Cm口径のユニット4個を使って周波数レンジを50Hz~120Khzとセンタースピーカーの中で極めて広い周波数レンジを誇ります。
また、小口径ユニットを使ったことで薄型にできて3.6Kgという軽さも魅力の一つです。
ウーハーに4つのユニットを使っていますが、2種類のユニットを使っておりデノン独自のP.P.D.D.方式を採用しています。
このP.P.D.D.方式というのは、スピーカー側でのプッシュプル方式とも言える方式で、ユニットのエッジが凸型と凹型の2つをコンビにして、出る音と引く音を合成してダイナミックな音を発せられる方式です。
また、エンクロージャー内部でのぶつかりを防ぎ高周波歪を極限まで抑える働きをします。
デノン独自のP.P.D.D.方式の2種のユニット形状
よく見ると片方のエッジが凸型で、もう片方は凹型になっている
スーパートゥイーターに、ナストロン振動板を採用したユニットを使用し120KHzまで高音域を伸ばしています。
ハイレゾ規格ではスピーカーの場合は40KHz以上ですから、文句無しのハイレゾ対応というわけです。
また、デザインもユニークで後ろにカーブした流線形が綺麗です。
これもまたエンクロージャー内での高周波歪を抑える効果があるのです。
さて、肝心の音質ですがこの薄型エンクロージャーからは想像もつかない分厚い音色を発します。
流石に低音域は抑えられてはいるもののセンタースピーカーに求められる中高音域の響きは文句無しです。
価格の割には音質はしっかりしておりエントリークラスのホームシアターには、もったいないほどの音質です。
薄型なので、32インチ以下のモニターであれば本機の上部に乗せることも可能でしょう。
天然目の化粧板仕上げも豪華、見事な出来の逸品です。