エントリークラスのCDプレーヤーの実力のほどは?-6~ティアック CD-P650
2024年4月16日 08:00
私が確認したエントリークラスのCDプレーヤーで、最も音質と音色が際立っていたのが、このティアックCD-P650(2015年発売、オープン)です。
2018年暮れの時点でまだ新品が手に入り4万~4.5万円で販売されていたことから推測すると、メーカー希望価格は6万円前後ではないかと思います。
正直、この価格では考えられないほどのパフォーマンスに驚かされました。
これは、完全にエントリークラスの域を越えています。
ティアック CD-P650
SACD対応プレーヤーが6万円前後まで落ちてきている中で、USBメモリやモバイルに対応した機能を備えディスクメディアをあえてCDに限定し低価格を打ち出しているのは逆に企画力を見せつけられているようでますますティアックの戦略に魅力さえ感じてしまいます。
まだまだSACDの価格自体がCDの倍の4500円ほどで、本当に高音質を求めてハイエンドシステムを組んでないのであれば、CD音源でもそれなりのシステムを組めばこういったCDプレーヤーで充分に高音質で愉しめます。
さて音質ですが、音出しした瞬間にSACDかと思えるほどの綺麗な中高音域の響きに驚きます、それもそのはずでバーブラウンのDACチップの最新版であるPCM1791Aを使っています。
ティアックの高音質で知られる外付けDACのUD-H01はバーブラウンのモノラルタイプの高級版であるPCM1795を2発使っています。
CD-P650の最新版DACチップはステレオタイプで1発使いのローコストタイプですが、流石にバーブラウンのDACチップの音は響きが最高です。
音の粒立ちが良いというか、くっきりと各楽器の音の輪郭がセパレーションされて本当に心地良い音色です。
発売当時、各賞を受賞し雑誌などでも高い評価を得ていたのも音を出したとたんに納得します。
どうしたらこんなバランスが取れた響きの良い音をこの価格で作れるのか、ティアックの技術力の高さとサウンドコーディネーターの耳の感性には脱帽するしかありません。
癖になる音とはこういう音です、ジャズを聴く人には最高のコストパフォーマンスなCDプレーヤと言えます、音色的にはミドルクラスのリッチな音質領域です。
改めて他の機種と比較すると、ずば抜けて私個人的には好みの音色を奏でてくれます。